かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

ばっさばっさと切り捨てた後始末を、政権がどう責任持って担うか、ですね。

2009-11-17 21:46:09 | Weblog
 今日は冷たい雨が一日中降りそぼり、午後はコートを着ないと外でいられないくらい寒さが募りましたが、明日以降はまた一段と空気は冷たさを増すみたいです。さすがにまだ道が凍るような心配はいりませんが、季節は確実に冬に向けて進んでいることを実感する毎日です。

 さて、冬に向かっている、というと、我が国の研究開発の現場にも、巨大な寒気が押し寄せてきているようです。例の事業仕分けというやつで、文部科学省系の外郭団体である独立行政法人 日本科学振興機構、略称JST、という機関が担ってきていた研究助成事業が、軒並みばっさりとやられてしまいました。私も少しですがJSTにプレゼンして研究資金を獲得してきただけに、このニュースはちょっと衝撃的でした。我が国の科学振興を進める機関の事業が、綺麗さっぱり消えて無くなる可能性がでてきたわけです。まあここで仕分け人の不見識を攻めてみても始まらないですし、そもそも彼らは将来への布石を託されたわけではなくて、今この瞬間無駄に見えそうなものを切り詰められるか、という可能性について検討することを責務としているわけですから、一概に不見識、と言い切るのも的を外しているかもしれません。いわば彼らは軍隊で言う参謀の役割で、与えられた課題である事業資金の刈り取りについて案を出しているわけですから、その案をどう活用するのかと言う判断と、それを活用して得られた結果の責任は、大将たる政治家が担うべきことです。当然、大将には大将として、参謀には必要とされない多角的な視点から大局を判断する必要があるわけですから、仕分け人が不要! という烙印を押した事業でも、今だけ、我が国の事情だけ、といった限られた視点ではなく、将来を見据えて場合によっては拾い上げる判断を下す、というような場合もあるはずです。私としては、現閣僚や民主党がそういう責任ある判断をしてくれることを期待するばかりですが、さて、どうなりますでしょうね。
 まあそれはそれとして、来年は少なくとも私の職場や私自身が、大分ひもじくつつましく仕事をしなければならない可能性が出てきました。まあこのところ何かと忙しくしてきましたから、たまには臥薪嘗胆してのんびり次の機会を待つ、という時間があってもいいかな? と思わないでもないです。来年度の国の予算がどう組まれるか、注目しておこうと思います。・・・上のヒト達は、とてもそんなのんびり気分ではいられない、と思いますけど。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いくらなんでも少しは調べて口裏くらい合わせたらどう? といいたくなる記事です。

2009-11-16 21:51:54 | Weblog
 今日は昼までは比較的暖かだったのに、午後になって少しずつ寒さが増し、帰りは少し風が吹くと思わず身が縮むほどになってきました。明日は一雨あって、その後また強い寒気が入ってくるようで、寒さも一段と募ることでしょう。来週はまた遠征を控えていますので、風邪など引かぬように気をつけたいと思います。

