ホリスティックライフ in 世田谷

都会の中の田舎に住み、ウキウキ、ワクワク楽しく暮らす。
キーワードは、ホリスティックライフ。

『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』

2024-08-23 14:06:16 | 最近読んだ本
ビル・パーキンス『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』(ダイヤモンド社)



図書館で予約を入れて1年近く待って、やっと回ってきました。
猛暑の中、カフェや図書館でまったりして読書がススムくんの今日この頃。
大体の内容が分かっていたこともあり、あっという間に読了です。

「まえがき」で、アリとキリギリスの話が出てきます。
アリは冬の食料を蓄えるために働き、キリギリスは遊んでいた、というお話。
遊んでいては困りますよ、との教訓のはずですが、
著者は、それなら、アリはいつ楽しむことができるのか、と投げかけます。

ただ人生を生きるのではなく、十分に生きる。

老後の心配ばかりして、ひたすら貯金をする、
楽しいことは先延ばしにして。
その時々でお金を使って、その時にしかできない経験をすることをせず、
お金を貯め込んでしまう。
結局、いつそのお金を使うのか。
お金をたくさん手に入れた時には、もうそれを十分に使って楽しむ余力はない。
若い時に使っておいたほうが貴重な経験ができたはずなのに。

といったようなお話です。
若い時には、借金をしてでも、かけがえのない経験をするといい。
その時にしか味わえないことがある。
若くて年収がそれほど高くない時に貯金する必要もない。

といった見方は新鮮です。
あくまで、やがて年収が上がっていくことが前提です。

重要なことは思い出づくり。
もう体も動かなくなった時、いくらお金があっても
どこへも行けないし、お金を使うこともない、
そんな時に心を喜ばせてくれるのは、過去の思い出。

0円で死ぬのが理想、とはしていますが、
あくまでも、子どもや孫がいる人はお金を残した上でのこと。
そのあたり(本の後半)は、著者が大成功したアメリカ人の典型で、
一般庶民の日本人とはかけ離れた感覚です。
全然参考になりません。
45~60歳で資産を取り崩すのがいいと言っているのも、
普通の日本人には全く当てはまりません。
まだ住宅ローンや子どもの教育費がかかって、
そもそも資産ができていない世代です。

日本では老後のための2000万円問題が大きな話題になっていて、
とにかく貯金しなければ、とにかく資産を増やさなければ、
そんな流れになっていて、
貯め込んでいないで使ってしまおうという雰囲気はありません。
そんな中、この本が登場し、注目されました。
第1刷が発行されたのは2020年9月29日、
手元に回ってきたのは2023年10月13日発行の第17刷です。
下り坂を下るばかりの出版業界で第17刷とは、反響の大きさが分かります。

折りしも、お金を使っていいモードに既に入っている私としては、
実は、本の前半部分は、ああ!もう実行している、もうその考えになっている!
と、確認作業をしたようなものです。

とにかく楽しく生きる、楽しいことをやる、
そのうち、いつか、ということはナシにして、先延ばしにしない、
今、やりたいことをやる、そのためにお金は使っていい。
その状況になっているから、思わず、
北海道帯広~奈良~沖縄国頭村と、3週続けて
行きまくってしまっているんですよねーーー。
楽しすぎます!
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内海聡『医師が教える新型コロナワクチンの正体2』

2024-06-19 17:29:57 | 最近読んだ本
内海聡『医師が教える新型コロナワクチンの正体2』(ユサブル)

先日、表紙写真だけご紹介した本です(こちら)。
「テレビが報じない史上最悪の薬害といまだに打ち続ける日本人」という副題が付いています。

これを見ただけで、どんな内容の本か、大体はお分かりだと思いますが、
新型コロナワクチンの害や利権などについて
裏付けとなるデータや資料と共に紹介しています。

私がこれまでに理解していることは、
簡単に言えば、ワクチンを接種したことにより、
新型コロナウイルスに対する免疫はできたかもしれないが、
それ以外で、免疫力が落ちて、
かえって病気になりやすい体になるということ。
帯状疱疹が増えているのも、ワクチン接種の影響が否定できない。
それ以外でも、ワクチン接種が始まってから増えた病気は、
その影響が考えられる。
ただし、それを証明することが難しいため、
そうは思いたくない、信じたくない、
そもそもワクチンと結びつける考えがない、という日本人がほとんど。
コロナ後遺症が問題となっているが、本当のところはワクチン後遺症ではないか。

