★★たそがれジョージの些事彩彩★★

時の過ぎゆくままに忘れ去られていく日々の些事を、気の向くままに記しています。

ミッドナイト・スモーキング

2019年02月22日 14時48分35秒 | 徒然(つれづれ)
 書斎のドア越しに、家内が寝ついたのを確認したミッドナイト。
 私は書斎の窓を音を立てないようにそっと開ける。
 そこには冷気をはらんだ冬の夜のしじまが横たわっている。
 対面するマンションは、2、3軒の窓に明かりが認められるが、あとの数十軒は寝静まっている。

 私は煙草を1本取り出すのももどかしく、火をつける。
 我慢していた喫煙欲求は、肺胞のひとつひとつに染み渡らんばかりに煙を吸い込む。
 しばし呼吸を止め、おもむろに細めた唇から煙を吐き出す。
 軽い後ろめたさの伴う暗い至福の時だ。
 巷の嫌煙ムードもなんのそのだ競馬。
 
 その後、悪魔の深呼吸を二度、三度と繰り返す。
 見上げる空は雲に覆われて星も見えない。
 その暗い空に紫煙は立ち昇っていく。
 
 体内のニコチン濃度が満足点に達すると、エアコンの室外機の上で火を消し、煙草の先に唾液を落とし完全消火を確認し、ティッシュに包み室内のゴミ箱に捨てる。

 窓を閉め、カーテンを引き、ミッドナイト・スモーキングの儀式を終えた私はそそくさと布団に入る。
 
 

 
コメント
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