奈良市の今朝の最低気温は13.8℃、昼の最高気温は25.8℃、五
さて、今年もノーベル賞の季節が巡ってきましたね。まずはノーベル生理学・医学賞が発表され、アメリカ・ペンシルベニア大学のカタリン・カリコ特任教授とドリュー・ワイズマン教授の2人が受賞されました。その受賞理由は、メッセンジャーRNAをワクチンとして活用するための重要な要素を発見し、今の新型コロナワクチンの開発に大きく寄与した点が評価されたとのことです。詳しい内容は報道などでも紹介されているので割愛するとして、ネットニュースのコメントやSNSを見ていると、その評価が2分されているのが興味深く感じました。総じて理系の人は手放しで素晴らしい成果だと受賞も当然、という感じであるのに対し、弁護士の方など文系と目される人は、新型コロナワクチンはまだ評価が定まっていないとして、この成果にケチを付ける事例が散見されるという様子でした。新型コロナワクチンに対する評価自体がその両者の間では大きく違うところも見受けられ、前者は極めて多くの人の命を救った画期的な医療技術だと評価するのに対して、後者は少なからぬ後遺症やこれから未知の何らかの不具合が出るかもしれないと、その効能に疑いを抱いている感があります。まあ後遺症に苦しむ方や急性症状でお亡くなりになった方は大変お気の毒な話には違いなく、その安全性に警鐘を鳴らされることは間違ってないと思います。その一方で、それら犠牲を出しつつも、未知のウイルスで治療法も予防法もないという悪夢の状態を速やかに改善し、犠牲者を遥かに凌駕する大多数の人の命を救うに至ったという事実は事実として評価するよりないと思います。それに新型コロナウイルスにかこつけてこの受賞に難を点けている人は、この受賞内容は新型コロナウイルスの開発に直接関係しているわけではないことを失念しているか、誤解されているのではないでしょうか。メッセンジャーRNAという生物の神秘の一端を明らかにされたという点でこのお二方の成果は受賞に十分値するものですし、それがたまたま新型コロナワクチンの開発に役立っただけであって、新型コロナワクチンの評価自体はこの成果とは何ら関係のない話です。ノーベル賞の受賞は受賞として寿ぎ、新型コロナワクチンの評価はそれとしてまた別途考える、というわけにはいかないのだろうか、とコメント欄などを見て思いました。