そんなところです。
この本を読むと、そんなところをしっかり裏付けデータなどで補強してくれて、
そうそう、と理解が進みます。

最初のうちは、ワクチン接種により、コロナ感染を防ぐことができます、
といううたい文句で始まったはずなのが、
実際は、ワクチン接種が始まっても感染者数は減るどころか増え続け、
いつの間にか、重症化を防ぐことができます、
という表現にすり替わっていました。
それに気が付いた日本人がどれほどいるのでしょうか。
それがおかしいと気付いた日本人はどれほどいるのでしょうか。
ほとんどの人が政府や自治体、マスメディアが伝えることを信じ込み、
御用学者がいかにも本当のようなことを言って日本国民をあおって、
おかしなことになってしまいました。

本書では、国立感染症研究所が、最初はウイルスが飛沫感染すると言っていたが、
実は空気感染(エアロゾル感染)であることを認め、
空気感染となると、マスクは無効と著者は説明します。
それどころか、マスクをつけるほうがウイルスを培養して感染しやすくなる、
マスクは汚い、と。

世界68カ国を対象に、ワクチン接種率と新規感染者数を比べると、
ワクチン接種率が高いほど感染者が多いという調査結果も紹介。

ワクチン絡みの巨大なマネーも動き、
一部のところだけに巨額な富が集まった。

ここでも、酸化グラフェンについて出てきました。
ワクチンに含まれていると噂されていた酸化グラフェン(鉛)ですが、
アメリカで、元ファイザー社員が酸化グラフェンが含まれていることを証明。

厚生労働省は、ワクチン接種が始まったころ、
ワクチン接種回数ごとの感染率・致死率のデータを取っていて、
ワクチン接種したほうが、コロナ感染後の致死率が高いことが分かっていた。
2回接種者は、未接種者より5倍も致死率が高いというデータも出ていたが、
その後、データを公表することを止めてしまった。
京都大学の名誉教授が開示請求したが、
データがないから開示できない、とした。

パンデミック条約の問題点についても言及。

それ以外にも、マイナンバーカードによる
超管理社会への始まり。
管理者がその気になれば、なんでもできてしまう。

ワクチン被害者遺族の会である「繋ぐ会」の方々による特別座談会も
話の内容が具体的で、とても参考になります。
実際、テレビ取材を受けて、思いの丈を語ったのに、
取材した担当者の上司に放映はできないと言われ、お蔵入りとなった。
さもありなん、ですが、
つまりは、そういうことです。
真実を知るには、しかるべき情報を取りに行く必要があります。
この本は、その第一歩となり得ます。
ぜひぜひお読みください。
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アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』

2023-01-24 18:56:11 | 最近読んだ本
アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

ずーっと前に図書館で予約を入れて、やっと回ってきました。
2021年に一番売れた本らしいので、1年以上待ったかもしれません。
なるほど、ごもっとも、といった内容が、
研究成果に基づいて説明されているので説得力があります。

自分ではスマートフォンを持っていないし、
今後も持つ予定がないので客観的に
冷めた目で読むことができます。
もっとも、スマホをパソコンに置き換えてみると、
他人事ではないのかもしれませんが、
どこでも、1日何度もスマホをチェックする、
スマホに完全に生活を、人生を支配されている人々、
私はその仲間ではありません。

スマホに人生を支配されて、スマホと心中しても構わないと思っている人はいいですが、
それ以外の人は読んだほうがいいと思います。
あえて、レビューは書きません。こちらを参考にしながら、
読むかどうか決めてもいいかもしれません。
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『誰も書かなかった玉城デニーの青春』

2022-10-08 17:43:15 | 最近読んだ本
藤井誠二『誰も書かなかった玉城デニーの青春 ーもう一つの沖縄戦後史』(光文社)





なんだか素敵な表紙写真。
きちんとネクタイをして、ギターを持ち、サインもしてある。
沖縄県知事という要職に就きながらもロック魂は忘れていない、
それがとてもうまく表現されています。

さて、どんなふうにこの本を紹介しましょうか。
読みながら、どんどんのめり込んでいきましたよ。
以前、沖縄ロックの歴史を紐解いていたら、ジョージ紫の関係で
玉城デニーの名前が出てきて、お~。興味が沸いてきました。
沖縄県民であれば、タレント時代の玉城デニーを知っているでしょうし、
沖縄市民なら、政治家に転身した玉城デニーも見ているでしょうけど、
それ以外の人たちは、沖縄県知事としての玉城デニーしか知らなかったりします。