 さて、ネットニュースを見ていて、あれ? と思ったのですが、京都であったドラム缶爆発事件、薬品会社で容量200Lのドラム缶に廃液を入れていたときに何かの加減で急に発熱、作業員が危険を覚えて非難した直後に爆発してドラム缶が吹っ飛び、近くの新幹線の高架を飛び越えて反対側の駐車場に落下し、止めてあった車を損傷させた、という事件ですが、最初見たニュースでは150m飛んだ、と書いてあったので、なるほど、ちょっとした迫撃砲みたいなもんか、と思ってほかの記事を見て、?。そこには、120m飛んだ、と書いてありました。まあ別に測量していたわけでも無し、30mくらいは誤差の範疇か、と思って別の記事を見たら、今度は220mと。あれれ? と思ってもう一つ記事を見てみたら、今度は100m!・・・
 一体どれが本当なの? と首を傾げてしまったのでした。10や20mは誤差の範疇、と思えないことも無いのですが、さすがに倍以上違う数字が並んでは、余りにくい違いが大きすぎるというもの。まさか同じ京都で100mドラム缶飛ばしたのと200m飛ばしたのと2つの事件が相次いだりしたのか? と一瞬だけ疑いましたが、さすがに中身を見るにやはり同じ事件で間違いないようでした。
 まあ100m飛ぼうが200m飛ぼうが正直なところどうでもいい話で、それよりも、新幹線の間際でそんな危険な迫撃砲ごっこが繰り広げられた、ということ自体がとんでもなく大事件なわけで、万が一線路に落ちたり、万万が一走行中の新幹線に当たったりしていたら、とか、落ちた駐車場で車じゃなくヒトを直撃していたら、とか考えると到底見過ごせないことなのですが、それはまた警察なりが捜査されるのでしょうし、その内容次第で関係者や責任者に何らかのお咎めなり注意なりがあるのでしょう。
 ということで今は静かに見守ることにするとして、問題はマスコミによって違う飛距離の謎です。そこで気になったので住所と会社名を頼りに地図を参照してみますと、この会社の敷地が東西200mほど、南北150mほどと結構大きく、ちょうど東海道線と新幹線をまたいだ反対側の駐車場と会社敷地の端が、最短距離で結ぶとざっと100m余り、というのが判りました。すなわち、敷地のギリギリ端から駐車場を狙ってドラム缶を発射すれば、飛距離100-120m、というのは頷ける距離になるのです。ですが、実際にはそんな線路のキワになる敷地の端っこでわざわざ作業していたわけではなく、敷地内の中ほどと思われる倉庫付近で作業していた、と書かれていた220m説が一番正確に数値と事態を把握していた、ということが判りました。
 でも、地図を見れば一目瞭然なのは、またいだのは新幹線高架だけじゃなくて、JR西大路駅駅舎もです。たまたままたぐように飛んだから良かったようなものの、ちょっと飛距離が足らなければ新幹線だけじゃなく、新快速やら各駅停車やらが頻繁に行きかう東海道線に飛び込んでいたかもしれず、事件のあった時間帯にどれだけの乗降客がいる駅なのかは存じませんが、そんなホームのお客の只中に飛び込んでいた可能性もあったわけで、少なくともどの記事を見てもその危険な状況が読めるようなものはありませんでした。
 100m飛ぶ、とか120m飛ぶ、とか言うのは、敷地どうしの距離を言うだけで飛んだ距離では無いので見出しとしては明らかに誤謬と思いますし、新幹線しか話題にしていないのも、現場を知らなすぎるのではないか、という懸念を憶えます。いずれにしても、どうせ書くならちゃんと調べられることくらいは調べてから書いてはどうなのだろう、とマスコミ嫌いが重箱の隅つつきをして時間をつぶしてしまった、というお話でした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今、この苦しいときこそ将来のための布石を絶やしてはいけない、と思うのですが・・・。

2009-11-15 21:45:23 | Weblog
 新作の製作も少しずつ進めており、とりあえずDTPソフトにテキストデータを移動して、大体70ページ弱の本になりそうだ、というのが見えてきました。レイアウトをいじったりとか、挿絵の枚数などで若干触れは出ますが、倍になったり半分になったり、というような極端なことにはならないでしょう。大体、いつも作っている本より若干薄め、というところに落ち着くのではないでしょうか。
 挿絵などは大体来月中旬くらいまでに取りまとめ、年内に印刷を開始、年明けには製本して、コミトレ当日に間に合わせる予定です。時間はある、と思っているとたちまち過ぎてしまうので、これからは相当意識して早め、早めに動いていきませんと、ここまでして落としたりしたら情けないですからね。努力あるのみ、です。

 さて、月では、アメリカの探査機衝突実験で大量の水が確認されたそうで、どうやら月に水があるかどうか、という論争にも決着がつきそうです。出来れば更に詳細な調査を行い、将来の月基地建設に向けた取り組みを続行してもらいたいですが、その先には巨額の研究資金がネックになっているとのことで、折からの不況を鑑み、今後果たしてどうなるのか、全く予断を許しません。
 我が国でも、事業仕分けで科学研究・普及等の分野が軒並み切られたり減額されたりしているようです。中には、IPS細胞のような、我が国が世界に対してアドバンテージを持ちうる先進的研究も減額を免れなかったそうで、このままではますます我が国には優秀な若手研究者が残らず、皆、海外の研究機関に出てしまうだろう、という悲観的な話も聞こえてきます。
 私は、個人的には未来への投資というべき研究開発をたとえいくばくかでも切るというのは反対で、苦しいときだからこそ将来への布石を打つ手を緩めてはならない、と思う次第ですが、未曾有の経済危機の中では聖域はありえない、というお金を出す側の理屈もまあわからないでもないのです。無い袖はふれない、といわれれば致し方ないと言わざるを得ないとも思います。ただ、そうなると若い優秀な頭脳が我が国から流出するのは避けられないし、そんな先人達の状況を見ては、ただでさえ理科離れが取りざたされる今の子供達が、今後ますます科学への道を歩もうと考えなくなるかもしれません。結局我が国は、平安の昔から科学は芸事と同じで貴族や金持ちがパトロンとなってやっと成り立ってきた世界です。長年かけて、下々のモノまでその必要性を理解させられず、理科離れとか科学音痴が世に跋扈する現代を鑑みれば、科学が根付かないままひたすら衰退への道を転げ落ちるしかないような、そんな暗い未来が見えてきそうな気がします。
 まあ景気が回復したら状況は改善するかも、と期待するよりないでしょうね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

