虹色仮面 通信

神出鬼没なオッサンが毎日感じたことを取り留めなく書き連ねます

PBについて②

2012-12-29 05:13:10 | ビジネス
昨日の続き。

では、はたしてPBの味と価格はどうなのか?
今回の特集では『本誌記者が辛口評価! PB vs NB どっちがお得?』という記事を掲載している。(1)えびせん、(2)チョコ菓子、(3)つぶあんパン、(4)きつねうどん(カップ麺)、(5)ビール、(6)洗顔料、(7)マヨネーズという7番勝負だ。

まずは「(1)えびせん」だが、製造するのはNB、PBともにカルビー。味はNBがあっさりしているのに対し、PBは塩味が濃く、食べ応えがある大人向けだ。しかし、価格も1グラムあたりの単価が、PBは70グラム/105円で、NBの90グラム/124円に比べて1割程度割高。商品としては食べきりサイズで「やめられない、とまらない」うちに分量がなくなるのがPBだというが、コストパフォーマンス的にどうか? という疑問が出てくる。記事ではPBの勝利としている。

次は「(2)チョコ菓子」対決だ。カバヤ食品の看板商品「さくさくパンダ」はファミリーマートでPBとして売られている。1袋のあたりの量は大きく違う。NBは20グラムで60円。PBは53グラムで105円。1グラムあたり単価はPBのほうが3割ほど安い。ただし、NBにはホワイトチョコが乗っている点が特色だ。味についてはPBのほうがシンプルな味わいで、NBはホワイトチョコのまろやかな味わいもある。勝負は「甲乙がつけがたい」。

「(3)つぶあんパン」はともに山崎製パン。ただしNBは5個入りで115円、PBは4個入りで98円だ。1個あたりの価格で比べると、NBのほうが断然お得だ。またNBのほうが1個あたり3グラムほど重く、あんこの味も濃厚でしっかりとしている。PBは味が薄くあっさり。圧倒的にNBの勝利となった。

同様の声が出たのが「(4)きつねうどん(カップ麺)」だ。東洋水産の「マルちゃん 赤いきつね」96グラム/118円。セブンプレミアムは103グラム/88円だ。1個あたりの価格はNBのほうが3割以上高いものの、スープについては差が歴然。NBは魚介の出汁がしっかりきいているが、PBは若干甘く、出汁の存在感が弱い。美味しさでNBに軍配が上がった。

NBがここにきて圧倒的に2勝1敗1分と優勢になりはじめたが、ここから先もPBのボロ負けが続く。「(5)ビール」対決では「セブンプレミアム 100%MALT(モルト)」(198円)と「アサヒスーパードライ」(205円 ともに350ml)を比較したが、「キレやドライ感は、NBのスーパードライに一日の長があり、PBのMALTは今ひとつ物足りなさを感じる」とPBの完敗だ。「(6)洗顔料」ではNB(マンダム製 298円)が肌荒れに改善効果があるなど「医薬部外品」だが、PB(248円)では、ただ「洗顔料」と表示されているだけで、成分表を比べても成分名の数がPBはNBの半分程度。同じ130グラムの容量だが成分を見直し、原価を圧縮しているようだ。「PBは泡立ちも足りない」と記者は不満顔で、NBの圧勝。

「(7)マヨネーズ」対決も同じ500グラムながらNBは238円、PBは178円と60円の価格差があるにもかかわらず、PBは甘みが強く味があっさりしていると低評価。一方でNBは濃厚な味わいと酸味が「同じマヨネーズか」と思うぐらいな差があった。 PB vs NBの7番勝負はNBの5勝1敗1分とPBは完膚なきまでに叩きのめされた格好だ。

記事「価格調査でわかった!PB商品は必ずしも安くはない」では、製造者が同じPBとNBの菓子11品目を選び店頭販売価格を重さで割って、1グラムあたり単価を算出し比較している。驚くべきことに11品目中5品目で、「安い」はずのPBのほうがNBより1割以上高いという事実がわかった。たとえば、柿の種で6割、チーズ鱈で2割もNBのほうが高いのだ。一方でPBのほうが1割以上安い商品は11品目中2品目、みりん焼きとポップコーンだけだった。

記事の分析によればPBの価格は変動がないが、NBの商品価格はスーパーでの購入価格をもとにしており、仕入れ状況や近隣価格によって、大きく変動しているからではないかという。それにしても、味も価格もPBはまだまだだ、という衝撃の事実が明らかになった。コンビニにとって不都合な事実をここまで書いてしまった東洋経済は、ちゃんとコンビニに置いてもらえるのだろうかと心配になってくるほどの書きっぷりだ。今後、コンビニからの圧力が高まって、東洋経済のPBバージョンもコンビニから出るようになるのかもしれない!?<了>

かつて流通業界にいたので、PBの巧みな戦略は理解していた。
このような情報が流布されると、消費者も巧みな購買をするか否かが問われてきます。
さぁ皆さんはどう判断し、どのように買われるのでしょうか?