ホリスティックライフ in 世田谷

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大平美和子『世田谷・大平農園 けやきが見守る四〇〇年の暮らし』

2022-07-30 18:28:08 | 最近読んだ本
大平美和子 聞き書き:菅聖子
『世田谷・大平農園 けやきが見守る四〇〇年の暮らし』(旬報社)



前回(こちら)ご紹介した通り、
ロバーツコーヒーでスモークサーモンサンドのおいしいランチをいただき、
ゆったりまったり気分で読んだのがこの本です。

無農薬栽培で野菜を育てている大平農園の存在は、かなり前から知っていました。
雑誌やテレビで紹介されることもあって、ずっと気になる存在でしたが、
同じ世田谷区とあっても遠い場所で、結局は気になっていただけ。
それが、ある時、ふと思い出したんです。
きっかけは、合唱団の練習場所。月に1回ぐらいは等々力に遠征しています。
ある時、ふと、大平農園は等々力のほうだったはずだと思って地図を見てみたら、その通りでした。
ネットで場所など調べているうちに、この本が今年出版されたばかりだということも分かって、
早速、図書館で借りて一気読み。
文字が大きくて、聞き書きということもあってかとても読みやすいので、すぐに読めます。

大平美和子さんは、1933(昭和8)年生まれ。江戸時代から400年続く大平農園の
11代目にして最後の当主です。大平家は過去5代続いて女性ばかりが生まれて、
婿養子を迎えてきました。大平さんは一人っ子で、ご主人と結婚したあと
娘が生まれたのですが、若くして亡くなったそうで、
跡を継ぐ人がおらず、美和子さんが最後の当主となります。

本の前半では大平家が先祖代々行ってきた年中行事を紹介。
餅つきをしたり、大量のたくあんを漬け込んだり、注連縄を作ったり、
古き良き時代の様子が伝わってきます。

「戦前戦中の大平家」「戦後の食糧増産時代」では、
世田谷の農家や大平家の農業の様子がよく伝わってきます。
特に美和子さんのお父さんがさまざまな工夫を重ねた人で、
トンネル栽培から始まって、
日本で初めてビニールハウスを建てることにつながります。
ただ、農薬の企業の人などとも付き合いがあり、
ビニールハウスの中で農薬を使用している中で
原因不明の体調不良が起こります。

お父さんが60代で亡くなったあと、
美和子さんのご主人は30代の時、もう一切農薬を使わないと決めました。
そこから無農薬有機栽培への転換、挑戦が始まります。昭和40年代のこと。

ちょうど有吉佐和子の『複合汚染』が新聞に連載され、農薬への問題意識が高まり、
大平農園がテレビで紹介され、多くの人から問い合わせが来たそうです。
その中で「若葉会」という会を作って、会員制の組織にしました。
人数は減っても、現在も会は続いています。

という、非常に興味深い内容ですが、
まずは大平農園を見に行ってみようと思っています。
近所の農家の無人販売所のように気軽に買えるといいのですが、
本によると、火曜日と金曜日に会員が取りに来る仕組みのようです。
素性のいい野菜が何とか手に入るといいのですが。

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