17 お姉さまは私 その2

2009-11-15 01:00:00 | 麗夢小説『向日葵の姉妹達』
 あの最後の瞬間の後、どこがどうなってそうなったのか、結局私には判らないままだった。ただ、私が目覚めたとき、私はどこかのホテルのベットに寝かされ、その回りにおじいちゃん、麗夢さんやアルファベータ、ヴィクター博士や円光さん、鬼童さん、榊警部。それにおじいちゃんの部下の人達みんなの心配げな顔に囲まれていた。おじいちゃんの部下のハイネマンさんは、両目がウサギさんのように真っ赤になっていたし、モーリッツさんなんか、さっきまで戦っていた魔物達と変わんないような怖いお顔をくしゃくしゃにしているしで、多かれ少なかれ、私は本当にみんなに心配をかけてしまったんだ、と言うことを、今更ながらに思い知らされた目覚めだった。
「……おじいちゃん、ごめんなさい」
「大丈夫だシェリー。何の心配もない。終わったんだ。終わったんだよ」
 半身を起こした私の身体を、おじいちゃんは私の傍らから身を乗り出し、涙ぐんで抱きしめてくれた。私もとうとう感極まってボロボロ涙を流すと、おじいちゃんにすがりついて思い切り泣いた。ただひたすらごめんなさいを続けながら。
 ヨハンさんやシュナイダーさん、麗夢さんも涙ぐんで、湿っぽい空気が部屋の中に満ちた。
 でも少なくともそこには、不安も恐怖もなかった。今は泣いていても許される。私はその安心に浸って、おじいちゃんにしがみついていた。
 やがて泣き疲れて気分も落ち着いた頃、麗夢さんが私の枕元に来て、夢の中で私の鳩尾を殴打したことを詫びた。
「ごめんなさいシェリーちゃん。ああするしかなかったとはいえ、貴女に痛い思いをさせて」
「ううん。でもお姉さまは……」
 私は麗夢さんの事を非難するつもりは全然なかった。そう。あれは仕方なかったのだ。あのままでは私もきっと無事ではすまなかったんだろう。だから麗夢さんの処置は正しい。でも、結局お姉さまは……お姉さまは……。
 私はまた目頭が熱くなって、うつむいてしまった、その時。
 おぎゃあ! と威勢のいい泣き声が、私の耳を走り抜けた。その泣き声は続けて元気いっぱいに、部屋中に響き渡った。
「シェリーに触る。別室に移してくれんか」
 おじいちゃんがそう言って、麗夢さんを促した。麗夢さんも頷いて離れようとしたが、その袖を掴んで、私は待ったをかけた。
「麗夢さん、何を抱えているの?」
「えっ?」
「お願い。見せて!」
 さっきまでは自分のことに精一杯で、麗夢さんが何かを抱えているなんて気がつかなった。麗夢さんはおじいちゃんに目配せすると、頷いて腰をかがめてくれた。
 するとそこには……。
 玉のように可愛い赤ちゃんが、手足をばたつかせて思い切り泣いていたのだった。
「可愛い! お願い、私にも抱かせて!」
「え? ええ」
 麗夢さんが更に腰をかがめて私にそれを手渡してくれた。すると、私が抱いた途端、赤ちゃんがぴたりと泣くのを止めて、にっこりと微笑んでみせた。
「おお、泣きやんだぞ!」
 榊警部が、びっくりしたように感嘆の声を上げた。私は当惑顔の麗夢さんに聞いてみた。
「この赤ちゃんどうしたの? 麗夢さんの子供?」
「何!」×2
 途端に円光さんと鬼童さんがずいと身を乗り出してきた。赤ちゃんが怯えてまた泣き出し、榊警部が二人の耳を両手でもって強引に退場させる。麗夢さんも苦笑しながら円光さんと鬼童さんを見送った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