もう一つの沖縄戦後史という副題が付いているように、
玉城デニーの青春時代を回顧しながらも、
本土とは違う道を歩んだ沖縄の歴史、特にコザ周辺や、
日本人とアメリカ人の軍関係者との間に生まれた子どもたちについて、
さまざまな状況が紹介されています。

一番興味があったのは、高校時代のバンド活動。
ウィザードというバンド名で活動し、それなりに注目されていたようです。
当時のメンバーにも著者が取材して、紹介しています。
沖縄ロックのレジェンド、紫、コンディション・グリーン、メデューサの名前も登場します。
もちろん、それなしでコザを語ることはできません。
聴いていた音楽として、
ディープ・パープル、レッド・ツェッペリン、キッス、レインボー、スコーピオンズ、
カンサス、イーグルス、パット・トラバース……
と並ぶと、あ~!!一緒一緒!と、のめり込んでいきました。
かぐや姫や井上陽水を聴いていたこともある、と。あ~!一緒!
土曜日「アメリカン・トップ40」をラジオで聴いていたとか、あ~!一緒一緒!

ジョージ紫のバンドに一時期いたのは、
東京の福祉関係の専門学校へ進学するため沖縄を離れた後、
3年で戻ってきてからのこと。福祉関係の仕事をしながら、
夜、ライブハウスで歌っていたのです。見たかったな~~~。

本題とは直接関係ないのですが、興味深い記述がありました。
出身小学校と中学校。
与那城村教育区立与那城小学校、与勝事務組合立与勝第二中学校。
本土復帰前だから、村立とか町立とか市立とかではなかったのでしょうか。

音楽関係は別として、心に残ったことは、
ハーフとしていじめられたことに対して育ての親が、
十人十色で、10本の指も全部形も長さも違うけれど、どの指も大切、
違うからいいんだ、みんな違って当たり前だ、
と教えた部分。それで、あの明るくて心豊かな、人の心の痛みが分かる、
玉城デニー知事が誕生しました。

あ~、書きたいことがありすぎて、もう紹介しきれません。
歌っている知事を見たい方は、YouTube(こちらこちら)へ。
フジロックでもトークショーで登場。歌っているんですよね(こちら)。
著者との刊行記念トークイベントもYouTubeにUPされています(こちら:1時間22分あります)。

この本を読んで、ますますファンになりました。
単純に会ってみたい、会って音楽談義したい、聴いてきたロックの話をしたい、雑談したい。
そんなチャンスは巡ってくるのでしょうか~。
コザのライブハウス、特にキャノンで会って話ができれば最高です。ライブも見たいですね。
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石原昌家『国家に捏造される沖縄戦体験』

2022-09-14 16:49:35 | 最近読んだ本
石原昌家『国家に捏造される沖縄戦体験 ー準軍属扱いされた0歳児・靖国神社へ合祀』(インパクト出版会)

最近、すっかり入り浸っている図書館の新刊コーナーで偶然目にして、これは読んでみたいと
すぐに借りたものの、総ページ数420ページ(本文自体は335ページ)で
内容もなかなかの重い内容で、すらすら読める本ではなく時間がかかりました。

太平洋戦争で日本で唯一の地上戦を経験した沖縄では、県民の3分の1が犠牲になったと言われています。

1952年4月30日、戦傷病者戦没者遺族等援護法が制定され、
米軍政下の沖縄にも適用されることになった。
軍人・軍属を対象にした法律の適用が、非戦闘員であった住民(老幼婦女子)に拡大。

援護法に先立って、1952年3~4月にかけて厚生省事務官が来沖し、
戦没者の遺骨収骨状況調査を実施。戦後7年にして初めての実態調査となった。
1952年4月22日、国会特別委員会で報告がなされた。

軍人・軍属に対する援護法を非戦闘員に適用させるには、
戦闘参加者概況表に基づいて戦闘参加者申立書を作成する必要があった。
軍の要請・命令があったかどうか、
戦没者がいかに積極的に戦闘に参加したかが問われることになる。
厚生省の審議官が、消極的な戦闘協力と判断し、琉球政府の担当職員に書き換えを指導。
担当職員は遺族の生活を助けたいとの思いで、援護金がもらえるよう、
書き換え、つまり捏造ともいえることが頻発していた。

