
先月9月24日で 三才になったこげです。いつまでも このままでいると・・
そう誰もが思っていたんですが。
あれは 10月1日の夕方 私はパソコンでジグソーパズルをしていた。5時の
チャイム『串本節』が流れ出したとたん「ウォ~ン、ウォ~ン」と弱々しい遠吠え
のようなこげの声。気配で 犬小屋の屋根に乗っているのはわかっていたんだけど
その鳴いている姿は、きっと映画やアニメで表される絶壁で大きな月を背景に、あ
ごをあげた・・・のようで「おもろ!」と私はニヤリとしたんです。弱々しい遠吠
えは『串本節』の最初の方だけで終わったのだが、このときこげに異変が生じてい
たようだ。
翌日から、ターゲットはおばあちゃんにしぼって 足を前脚で抱え込み腰を振っ
ておばあちゃんを歩かせない、いわゆる『マウンティング』というやつ。この行為
は性的欲求以外にも家族(仲間)の順位を確かめる意味もあるって本にはあるけど
今回はそれじゃないですね。散歩コースの終点、Tさんのおばちゃんが「うちのが
メスやから奥の家の犬が夜通しやってきては 門の外で鳴くからあたしゃ寝不足で
いま発情期やからの。間違っても外に出さんようにしているんや」とこの前日に言
っていたのを思い出し、「こげも三才になっていよいよ大人になってきたんだ」と
ある意味 ちょっとショックです。そうなると 食欲はないし、おばあちゃんの
後を付いてまわり、「目の光り方が尋常ではない。下から見上げて こっちが気を
許す時を狙っている」なんてことをおばあちゃんは何度言ったか。仕方がない、近
所にはまるっきりメスがいないのです。夜中も 急に「ワォ~ンワォ~ン」と玄関
先で遠吠えを始める。私も寝不足が続きます。外に出て「我慢、我慢」と頭を撫で
るんだけど 辛そうな目をしています。散歩に出ても その辺にメスの匂いはない
か?自分以外のオスの匂いなら入念に嗅ぎまわり、自分のマーキングをしっかりす
る。私は 引っぱられてヨレヨレで帰ってくる。途中で 発情したオス犬に出くわ
さないように気をつけながらの毎日。誰かいい人(ワンちゃん)がいればいいけど
オメデタになっても 引き取れないので、それも困る。ならば、避妊手術というの
もあるのだけど、それは可哀想だ。他の地区の人も「この間は前の家の犬が夜中に
鳴いて、家族が困っていたし(消防士の家だもん、夜鳴きは辛いよね。)、次は
川向の犬が夜鳴き、やっと治まったみたいやわ」・・・なになに、その二軒はこげ
より半年くらいの差で先に飼いだした家だ。ということは みんな発情期に入って
しまったんだ。こげの実家にいる エツはこげより一年くらいあとに生まれたのに
姫虎との間に子供をつくってしまった。それは、状況がハーレム状態だったからな
んでしょうね。こげが気に入った彼女でもいればいいんだけど、なんだか息子の彼
女をあれこれ吟味するイヤ~なオバサンになったような気分だわ。
やや遠吠えもおさまりつつあるけど さっきもおばあちゃんを襲っていたようだ
一応、私は順位はおばあちゃんよりは 上にあるようだ。おばあちゃんを転ばさな
い程度にマウンティングしていいよ。
