第15話は、第10話のくりかえしのような構造です。
チェハは自分の過去のためにウニョンと別れようと決意します。
虹の貝細工をもらった思い出の海岸で、チェハは「ウニョンごめん」と砂浜に文字を書きます。
それは子どものころ、ウニョンに自分のうそを告白したあとで、書いた文字と同じです。
ウニョンはその文字の意味がわからずチェハに昔の話をします。
「あの日、ここで虹を見て、いつまでも幸せが続くと思っていたんだけど、そのあとすぐ母が死んだんです」
「今、すごく幸せなのに、また悲しいことがありそうでこわいんです」
それを聞いて、チェハは自分がスホであることを打ち明けられず、そのことがわかったときのウニョンの悲しみを考えて、ウニョンと別れることを決めるのです。
冷淡になったチェハに対してウニョンはなぜだかわからず困惑します。
この、男性が好きな女性に、女性の知らない理由のために、別れを決意するという設定は冬のソナタでも夏の香りでもありました。
また、今回はイナの悲しみも伝わってきます。
自分の初恋の人チェハが死んでいて、目の前のチェハはまったく違う人物であり、そのチェハの子どものころに出会っていたのがウニョンだったのです。
自分が大事にしていた15年間がまったく意味を持たなくなってしまったのです。
最後は、チェハとウニョンはふたたび愛し合うようになります。
そのときのウニョンのセリフはチェハの決意をひるがえさせるものでした。
「あのとき、靴といっしょに見つけたものがありました。チェハさんの笑顔です。あの時はじめて私を見て笑った。あの時なぜか思ったんです。あーもう一度この人を笑わせたいなって、毎日こんなふうに笑わせてあげたいなって」こんなこと言われたら、もう何があったって、この人を離すまいって思いますよね。