例えば、「壕の提供」については、壕を使ってくださいと申し出たわけではなく
(=積極的な戦闘参加)、壕から出ていけ!と言われ出ていっただけ(=消極的な戦闘協力)
ということは日常であった。

捏造されることで、積極的に戦闘に参加したことが「事実」となってしまい、
日本軍の行った蛮行が隠れ込んでしまうことになる。
集団自決はいかにも住民が自らの意思で自決したということになっているが、
実際は、軍の強制によって自決させられた、その部分も否定されてしまう。

準軍属に認定されると、靖国神社に合祀される。
当初は戦闘参加者の認定は14歳以上だったものが、7歳となり0歳となり、
0歳児でも戦闘参加者となり得ることになった。

すみません、内容が深すぎて、うまくまとめることができません。
沖縄戦に対してはさまざまな思いがあり、当然ながら、ひと言で説明できるものではありません。
援護法についてよく知らなかったので、とても勉強になったし、
捏造された部分に関しても、何が真実かしっかり見極める目・知識を持つことの
大切さを痛感しました。
これからも勉強を進めます。
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ひろさちや『しあわせになる禅』

2022-08-22 19:37:52 | 最近読んだ本
ひろさちや『しあわせになる禅』(新潮文庫)



沖縄を一緒に旅した本書、最初の訪問地・宮古に到着するまでに読んでしまいました。
思った通り、とても分かりやすく、すらすら読み進めることができたのです。

細かいことはいいとして、究極的に5つのことをご紹介しておきます。
著者が伝えたかったことは5つ。

1 莫妄想(まくもうぞう) 余計なことを考えるな!
2 一得一矢 なんだっていい。
3 自灯明 他人のことはほっとけ!
4 放下著(ほうげぢゃく) 常識を捨てろ!
5 竿頭進歩(かんとうしんぽ) がんばるな!

過去を追うな、未来を願うな、ただ今日なすべきことを、熱心になせ
現世利益という「世間の物差し」からの解放
人のことは、ほっとけ! 真の自由人に
こだわるな!ー禅の基本精神
視点を固定したままでは、本質を見失う
捨てちゃえ! 捨てちゃえ!
日日是好日

これだけでも、本書の言わんとすることがかなり伝わるのでは。

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『同化と他者化 ー戦後沖縄の本土就職者たち』

2022-08-21 17:38:34 | 最近読んだ本
岸政彦『同化と他者化 ー戦後沖縄の本土就職者たち』(ナカニシヤ出版)



本土復帰前の沖縄からの本土就職について分析した研究書。
復帰前、日本へ渡るにはパスポートが必要だった時代、
集団就職や単身出稼ぎとして沖縄の若者が本土に大量に移動、
本土就職は、歴史的な民族大移動だったとしている。

戦後の復興時、沖縄も好景気で仕事はいくらでもあり、賃金も毎年上昇。
ただし、仕事は大工や左官工など職種が限られていた。

1957年122人から始まり、1960年代には本土からの求人が本格化、
琉球政府や地元メディアの本土就職推進策により多くの若者が本土へ渡った。
1970年代にかけて急増。職安の統計だけでも1970年には1万人を超えており、
それ以外に10倍はいると思われるとしている。
1972年には沖縄の人口が95万人だったが、19万人もの人が日本へ渡っている。

著者が実施した聞き取り調査では、本土で生活した際、不愉快な経験をした者もいたが、
それ以上に、本土での暮らしを懐かしんで話す者のほうが多かった。

本土へのあこがれ、一度は本土で働いてみたい。
沖縄を離れて本土で生活してみて初めて、沖縄への想いがわいてくる。
沖縄にいる時は好きでなかった民謡も大阪のラジオから聞こえてくると、
急に懐かしくなって、沖縄を意識するようになる。

結局、本土就職して数年滞在したのち、ほとんどがUターンして沖縄に戻ってくる。
多数聞き取り調査した中から7人の生活史を紹介しているが、
みな本土での経験を懐かしく思い出しながら語っている。良き思い出として。
実際の語り口調で紹介されており、本土へ移る前の沖縄の様子もうかがえる。
ベトナム戦争の時代、景気が良かったことや、方言札があったこと(世代にもよる)など。
南部ではエイサーはなかったと。昔はあったものの、当時はなく、最近復活したこと。
本土へ渡った当初は、電車の乗り方が分からず戸惑い、地下街も初めて、
ビル群にも圧倒された。大阪弁が分からず、聞き取れなかった。
やがて仕事や環境にも慣れ、楽しかった。

