息子の誕生日が「素数」で構成されており、
ルート(登場人物)と同じ「10歳」つながりもあって
本棚に眠っていた「博士の愛した数式」(小川洋子著)を読む。
博士がやさしく素数のすばらしさを語ってくれたので、
予定日より早く生まれた息子の誕生日が
この日以外考えられないくらい素敵な日になり、
今まで何とも思わなった0(ゼロ)の美しさにうっとりしたり・・・
これまで見てきた世界が違って感じられる。
交通事故の後遺症(被害者)により、
博士の記憶は80分しか持たない。
わかっていながら
この日の出来事だけは博士の記憶に残りますよう
奇跡を祈っては現実をつきつけられ・・・
やり場のない思いの中で迎える ラスト。
生まなくても、育むことができるんだ・・・
残せなくても、残すことができるんだ・・・
その時の気持ち、状況によって
読後の感想は異なるであろうが、今回は、
ラスト、誰かの存在が誰かに確かな影響を与え・・・
博士は生まなくとも、残すことができたんだ に救われる。