「ほい」
後部座席のおじさんが息子に切り絵のパンダをプレゼントしてくれた。
「はさみがないから、上手にできてないけどな」
器用に手でちぎったパンダはぼよぼよで・・・その可愛さに親子で大興奮。
パンダの次に、クマ、クマの次にウサギ、ウサギの次にカニ。
息子は「すっげぇ」と大喜び。
サービスエリアでのトイレ休憩後、「おじちゃん、いっぱい紙もらってきたったからな」と
ハイウェイ記念スタンプと書かれた紙で、オニ。ネコ。ブタ。
「はさみがないからブタの鼻がうまくでけへんかったな。ごめんな」の後、
はさみで切ったウシ登場。
振り向くと、眉カットの際に使用する小さなはさみで作って下さっているではないか。
おじさんの息子とおぼしきお兄さんのものであろう。
見ず知らずの私たちのためにハサミをだめにしたのではないか・・・申し訳なくも、
そのありがたさを素直に喜ぶことにした。
ザリガニ。ネコ、マントヒヒ(息子にとってはライオン)、ブタ、キリン・・・
次は何の動物が登場かとできあがるまでの待ち時間も楽しい。
「これ、なに?」
「はんにゃ」とおじさん。
切りにくいといいつつ、はさみを使ったおじさんの作品は芸術の世界へ。
「はんにゃって、なに?」息子への説明に四苦八苦していると、次は女性の顔。
「この女の人が怒ったら、般若になるねん」とおじさん。
能のように女の人から般若の顔が出てくる動きで表現してやるがピンとこないようで、
「ママも怒ったら、こうなる」と説明するとなんとなくわかってくれた模様・・・
次に男の人の顔、アンパンマン、そして、締めは息子の顔。
紙がなくなるまで作ってくれた切り絵の数は、なんと18枚。
おじさん、一体あなたは何者ですか? ご職業は??
男性三人で参加されているようですが、隣りはご子息ですか?
一期一会を楽しむ場であって、根掘り葉掘りきくものではないだろう。
私は勇気なく、おじさんに何一つきくことができなかった。
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