本土就職が決まった中卒者を対象とした3泊4日の合宿研修の様子も紹介しており、
規律正しい生活や言葉づかいを身に付けることなどを目的とし、
実務として手紙・電報の書き方なども学習。
さらに、日本の人に沖縄を知ってもらうべく、民謡や琉球舞踊のけいこもあった。
沖縄代表として恥ずかしくない行動を取ることも強調された。

400ページを軽く超える大書なので、すべて紹介することはできませんが、
非常に興味深い内容でした。文中に私の大学時代の指導教官の名前が出てきたことは
新鮮な驚きでした。参考文献として出てきて、そう、急に思い出しました。
指導教官は東南アジアの地域研究の分野を教えていましたが、
沖縄もフィールドだったんですよね。急に思い出しました。
授業で沖縄のことも出てきました。確かに。

近年では、本土就職の逆が主流、つまり、本土から沖縄へ移住して、
沖縄で仕事する、あるいは、店や事業を始める、その流れが加速しています。
もっとも、沖縄から本土へ渡って働いたり学生になったりする人も相変わらずそれなりにいると思われますが、
それよりも沖縄への移住者の顔がよく見えるようになっています。
実際のところはよく分かりません。

移住とか移民とか、以前から興味あるテーマなので、
機会あるごとに研究というほどのものではないですが、進めたいと思っています。

<前回、HRCネタに追記しました。ご確認ください。>
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大平美和子『世田谷・大平農園 けやきが見守る四〇〇年の暮らし』

2022-07-30 18:28:08 | 最近読んだ本
大平美和子 聞き書き:菅聖子
『世田谷・大平農園 けやきが見守る四〇〇年の暮らし』(旬報社)



前回(こちら)ご紹介した通り、
ロバーツコーヒーでスモークサーモンサンドのおいしいランチをいただき、
ゆったりまったり気分で読んだのがこの本です。

無農薬栽培で野菜を育てている大平農園の存在は、かなり前から知っていました。
雑誌やテレビで紹介されることもあって、ずっと気になる存在でしたが、
同じ世田谷区とあっても遠い場所で、結局は気になっていただけ。
それが、ある時、ふと思い出したんです。
きっかけは、合唱団の練習場所。月に1回ぐらいは等々力に遠征しています。
ある時、ふと、大平農園は等々力のほうだったはずだと思って地図を見てみたら、その通りでした。
ネットで場所など調べているうちに、この本が今年出版されたばかりだということも分かって、
早速、図書館で借りて一気読み。
文字が大きくて、聞き書きということもあってかとても読みやすいので、すぐに読めます。

大平美和子さんは、1933(昭和8)年生まれ。江戸時代から400年続く大平農園の
11代目にして最後の当主です。大平家は過去5代続いて女性ばかりが生まれて、
婿養子を迎えてきました。大平さんは一人っ子で、ご主人と結婚したあと
娘が生まれたのですが、若くして亡くなったそうで、
跡を継ぐ人がおらず、美和子さんが最後の当主となります。

本の前半では大平家が先祖代々行ってきた年中行事を紹介。
餅つきをしたり、大量のたくあんを漬け込んだり、注連縄を作ったり、
古き良き時代の様子が伝わってきます。

「戦前戦中の大平家」「戦後の食糧増産時代」では、
世田谷の農家や大平家の農業の様子がよく伝わってきます。
特に美和子さんのお父さんがさまざまな工夫を重ねた人で、
トンネル栽培から始まって、
日本で初めてビニールハウスを建てることにつながります。
ただ、農薬の企業の人などとも付き合いがあり、
ビニールハウスの中で農薬を使用している中で
原因不明の体調不良が起こります。

お父さんが60代で亡くなったあと、
美和子さんのご主人は30代の時、もう一切農薬を使わないと決めました。
そこから無農薬有機栽培への転換、挑戦が始まります。昭和40年代のこと。

ちょうど有吉佐和子の『複合汚染』が新聞に連載され、農薬への問題意識が高まり、
大平農園がテレビで紹介され、多くの人から問い合わせが来たそうです。
その中で「若葉会」という会を作って、会員制の組織にしました。
人数は減っても、現在も会は続いています。

という、非常に興味深い内容ですが、
まずは大平農園を見に行ってみようと思っています。
近所の農家の無人販売所のように気軽に買えるといいのですが、
本によると、火曜日と金曜日に会員が取りに来る仕組みのようです。
素性のいい野菜が何とか手に入るといいのですが。
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山里孫存『サンマデモクラシー』