17 お姉さまは私 その1

2009-11-15 00:00:01 | 麗夢小説『向日葵の姉妹達』
 王室専用に用意された飛行機の中は、行きと違ってほとんど飛行機の中、という感じがしない、広々としたゆとりと快適さに満ちた空間だった。
 ミラノから関西国際空港までもビジネスクラスだったから、まだ小さい私には充分すぎる広さの座席だったけど、こうして新しい荷物、いえ、荷物なんて言ったら失礼よね。新たな友人と言い換えましょう。その友人と共に坐るには、ビジネスクラスの座席では少々手狭だったろう。でも、この飛行機なら、悠々余裕を持ってお互い快適な場所を確保できる。
 私は嬉々として、出発までの短い時間、長旅を少しでも心地よく過ごすために、毛布や枕の準備に余念がなかった。
「フロイライン・ケンプ、御加減はいかがかな?」
 荷物を納め、座席の微調整をしていた私は、背後からかけられた声に思わず畏まった。
「こ、これは皇太子殿下! ご機嫌麗しゅう……」
 するとカール殿下は、おじいちゃんと同様きれいに整えられた口ひげの下の口を柔和な笑みで満たしつつ、腰をかがめて私を見た。
「ははは、カールでいいよ。この狭い飛行機の中ではいやでも膝付き合わしていなければならない身の上だ。無礼講とまでは申さぬが、同じ飛行機に乗り合わせた仲間として振る舞ってくれたまえ」
「は、はい」
 そうはいっても相手はヴィクター博士よりも年上の男性、その上皇太子殿下なのだ。私は何となく居心地が悪くて、黙りこくってしまった。殿下は、そんな私に微笑みながら、更に言葉を継いできた。
「フロイライン・ケンプ、いや、私をカールと呼べと言ったんだ、君のこともシェリーと呼ばせてもらうよ。いいね、シェリー」
「はい」
「実はシェリーにお願いがあるんだ。聞いてもらえるかな?」
「な、何でしょう、殿下」
「カール」
「あ、か、カール……様」
 返事もやっとの私だったが、名前で呼びあうことで、少しだけ気持ちがほぐれてきた。カール殿下も目を細めて、更に私に話しかけた。
「お願いというのは他でもない。この日本で体験した君の冒険を、是非とも聞かせてもらえないだろうか。かの国にいる間は、私も色々と公式行事や今回のアクシデントで忙しく、なかなか時間がとれなかった。だが、この機内なら何の気兼ねもないし、時間もたっぷりある」
 すると、さっきまでぐっすり眠り込んでいた「友人」が、ぱっちりと目を覚ました。
「おや? お姫様はお目覚めのようだね」
 カール殿下が、私が整えつつあったスーパーシートを覗き込んだ。すると「お姫様」と過分な言葉を頂いた「友人」は、急に顔を曇らせると、思い切りよく泣き出してしまった。
「あらあらあら」
 私は殿下が側にいるのも忘れて、慌てて「友人」を抱き上げた。そんな私をほほえましくご覧になられた皇太子殿下は、邪魔をして申し訳ないと謝りつつ、奥のご自分の座席に向けて、優雅に歩いて行かれた。
「また後で、シェリーの冒険を聞かせてくれ。楽しみにしているよ」
「はい、カール様」
 私は今度はしっかりと名前で返事しながら、少々手に余る「友人」とともに、ぺこりと頭を下げた。そして、ついこの間のめくるめく冒険の数々を思い出して、少しだけ感傷的な気分に浸っていた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コミトレ申し込み完了。精密検査も結果が出て、いよいよ臨戦態勢です。

2009-11-14 22:32:53 | Weblog
今日、来年1月17日(日)に開催されるコミックトレジャー15に参加申し込みを済ませました。オンラインで登録できるのでいつでも出来る、とそれなりに気にはかけつつも気楽に構えておりましたら、来週には締め切り、という所まで来てしまい、少しあわてて申し込みを行ったのでした。このイベント、これまでの状況を観察するに、まず滅多に落選は無いと思われますので、久々の即売会サークル参加が実現するものと期待しております。
 それにしても、前回「かっこうの本棚」で出たのが2007年6月10日のコミックコミュニケーションでしたから、ざっと2年半ぶりの即売会参加になります。まあ、9月のコミトレにお手伝いに行って、私の本も少し並べさせていただきましたから、即売会参加は厳密にはそんなに時間を空けてはいないのですが、自分のサークル、自分の名前でブースを張ろう、というのは、単なるお手伝いとは違う、当事者意識とでも申しましょうか、独特の何かこう燃えるものが心中に漲って参ります。あとはとにかく新刊制作をゴリゴリ推し進め、少しでも満足行く仕上げをして、会場に持って行けるように努力あるのみです。あとは風邪とかインフルエンザとかにかかったりしないよう、体調管理には今まで以上に気をつける事でしょうね。
 そうそう、体調というと、この間から医者通いをしておりました大腸がん検査ですが、結局何も怪しい兆候は認められなかった、ということで、あっさり話がつきました。朝8時過ぎに順番取りに行って、待つこと4時間。結構待つことを覚悟して持ち込んだ小説1冊が読み終わり、あとがきに目を通していたところで、ようやく診てもらえると診察室に入りましたら、レントゲン写真と内視鏡カメラの写真とを見せられて、何にも無い、綺麗なものです、2年後また検査してください、と随分お若いお医者さんに告げられて、それで終わりでした。多分、2分とかかってないのではないでしょうか。大病院なんてそんなものだ、とは思ってはいましたけど、それなりに、もし何か見つかったときはどうするか、なんてことに色々思いを巡らせていた身といたしましては、余りにあっさりした結末に、すっかり拍子抜けしてしまいました。まあ何も無かったのですからそれ以上何も望む事は無い最良の結果だったわけですが、なんとなく理不尽さを憶えないでもない感じでした。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

