戦後の日本が一番輝いていた時代だ。
最高学年で、怖いものなしの私は我が世の春を謳歌していた。
勉強もそこそこに、放課後は草野球に明け暮れ、テレビにかじりつき、漫画を読みまくり、野山を駆け回っていた。
歌謡曲を中心とした音楽番組に興味を持ったり、エレキの若大将、加山雄三に憧れEPレコードを初めて買ったり、友達の家の月刊平凡や明星を愛読するするようになったのもその頃だ。
青年団のお兄ちゃん達がエレキバンドを組んで、公民館で練習していたベンチャーズの曲がかっこよかったのを覚えている。
子供心に、私もいつかはエレキギターをマスターして、バンドを組もうと思ったものだ。
夏休みまでに3週間というある日、夕食時に見ていたテレビのニュースで、日航機のタラップ上で、カメラに向かって手を振る法被姿の外人4人組を写していたのをおぼろげに覚えている。