温存か切断か
双方のメリットデメリットについて
悩んでいる方から問われて、整理してお答えできたか自信がなかったので、あらためて整理してみる。
下肢温存のメリット
自分自身の体を残せる。
ありのままを受け入れるという発想からすれば素直。
親としては楽。
成長するに伴って判明してくる我が子の状態にあとから対応できるため、とりあえず温存 ということもよく行われる。
下肢温存のデメリット
温存の場合に、固定した部分が成長に伴い関節拘縮を起こしやすく、曲がってきてしまうことを解消するために成長に伴い手術が必要になる場合が多いが、学齢期の手術、入院は子供にとりストレスとなる。
片足例の場合、健足の長さに合わせるために、温存肢の脚延長を行う場合があるが、これまた頻回の手術とギブス生活を伴うため、学齢期に子供の生活が制限される。
温存療法をおこなっている病院が、非常に限定されている。
特に脚延長を行った場合、温存肢が筋肉が落ち、健足と比べてかなり細くなるため、見た目のバランスが悪くなることが多い。
義足に比べて、獲得できる活動の幅が狭い。
温存部分が年齢に伴い痛みやすく、また庇うために健足も痛みやすいため、高齢化に伴う不安がある。
実は小児温存症例は多いわけではなく、装具の適合管理は義肢装具士さんの経験に任されるため、病院の選択と共に義肢装具士さんを選ぶ必要がある。
切断のメリット
手術の回数が、通常の場合一度で済むため、自己受容が比較的しやすい。二歳前の手術だと自己認識がまだのため 良いみたい。
獲得できる活動の幅が広い。早期に状態固定して訓練すると、スポーツを行なうことが十分に可能。
手術が一度ある以外には、その後は「義足」という道具を交換するだけなので、自己受容を一度してしまえば、その状態を生かす方法を考えやすい。
見た目が義足だとわからないくらいの外装が可能で、歩き方も訓練次第でかなり綺麗になる。モデルさんもいるくらい。
切断のデメリット
七歳くらいまで成長発達しないと 正確には判断出来ない 本来ならありうる機能まで、早期に破棄して切断するリスクがあり、とりかえしはつかないため、決心するのが大変。
乳幼児期から義足を作る経験がある義肢装具士が希少のため、義肢装具士との良い出会いがないと苦労する。初期にあわない義足を履いたり、履かない期間が空いてしまうと義足適応が困難になるケースもある。
乳幼児期に、長時間義足をつけて重力拮抗筋を鍛えるために 立たせた姿勢を維持することが必要なため、家族の協力が不可欠。特にはじめの二年くらい。
切断時期が遅いといろんなトラブルを伴う。
二歳を超えると喪失感を伴い、七歳くらいを超えると、平衡感覚が出来上がってくるため義足適応がむつかしくなり、十歳くらいを超えると幻視痛をとめなう場合が多いよう。
毎日の義足やライナーと呼ばれる靴下のケア、断端部分のケアが面倒だが、怠ると問題が起きるため、止むを得ない。
幼少期の義足作成はむつかしく、バランスが間違って制作されることが良くあるが、それに気がつかないで成長すると、さまざまな身体的な発育の問題を誘発する恐れがある。
うーむ。
考えつく限りあげてみた。
参考になるといいんだけどな。
あとはね。
両膝がほぼ完全に機能しない 我が娘のような場合には、温存療法は難しいんだそう。
それでもある先生は、「もしかしたら片膝は機能したかもしれない」といまでも言う。
しかしながら「もしかしたら」で手術をしないで待つことは、成長発達を阻害する…
そんな無責任な
というのが、医師の限界
決めるのはやはり、親らしいです。
いまなお思う。正解はない。
ケースそれぞれにより、家族が納得して進めるべきだ。
偏った情報でなく、きちんと最前線の双方の治療を理解した上でね。
でも、たぶん
それが一番難しいから、このブログをみてメールがくるんだろうなぁ。
うーむ。何とかならないものかなぁ。
