秋晴れの良い日になったのですが、まるで夏のような日になってしまいました。気温が26℃ありました。気象台の発表では27℃と言っていました。
ですが、今はとても良い季節ですね。春は寒い日が多く、暖かい日は少なく、暑くなってしまいます。秋は最初は暑いのですが、良い期間が春からくらべると、はるかに長い気がします。
今日の午後は指揮者のお話を聞きに行ってきました。ハンガリーのオーケストラを長い間にわたって指揮をし、音楽監督まで務めたというコバケンの愛称で知られる、小林研一郎という指揮者の話です。彼は、今年の春の頃でしたか、障害者をオーケストラの中に入れて一緒に演奏をさせるという企画を組んで成功しました。NHKで放送しましたが、その時には大いに感動しました。

盲導犬に注目
彼の実の妹さんも出演して歌を歌ってくれました。妹さんは、私の町にある水戸三高 ( 水戸第三高等学校 : 音楽科があります ) という高校で先生をしていました。
彼の生い立ちから始まって、指揮者のコンクールで優勝したこと。それからの話などを、交響曲のさまざまなフレーズなどピアノを弾き、自分で歌いながら話をしてくれました。指揮者は普通は黙ってステージに立ち、聴衆に背中を向けて指揮棒を振って黙って帰って行くわけですが、彼の生の声、生の演奏、体験談が聞けました。めずらしいことです。
日本のオーケストラは外人の指揮者に占められていて、入りこめなかったとか。アムステルダムでの実況放送で、テノール歌手が欠席してしまって、どうしようか困ってしまったが、聴衆からの強い要望があり、演奏をしてしまった。テノールの部分がどうしても必要な時に、彼自身が歌ってしまって、盛況のうちに演奏が終了できたとか。
ハンガリーの指揮者のコンクールに応募しようとした時は、締め切りの三日後だったとか。友達の叔父さんが大使を務めていたので、何とか滑り込ませていただいたという話。指揮者のコンクールは年齢制限があって30歳まで。それ以上の年齢の人を受け付けてくれるのは、そのコンクールだけで資格は35歳までだったとか。彼はその時に34歳。ラストチャンスですね。
コンクールではものすごく大変な課題を与えられ、とてもこれではやりこなせないと思っていたが、幸運の女神に助けられ、抜群の点数で優勝できたとか。そのいきさつをこまごまと、休憩時間になっても話し続けたりして、とても観客のなかに溶け込んで、親切に話をしてくれました。彼の人柄がよくわかりました。さすがすばらしい人です。

小林研一郎と妹さん
そのコンクールではオーケストラに好かれ、良い演奏をしてくれたと言っていました。そして、やがてはそのハンガリーのオーケストラで、
マーラー ( 1860年~1911年 ) という作曲家以来空席になっていた音楽監督になったとか。話し方を聞いていて、彼はもちろん心が優しいことは確かなのでしょうが、まず第一に人が好きなんだなと感じました。友達から誘われて行ったのですが、これはとても良い経験をしました。
また、あの有名な小澤征爾もブザンソンというところでのコンクールへの申し込みが遅れ、やはり大使館に願い出て受け入れられ、優勝をしてしまったというところなどが似ていると思いました。

廃 句
最近に 無かった刺激 受けました
背中しか 見せない指揮者 前見せた
聞いたぞえ 指揮者の声・歌 ピアノまで
音楽の 裏話など たまに良し
秋晴れの 良い日だけれど 暑すぎた
今宵また 三日月・虫の音 善き時ぞ
天高く 空腹我慢 ああ辛し