かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

夜でも発電可能な太陽電池ができる?

2011-09-20 20:54:11 | Weblog
 台風15号、ようやく迷妄から覚めていくべきところへ行く気になったようですね。明日昼頃がこちらの最接近時間になりそうですが、果たして直撃するか南方海上をかすめていくかは、明日朝にならないとまだ判りそうにありません。出来ればなるだけ遠く南の海の上を突っ走っていって欲しいものですが。名古屋が凄いことになっている様子なのですが、あまり人事とも思えません。

 さて、今度の台風は通り過ぎれば一気に爽やかな秋の空気がやってきて、穏やかな晴れ間が観られそうな予報になっていますが、岡山大学で、そんなお日様のひかりのエネルギーを、従来の100倍吸収可能な太陽電池を開発した、とのニュースが出てきました。発信地は、岡山大理学部物理学科の池田直教授。グリーンフェライト(商標登録)という酸化鉄化合物を利用するのが特徴で、シリコンを使う従来の太陽電池に比べ、劇的に安価でかつ光吸収効率の高い電池ができるのだそうです。池田教授は2006年に岡山大に来る前は、大型放射光施設Spring8で勤務されていたそうで、その時から触っていた酸化鉄化合物が光や磁力に反応し、発電装置として応用可能であることを発見されたのだそうです。以来、研究を続け、それまで、レアアースのルテチウムを使っていたのを、比較的安価に入手可能なイットリウムを使うように改良し、1平米当たり製造コスト数百円程度という信じがたい安さの太陽電池を作り出すことを目指しているのだとか。このグリーンフェライトは、可視光線だけでなく、赤外線でも反応して電気を生み出すことができるそうで、つまり熱に反応するシリコンには無い画期的な特徴を持っています。しかも原体が粉末状のため、薄く伸ばして塗りつければ、自由な形状で作ることができるという特性もあります。これらの情報が本当ならまさに夢の太陽電池の実現ですが、池田研究室の公式ホームページによると、ベネッセホールディングスの支援で酸化鉄太陽電池開発研究が開始されたとのことで、思いのほか現実味のある素晴らしい研究開発になりそうです。
 光のない密閉されたところでも、熱さえあれば発電できることになりますから、エネルギー効率さえ良ければ地熱とか温泉とかごみ焼却場などに配置してもいいですし、火力発電所でも、捨てる熱から更に電気を作ってエネルギー効率を更にアップできたりするかも知れません。本末転倒かもしれませんが、これさえあれば福島原発の全電源喪失も防げたかも知れません。家庭でも熱を発するあらゆるところに『塗りつけて』発電する、なんてことが実現したら、まさにエネルギー革命そのものではないでしょうか?
 この手の画期的なブレイクスルー技術は核融合の実現までありえないか、と半ば思い込んでおりましたが、研究者の方々には是非モノにして、一日も早い実用化に結びつけて欲しいです。

コメント
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