8千トンの船が21人で動かせる時代なのですね。でも、乗客7人はかなり寂しいです。

2009-11-13 21:45:56 | Weblog
 東京ー沖縄航路のフェリーが熊野灘沖で大傾斜の末、座礁した事件、写真を見て目を疑いました。大きな船がありえない角度に傾いて、今にもひっくり返りそうです。現代の日本近海定期航路で、こんなことが起こりえるのですね。船長の話だと、三角波に襲われたとの事ですが、太平洋は大しけだったんでしょうか。
 この船、排水量 7910t 全長:166.86m 幅:22.8m 主機関:12,000馬力×2基 最大速力:24.9ノット 旅客定員:426名  と結構な大きさでフェリーとしては快速の部類に入るんじゃないか、という足を持っていますが、会社のサイトで写真をみても、綺麗でスマートな、確かに行き足の速そうな姿に見えます。こんな船があんなになってしまうのですから、海とか自然というのはやはり侮れないものです。
 それにしても、排水量 7910t、というのはニュースでもあったので知っていたのですが、乗客全員が救出された、というのを聞いたときは、さぞかし大変だったろうな、と思ったものです。何故なら、それだけの船、恐らく旅客は100名を超えるような状態になっているに違いない、と思い込んでおりましたから。私は大阪ー北九州航路とか大阪ー別府航路、神戸ー高松航路など瀬戸内のフェリーは毎年1回以上乗る機会があり、極まれに大阪ー宮崎とか鹿児島とか、足摺岬沖を通る太平洋航路の船に乗ることもあるのですが、そんな船は大抵いつ乗っても腹いっぱいの自動車とともにそこそこの乗客があって、上下船時にはエントランスホールが結構ヒトで埋まるのをみておりました。ゆえに、この座礁したフェリーもそういう状況だろうと勝手に想像していたのです。ところが、ニュースを見ていると乗客はわずか7名。男性6、女性1 という構成だというではありませんか。この会社のサイトを見ると、この船の乗客定員は426名とありますからほとんど空っぽの状態です。もっとも、船倉には沖縄に運ぶ貨物やトレーラー、重機など計82台、三千トン以上を積んでいたそうですから、さすがに田舎のバスの如く、空気を運んでいるような状況ではなかったのでしょうが、船の空調や照明、レストランとかお風呂などは当然定員に応じたサイズになっているはずですから、それらに関しては大分無駄の多い様子になっています。沖縄航路ですから高速千円の影響はまず無いのでしょうが、東京からだと3日間も船に乗らないといけませんし、そんなに時間を食うくらいならさっさと飛行機で、ということなのでしょうね。
 高速が千円になってからは船に乗っていないのですが、ひょっとして私が愛用してきた瀬戸内航路も閑散とした状況になっているのでしょうか。高速夜行バスと違って、完全に横になって寝ることができ、お風呂にも入れる楽でお得な船便がなくなったりしたら困るのですが、現政権には、高速無料化など早々に返上して、これら交通機関が事業として存続できるように配慮願いたいですね。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

異能者には異能者に相応しい処遇が必要だと思います。

2009-11-12 23:05:16 | Weblog
 夕食のときのこと。ご飯を租借している最中に、ちょっとした拍子に舌の右側面中ほどを思い切りがぶり! とやってしまいました。ほとんど食事は終わりかけだったのでまだ良かったのですが、とにかく今口にあるものを呑み込み、洗面所の鏡で恐る恐るみてみましたら、見事にざっくり切れています。舌などの口の中は新陳代謝も激しく、怪我も比較的すばやく治るものではありますが、さすがにわずか数時間ではいかんともならず、今もちょっとした拍子にズキン! と痛みが出て、思わず顔をしかめながら日記をつけています。