2022-06-13 17:38:53 | 最近読んだ本
山里孫存『サンマデモクラシー』イースト・プレス

久々に、最近読んだ本のご紹介です。



沖縄へ行った時に見た「サンマデモクラシー」という映画を2回見ました(これこれ)。
映画の公式HPはこちらです。

普通、書籍が話題となって映画化されることはよくありますが、
これは逆のパターンです。
映画の後に書籍化されました。
というより、そもそもテレビ番組として2020年2月に全国放送され(見ていませんが)、
その反響が大きかったため、映画化されたそうです。

書籍を先に読んで映画を見る場合、
映画では、ざくっとした感じになってがっかりすることが多いですが、
逆のパターンなので、情報が補強されて、
とても読みやすかったです。
映画を先に見ていて大体の流れは分かっているし
(といっても細かいところまでは覚えていませんが)、
映画ではカバーしきれなかった部分もフォローされていて、
サンマ裁判を最初に起こしたウシさんや、弁護した下里さんなど
登場人物や時代背景をおさらいすることができました。
やはり興味深いですね、この時代。



ロバーツコーヒーのドリンクカードのポイントが貯まったので、
最後の部分は、フリーでアイスティーラテをいただきながら
読み終えました。

これでもう一度映画を見ると、もっと理解が深まるかな。
沖縄では、まだ断続的に上映されているようですね。
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新城和博『ぼくの沖縄<復帰後>史』

2022-03-16 17:13:52 | 最近読んだ本
新城和博『ぼくの沖縄<復帰後>史』(ボーダーインク・ボーダー新書)

今年、沖縄は本土復帰50年を迎えます。
そろそろそういった関係の特集が組まれてもいいころですが、
相変わらずコロナ禍が続く上、ウクライナ情勢が毎日報じられ、
沖縄の入る余地がまだないようです。
5月15日が近付けば、増えてくるかと思われます。

ということで、沖縄気分で読んでみました。
ただし、この本は本土復帰40年の時に沖縄タイムスに連載されたものを
まとめたもので、10年の隔たりがあります。
それでも、1963年沖縄・那覇生まれの著者が、
小学生で迎えた本土復帰から40年、
沖縄と共に歩んできた道程を紹介しています。

1972年 ドルから円への通貨交換

それまでドルを使っていたものが本土復帰となり、
円への交換のため銀行に皆が詰めかけます。
昨日までドルを使っていたものが、今日は円となる、
想像がつきませんね。お店での表示も変える必要があるし、
通帳とか証書とか請求書とか、どんな感じで進んだのでしょう。
物の値段も慣れるまでは、価値がすぐに分からなかったこともあるでしょう。
ちょうど海外旅行に行った時、現地の通貨に慣れるまで時間がかかるように。

交換して初めて円を手にした時、1円玉にはびっくりしたそうです。
1セント硬貨と比べると軽いですからね。

国際通りの変遷、百貨店やダイエーの栄枯盛衰なども紹介されています。
現在、もうリウボウしか生き残っていませんからね。

1978年 ナナサンマル「7・30」

本土復帰となっても、1978年7月29日まで道路は右側通行でした。
本土と同じ左側通行になったのは復帰後6年経った7月30日。
これも一大プロジェクトですよね。
私は、なぜかそのことは、右側通行から左側通行になると
ヘッドランプを変えないといけない、
その部分だけよく覚えています。

7月29日午後10時から30日午前6時までの間に、
信号や道路標識、バス停など、すべて変更しました。
バス停が反対側になったことで変更となったことを実感する著者。
公共のバスは乗車口が変わるため、すべて買い替える必要があったとか。
確かにそうですよね。これにはびっくり。

ほかにも具志堅用高、断水、バススト争議、県民総決起大会、
安室奈美恵、ナビィの恋、ちゅらさん、沖縄サミット、美ら海水族館、
ゆいレールなど、年代順に紹介されていて、
復帰後の沖縄の歩みがよく分かります。

地元の出版社から発行され、地元の人向けに書かれていることもあり、
こちらは全く知らなかったようなこともたくさん出てきます。

米軍基地にまつわる様々な問題を抱えながらも、
したたかに(勝手に思っているだけ?)生きてきた人々。

沖縄関係の本を何冊か読んでみたいと思う今日この頃です。
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