かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

貧乏くじを引いた運の悪いやつだ、と思われるだけで終わってしまうんじゃないでしょうか?

2007-03-19 23:13:04 | Weblog
 今年は梅が早く咲いて早く散るか、と思っておりましたら、咲くのは早かったものの、その後なかなか散りません。特に北向きの陰になるようなところでは、周囲に比べて咲くのも遅かったですし、いつまでも咲いたままで、今を盛りと咲き誇っていたりするところもあります。暖かくきて花が咲いた後に寒くなって、一時花の動きがにぶってしまったような気配です。「花の命は短くて・・・」などと申しますが、こと今年の梅に限って言えば、意外に長生きして、桃源郷の桃の花よろしくいつまでも時間が止まったかのように満開を維持しております。

 さて、大阪府で起こった組織的な裏金問題は、一所長を懲戒免職+詐欺容疑で告訴、さらに他34人を処分し、他にも不明なところは府警の捜査にゆだねる、ということになったそうです。長年続いてきた悪しき慣習、どこかでピシッとその悪習を断って、公務員たるべき高い倫理観を醸成し、職務に精励する環境作りにまい進してもらいたいところですが、後10日ほどで定年退職を迎えるはずだった所長はこれで退職金も棒に振り、更に告訴されてと踏んだりけったりな老後になってしまうことになります。まあ責任者としてその責を問われるのは当然のところではありますが、「裏金作りを知らなかった者は無い。過去もっと悪質で派手にやっていた人も多い。個人犯罪ではない」という所長の弁には、わずかながら同情するところもあります。この弁の通り、長年の慣習として連綿と続けられてきたのは間違いないでしょうし、その不当利益を得ながら、退職金までしっかり受け取って円満退職した人だって多数に上ることでしょう。そういった人達には責任を問わず、現職だから、というだけで一人処罰されるというのは、やったことの是非以上に、貧乏くじを引いた、という思いがあるのも当然でしょう。処罰されるなら過去そういうことを続けてきた人々全てが処罰されるべきでしょうし、また、それを看過してきた歴代の知事以下府の幹部達も同罪として告訴の対象としてしかるべきです。もともとはきわめて硬直化した単年度予算主義の扱いにくさから、少しでも仕事上お金を使いやすくするためにはじめたのだろうと思われる裏金作り、その本質的な問題点を改めることなく、過去の過失を見過ごして、現時点の当事者だけを裁く、というのは、世論を沈静化させるためのいけにえとしか見えないと私には思います。いずれにしても、ことは一大阪府の問題ではなく、国も含めた全国の公務員に対する問題であろうと思われます。裏金作りの是非だけでなく、単年度予算主義による無駄なお金の使い方、責任の所在があいまいな意思決定システム、かたくなな年功序列で決められた人事、など、公務員の世界にはびこる非効率な組織体制を見直す契機となってもらわねば、いくらいけにえを司法の神にささげようとも、その根を断ち切ることは難しいでしょう。

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