かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

「ぼぉやーよいこだねんねしな・・・」と幻聴が聞こえてきそうな絵が出土しました。

2012-02-03 22:55:10 | Weblog
 昨日に続いて今朝も雪を警戒していたのですが、結局とてつもなく寒くなっただけで、白く輝いていたのは遠くに見える葛城山と金剛山の山並みだけでした。まあ寒くなったといっても最低気温がマイナス5℃。北国の、マイナス30℃とか40℃とか言うような極低温からすればいっそ暖かいくらいのものなのかもしれませんが、真冬でも氷点下はそう何度もない西国の一角では、マイナス5℃は年に1回遭遇するかどうか、というほどのレアな温度なのです。出勤途上通過する溜池も、一つは全面氷結、もう一つのなかなか凍らない方もかなり氷が広がって、8割がた水面が覆われていました。道は乾いていて危なっかしいところは一つもありませんでしたが、ところどころの水たまりは完全に凍りついていました。車のウォッシャー液も、凍結防止にメタノールと界面活性剤入の市販品を混ぜておいたのですが、朝は凍りついていたのか一滴も出ませんでした。希釈度から考えてマイナス5℃なら耐えられたはずなのですが、屋根付きとはいえ外気にさらされている状態では、気温以上に車体が冷えたのかもしれません。雪であまりに汚れていたので、昼の日差しでさすがに溶けただろう、と思い、帰りも、ウォッシャー液を出してみたのですが、予想通り出るには出たもののそのまま窓ガラスの上で凍りつき、シャーベット状にへばりついてしまいました。寒いというのは本当に厄介なものです。

 さて、奈良県橿原市の平安時代の遺構から、鬼の顔を描いた土器が出土したのですが、その絵が実にユーモラスで軽妙洒脱な漫画絵でした(奈良新聞記事)。写真で見た瞬間、まんま「まんが日本昔ばなし」じゃないか、と思ったのですが、見事にデフォルメされたその姿に、世界に冠たる我が国の2次元文化の源流を見た気がして、実に興味深いものがありました。額の横シワ、丸い目、大きく広がった鼻、これも大きく垂れ下がった耳、口元からつきだした牙、どれもちゃんとらしく見え、多分現代のちょっとした漫画に載っていても全然違和感を感じないのではないでしょうか? 平安時代の絵というと、どうしても絵巻物を思い出してしまいます。なんとなく平衡感覚がおかしくなったかのような寝殿造りの建物や、十二単を纏って衣装の上に長々と黒髪を流す女性、なんだかちまちまと動きそうな狩衣姿の男性などなどといった、百人一首でもお馴染みの姿しかイメージにないのですが、こんな活き活きとした絵も描かれていたというのがなんとも不思議な気がします。
 それに出土場所が奈良県橿原市というのも興味深いです。藤原京から平城京、平安京へと都が移って幾星霜、奈良と言えば古代ばかり脚光を浴びて、中世には単なる田舎で見るべきものもないかのように思われているフシがありますが、こうして文化的にも無視できない貴重な遺物が出てくる辺り、やはり奈良県はあなどれません。これを機会に大和の中世史も見直され、その芳醇な時間の積み重ねに光が差し込めば嬉しいですし、千年前の絵師さんの仕事ぶりが知れるよう、もっと色々な絵柄が発掘されたらいいのにな、と切に願います。



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