 さて、今をときめく脳科学の研究者、茂木健一郎氏が4億円余りを申告漏れしたという話、多忙を極め、申告する時間が無かった、という弁解に、それほどの金額を稼ぎながら何故税理士をつけて処理しなかったのか、忙しかったではすまない、と疑問を呈し、頭脳とはバランスが悪く、彼の思考はどうかしているのでは、などと中傷まがいの話まで掲載してその姿勢を非難する記事が出ていたのをネットのニュースでみたのですが、私としては、茂木氏の弁解に同情申し上げつつ、非難する方に対しては、そこまで目くじらを立てなくても良かろう、という感想を抱きました。まあ専門も違いますし、研究者として茂木氏がどれだけの成果を挙げているのか、正直今ひとつ理解しておりませんし、テレビや雑誌、書籍などでタレント並に脚光を浴びている姿を見ているだけなのですが、その脚光に見合うだけの研究実績があるのだと仮定すると、研究者としてそれなりの成果を挙げて今の地位を築いておられるのだ、と思われます。節税には興味が無い、という氏の言葉などもそのまま受け止めると、そこには世俗的なことには余り興味を示さない典型的な理系学者の姿が浮かび上がるような気がします。ご専門の研究分野のように興味があることには異常なほどの集中力を発揮して、あらゆるリソースをその研究と思考に費やすことが出来る一方で、興味の無いことには全く省みることがない、というような種類の人間に対して、常識を振りかざして説教してみても余り意味がありません。そういう意味では、記事に載っていたコメント、「思考がどうかしている」というのは、ある意味的を得ていると思うのです。それよりは、そのようなヒトは周りで世話を焼いて、そのヒトが不自由なくひたすら研究に没頭できるように環境を整えてあげる方が、社にとって、また我が国にとって、ひいては人類にとって遥かに実りある結果をもたらしうるでしょう。すなわち、氏が在籍しているソニーこそが、氏が税を滞納するような社会的な違反行為を犯してしまう前に、確定申告を手助けするなどの便宜を、率先して提供すべきだったと私は考えます。ソニーは氏を抱えることで有形無形の利益を得ているわけですし、秘書を一人つけるくらい訳無いことだったのではないでしょうか。私としてはこういうヒトを雇うときは、雇用したというよりは、パトロンとして振舞うくらいでちょうどいいのではないかと思うのです。
 とは言え、私の知る研究者の方々は、その分野では知る人ぞ知る世界的権威の方もいたりしますけど、大抵は社会的には常識ある普通の方々だったりしますけどね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

記録的な大雨の早朝、雨の夢を見ました。

2009-11-11 20:05:22 | 夢、易占
 部屋が雨漏りしています。ところどころからポタポタ落ちてきたと思いましたら、いつも寝ている布団のそばに、水道の蛇口をひねったようにどっと水が流れ落ちてきます。洗面器やらバケツやらを総動員してその一つ一つの下にあてがって行くのですが、特に漏れのひどいところは早急に別の容器を用意しなければならず、かつ上手に交換しないと、ふとんや床が濡れてしまいます。さて、困ったぞ、雨がやんでくれないものか・・・。
 ・・・。
 目が覚めました。
 時刻は午前4時30分ごろ。
 外は猛烈な雨が吹きすさび、時折、雷もなっている様子です。どうやら、この雨音のせいで家が雨漏りする夢を見た模様で、しかも早朝未明に叩き起こされてしまいました。まだ起床時間までは1時間以上あるのでもう少し寝ようかとも思ったのですが、一度目覚めてしまうと雨音が耳について容易に眠ることが出来ません。結局それ以上寝るのは諦め、起きてしまいましたが、そのためか今猛烈に眠いです。
 まあこのブログを読み返しても、何回か同じように眠い眠いと書いている日が出てきますから、この眠気のせいでどうこうなろうということも無いでしょうが、雨漏りの夢は体調悪化を暗示するのだそうで、少しは気をつけたほうが良いのかもしれません。個人的には、単に日ごろから新居の雨漏りが少々不安だったことと、あの雨音のせいで夢を見たのだ、と思ってはいるのですが。
 雨漏りは、昔住んでいた家でよくありました。しとしと降るような雨では別にどうということはないのですが、いわゆるゲリラ豪雨のような大雨になりますと、まず天井を漏れる水が打つぽとん、ぽとん、という音が聞こえ出し、そのうちに2,3箇所から実際に水が染み出して下まで落ちてくるのです。ムカデやら蛇やら色々出た山の中の家でしたが、そういうところも今になって思えば一種独特の風情のある家だったな、と思わないでもないです。もっとも、今住めといわれたら丁重にお断りするでしょうが。
 結局うちでは夢の中で雨漏りしただけで実害は全く無く雨はやみましたが、隣の和歌山県和歌山市では、午前3時からの降水量が1時間当たり119.5ミリと観測史上最高の降雨を記録し、床上・床下浸水した家もあったといいますから大変です。奈良県の場合は、西から来る雨は葛城山-金剛山の千m級の山脈にさえぎられるせいか、そこまでの雨はまず見られないのですが、台風でも無しに、今頃の季節にそんな豪雨があること自体かつて無かったことですから、あんまり安心もしていられないのかもしれません。一時間に100ミリも降ったら、ひょっとしたら不安が現実になって家中空き缶やポリバケツを持って走り回らないといけなくなるかもしれませんしね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

