虹色仮面 通信

神出鬼没なオッサンが毎日感じたことを取り留めなく書き連ねます

急場しのぎ

2014-04-24 09:50:05 | スポーツ
この時期、運動会かけっこ対策(短距離の走り方の指導)を希望される親御さんの電話やメールが相次いでいます。
それ自体はとてもありがたいことですし、間違いなく存在が浸透している感じもしています。
こちらの予測通り、一定数のニーズがあることもわかってきました。

ただ、ちょっと考えさせられることもあります。

先日、ある保護者の方から、このような連絡がありました。

「連休前の○日に、学校でリレー選手の選考があるので、それに向けて1~2回だけレッスンしていただけますか?」という内容。

簡単な話、試験対策ならぬリレー選考対策をしたいという要望です。
でも費用も掛かるから、1回か2回でお願いしたいとのことで…。

こちらは「(その場しのぎ的に)1~2回のレッスンですと、そのお子さんにもよりますが(必要とされる)基本が身につきませんよ!」とお伝えしました。
加えて「1~2回(のレッスン)で結果を求められても、正直厳しい部分はあります」とも伝えました。

すると、電話の向こうの親御さんは「1~2回やれば、結果は出るんじゃないですか?」という返答。
センスが良かったり、呑み込みがいいお子さんだったりすると、みるみる効果が出てきますが、全員がそうなるノウハウは現状では持ち合わせていません。
今後も追い求めていきますが、おそらく永遠に無理ではないでしょうか?

毎年、このようなやり取りはあるのですが、1~2回(走り方を)指導しただけで、足が速くなると思っている保護者(大人)って結構いるんですよね。

運動やスポーツのメカニズムを知らないから、やむを得ないのかもしれませんが、他の分野でも1~2回教えられただけで結果が出るなら、誰も苦労しないんですよねぇ。
理屈がわからないって、こんなことなんだろうなぁと電話で話しながら感じていました。

そして、この季節になると、問題の根の深さにいろいろ考えさせられます。
一つ言えるのは、運動(スポーツ)というものに対する認識の浅さと、存在的に軽く見られていることがあります。

運動・スポーツの基本は、楽しく体を動かすことだと考えます。
その上で技術を身につけ、集団でのマナーやルールを身に付けて、徐々に成長していくものではないでしょうか?

運動・スポーツに限らず、一足飛びに上手になることは極めて稀です。
日々の練習の反復がとても重要です。

「急場しのぎ」の考え方ではなく、しっかり身につけるまで待ってあげる姿勢も大人(保護者)には必要な気がします。
同時に、いろんな考え方の人がいるのは社会の常とはいえ、子どもの親としては、本質をしっかり捉えた考え方をしてほしいと願っています。