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2021-06-02 | 美術芸術

 

梓澤要
『荒仏師 運慶』★★★


宇江佐さんが受賞した中山義秀文学賞
こちらは第23回受賞作
賞つながりで検索してたどり着いた一作



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梓澤要 『荒仏師 運慶』 | 新潮社

ひたすら彫る。彫るために生きる。それが仏師だ。全く新しい美を創造し、日本芸術史に屹立する天才運慶。その型破りな人生とは――。少年の頃、「醜い...

 

 

 




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わたしは美しいものが好きだ。
たとえば、女のなめらかな肌、若い男のこりこりと硬そうな筋肉、春日野を駆ける鹿たちのしなやかな動き、絹布の襞の重なり、複雑で繊細な模様、仏の像の端正なお顔、冠の透かし彫り、夜光貝の象嵌細、水面にきらめき躍る光の渦、風にしなる木々の影。
美しいものを見ると、この手で触れると、恍惚として、自分の醜さを忘れられる。
 
 
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始まりの一文からどんどん惹き込まれ、流れに乗る。
 
しかし読破するのに半年・・
読みやすいのに苦労したのは、時代背景からかもしれない。
運慶の生まれついた時代は鎌倉時代
源頼朝、北条政子などが登場する。
 
私的に源頼朝で思い出すのが司馬遼太郎
 
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司馬遼太郎【ワイド版】『街道をゆく42三浦半島記』★★★https://publications.asahi.com/kaidou/42/i...

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鎌倉時代にイマイチ乗れなくて、度々手放してしまった。

 
トータルで思うに王道な時代小説と言える。
読んでいてい気持ちがざわつくことなく安定した物語
 
 
 
参考
運慶の仏像~夏の終わりに~

 
静と動 静謐な思索といきいきとした躍動 謹厳と寛容
それぞれの像が尊格の特徴を主張しながらも、一つの世界を造り上げている。



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腕が上がればうぬぼれが生じる。才能があればなおさらだ。仏師は自我などというものは捨てねばならぬ。自我を捨てたところに初めて、真の自我、自分らしさが生まれる。父はその、仏師としていちばん大事なことを教えてくれたのだ。

 

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