纏向遺跡で大型建物後が発掘され、卑弥呼の住まいだ、という説もあるそうですが・・・。

2009-11-10 22:12:06 | Weblog
 わが地元奈良県の、私の住む隣町である桜井市の纒向遺跡というところで、3世紀前半の大型建物遺構が出土したのだそうです。高床式の建物で、柱穴などから、東西12.4メートル、南北は19.2メートルと、当時の建物としては国内最大規模、発掘した市の教育委員会では、「遺跡中枢部の居館域で、中心的な人物がいた建物」と説明されており、女王卑弥呼が活躍していた時期と重なることから、これぞ卑弥呼の住まい、という意見もあるのだとか。遺跡には、昼は人が作り、夜は神が作ったと言う伝説がある最古級の前方後円墳、箸墓古墳があり、卑弥呼の都の有力候補だったわけですが、この建物の発掘により、一段とその可能性が高まった、というのだそうです。
 さて、私はというと、古代史は大好きなのですが、実のところ余り興味が無い、というか、何故に卑弥呼なの? という気がどうしてもぬぐえないでいます。そもそも卑弥呼という名前自体、魏王朝の誰かが勝手に漢字を当てはめただけであって、我が国でつけられたり呼ばれたりしたものではありませんし、当時の日本と中国との交流がどの程度あったのかは推測の域を出ませんが、列島の隅々に住まいしていた日本人のうち、中国と関係を持っていたのは極わずかなものでしょう。そんな特殊な一事例を持って、まるで我が国の古代史を代表する人物であるかのごとく扱うということに、どうしても抵抗があるのです。その当時の日本人が、魏志倭人伝にしか痕跡を残していない、という事を考慮したとしても、何でもかんでもその当時と目される出土物を卑弥呼に関連付けて語る必要が本当にあるのか、卑弥呼に関連付けることが本当に正しい古代史の理解に繋がるのか、というのが素朴な疑問としてあります。そもそも中国の歴史書に出てくる倭国という国が本当にこの列島に実在していたのか、など、疑い出したらきりが無いように思えるのです。
 卑弥呼、もしくはそれを連想させそうな名前が日本書紀にも古事記にも伝えられていないというのを考えると、実は奈良の古代史とは何の関係も無く、中国にごく間近な九州などの地方集団の長の一人、ということであったのかもしれません。発掘された鉄剣に名前が刻まれていたことで実在が確実になった雄略天皇のように、せめて音で「ヒミコ」と読めるような何かが出土でもしない限り、到底決着がつく話とも思えませんし、九州説も近畿説も、そろそろ卑弥呼に固執するのはもう止めた方がいいんじゃないか、と思ったりもします。まあ所詮素人の戯言ですけれどね。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1999年だって無事に通過したのに、今度は2012年に世界が滅ぶんですって?

2009-11-09 22:14:37 | Weblog
 今日は上天気の中、仕事で京都まで行って参りました。京都といっても街中から大分北に行った山際でしたが、いかにも京都、と言わぬばかりに紅葉が綺麗に色づいていたのが印象的でした。もっとも、今年はまれに見る暖冬だそうですので、街中の紅葉が見ごろになるのは12月になってからかもしれません。

 さて、今また終末論が大流行だそうですね。私が子供の頃はなんと言っても1999年一色でしたが、今のはやりは2012年なのだとか。何でも、マヤ文明の預言書にその年世界が滅ぶ、なんて事が書いてあるとかないとか言うのがきっかけだそうで、それを元にした映画も今公開されていたりしますが、まあそれだけならノストラダムスの予言と同じ、というか、私の子供の頃の入れ込みようからしたら大分格が落ちるようにも見えます。でも、欧米ではそれなりに流行っているのかして、科学者の方々が、2012年滅亡説に対し、懇切丁寧にいちいち反論しているようです。1999年の話を体験してきた我々からすれば、終末論などみんなで楽しむ遊び言葉のようなもので、世界が滅ぶ、といっても結局どういうことか具体的にイメージすることも出来ませんでしたし、実感の無いままワーワー騒いでいたような気がします。でも、欧米ではキリスト教の影響なのか、終末論というのは結構馬鹿にならない影響が社会にあるみたいです。でも、キリスト教徒からしたらマヤの伝説など悪魔の言葉に他ならないのではないか、とも思うのですが、所詮私には、そのあたりの機微は理解できないのでしょうね。
 いずれにしても、どうやって人類が滅びるのか、という話を見てみたら、まあ見事に荒唐無稽な話のオンパレードにちょっと笑ってしまいました。妖星ゴラスもびっくり! な説や、惑星直列をはるかに超えるスケールの銀河直列、太陽の活動がいきなり超過激に活発化したりとか、よくもまあこんな色々とトンデモ説を思いつくもので、それにいちいち丁寧に反論しているNASAを初めとする学者の方々には頭が下がる思いがいたしますが、そもそもマヤには2012年の予言など無い、という話もあることには失笑が漏れてしまいます。我が国でも十干十二支で一巡して60年を一つの区切りとして観る暦法があるのと何ら変わらない話が、マヤの場合スケールがちょっと大きいだけ、という、単に暦の1周期が終わることをことさら大げさに取り上げているだけのことのようです。そうなると、ノストラダムスよりもよほど出来が悪い、予言ともいえないトンデモ説といえそうです。まあ娯楽映画にネタを提供し、ひと時の楽しみを人々に与えたということ位が、その影響といえるかもしれません。
 ・・・といいつつ、何せまだ見ぬ未来のことですから、2012年になって突然トンデモ説がトンデモでなくなったりする極小の可能性が絶対無いと言い切ることは出来ませんけれどね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カロリーベース自給率41%、単純にそんなものかと思っていましたけど、なんかちょっとおかしい?