双方のメリットデメリットについて
悩んでいる方から問われて、整理してお答えできたか自信がなかったので、あらためて整理してみる。
下肢温存のメリット
自分自身の体を残せる。
ありのままを受け入れるという発想からすれば素直。
親としては楽。
成長するに伴って判明してくる我が子の状態にあとから対応できるため、とりあえず温存 ということもよく行われる。
下肢温存のデメリット
温存の場合に、固定した部分が成長に伴い関節拘縮を起こしやすく、曲がってきてしまうことを解消するために成長に伴い手術が必要になる場合が多いが、学齢期の手術、入院は子供にとりストレスとなる。
片足例の場合、健足の長さに合わせるために、温存肢の脚延長を行う場合があるが、これまた頻回の手術とギブス生活を伴うため、学齢期に子供の生活が制限される。
温存療法をおこなっている病院が、非常に限定されている。
特に脚延長を行った場合、温存肢が筋肉が落ち、健足と比べてかなり細くなるため、見た目のバランスが悪くなることが多い。
義足に比べて、獲得できる活動の幅が狭い。
温存部分が年齢に伴い痛みやすく、また庇うために健足も痛みやすいため、高齢化に伴う不安がある。
実は小児温存症例は多いわけではなく、装具の適合管理は義肢装具士さんの経験に任されるため、病院の選択と共に義肢装具士さんを選ぶ必要がある。
切断のメリット
手術の回数が、通常の場合一度で済むため、自己受容が比較的しやすい。二歳前の手術だと自己認識がまだのため 良いみたい。
獲得できる活動の幅が広い。早期に状態固定して訓練すると、スポーツを行なうことが十分に可能。
手術が一度ある以外には、その後は「義足」という道具を交換するだけなので、自己受容を一度してしまえば、その状態を生かす方法を考えやすい。
見た目が義足だとわからないくらいの外装が可能で、歩き方も訓練次第でかなり綺麗になる。モデルさんもいるくらい。
切断のデメリット
七歳くらいまで成長発達しないと 正確には判断出来ない 本来ならありうる機能まで、早期に破棄して切断するリスクがあり、とりかえしはつかないため、決心するのが大変。
乳幼児期から義足を作る経験がある義肢装具士が希少のため、義肢装具士との良い出会いがないと苦労する。初期にあわない義足を履いたり、履かない期間が空いてしまうと義足適応が困難になるケースもある。
乳幼児期に、長時間義足をつけて重力拮抗筋を鍛えるために 立たせた姿勢を維持することが必要なため、家族の協力が不可欠。特にはじめの二年くらい。
切断時期が遅いといろんなトラブルを伴う。
二歳を超えると喪失感を伴い、七歳くらいを超えると、平衡感覚が出来上がってくるため義足適応がむつかしくなり、十歳くらいを超えると幻視痛をとめなう場合が多いよう。
毎日の義足やライナーと呼ばれる靴下のケア、断端部分のケアが面倒だが、怠ると問題が起きるため、止むを得ない。
幼少期の義足作成はむつかしく、バランスが間違って制作されることが良くあるが、それに気がつかないで成長すると、さまざまな身体的な発育の問題を誘発する恐れがある。
うーむ。
考えつく限りあげてみた。
参考になるといいんだけどな。
あとはね。
両膝がほぼ完全に機能しない 我が娘のような場合には、温存療法は難しいんだそう。
それでもある先生は、「もしかしたら片膝は機能したかもしれない」といまでも言う。
しかしながら「もしかしたら」で手術をしないで待つことは、成長発達を阻害する…
そんな無責任な
というのが、医師の限界
決めるのはやはり、親らしいです。
いまなお思う。正解はない。
ケースそれぞれにより、家族が納得して進めるべきだ。
偏った情報でなく、きちんと最前線の双方の治療を理解した上でね。
でも、たぶん
それが一番難しいから、このブログをみてメールがくるんだろうなぁ。
うーむ。何とかならないものかなぁ。