2009-11-08 21:53:06 | Weblog
 連載もとうとうここまでたどり着きました。残すところはあと1章。長々と続けてきましたが、考えてみると、今回のお話って1日、いや、より正確には半日ちょっとのことを延々書き連ねていただけなのですね。そんなわずかな時間の中で繰り広げられるドラマの数々。自分で書いておきながら、それだけの時間を1年近くひっぱり続けるなんて、なんだかとても不思議な気がいたします。
 
 さて、今日の夕ご飯は五穀入のご飯に秋刀魚の焼魚、大根と薩摩芋の味噌汁、納豆という献立でしたが、たぶん輸入モノは味噌汁の味噌や納豆の原料の大豆位だと思います。薩摩芋は今年庭で栽培したものですし、大根は地場産、秋刀魚も旬の味で我が国の港に水揚げされたもののはず。食料の国産率は割と高いようでした。
 ところがこの献立でも、農水省の掲げるカロリーベースの自給率で換算すると、多分50%行くかどうか、微妙な気がいたします。私も少し誤解していたところがあるのですが、カロリーベースの自給率というのは、けして今国民が必要としている食料の自給率を表しているわけではない、というお話をネットニュースで観ました。
 カロリーベース自給率とは、国民1人に対して1日当たりに供給される食品の熱量を分母とし、そのうちの国産品の熱量を分子として国産割合を求めた数値とのことで、平成20年度の場合、分母は2473、分子は1012キロカロリー、計算すると、カロリーベース食料自給率は41%、となるわけです。記事では、これがまやかしだ、というのです。
 私も、具体的にこの数字を見て、あれ? と思ったのは、供給熱量の高さでした。国民の1日必要エネルギー量って、確か1800とか2000キロカロリーとか言うような数値ではなかったっけ? と。
 調べてみますと、今は肥満を防ぐために色々な計算があって単純に国民一人当たり○キロカロリー、というような話でもないみたいなのですが、それでも私の身長体重(171cm 62kg)でみてみましたら、1800キロカロリーと出てきました。つまり、こと熱量に関しては1800で事足りるわけで、それ以上摂取すると脂肪として蓄積するばかり、という話になり、2473キロも必要ではないのです。国産品のカロリーが1012あるなら、なるべく国産品で食卓を固めたとすれば、私の場合の自給率は60%弱になるはずといって、間違いは無いでしょう。
 農水省が予算を獲得するために、今の脂肪たっぷりで無駄も多い贅沢な食生活を計算のベースに使っているのだ、という話もみましたが、それをおいたとしても、国民の食生活の基礎数字を肥満必至の病的な水準で計算すると言うのは、どうもおかしいような気がします。農水省は、そろそろ浮世ばなれした机上の空論を弄ぶのを止めて、文字通り地に足をつけ、真に国民の食生活を安全・安定に保つための施策を具体的に立案出来るようにしていかないといけないと思います。このままだと、四半世紀後、我が国の農業を滅ぼしたのは時の農水省官僚だった、なんて未来の教科書に書かれたりするような時代が来ちゃうかもしれません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

16 名前 その2

2009-11-08 00:00:01 | 麗夢小説『向日葵の姉妹達』
 麗夢さんが油断無く剣を突きだし、その動きを牽制している。
「今更気づいてみてももう遅いわ。貴女を封印させてもらうから」
 麗夢さんの一言で、急に夢の雰囲気が変わった。
 画面を見ると、円光さんがいよいよ白く輝いて、その後ろに控えている、おじいちゃんがよく触っているのとそっくりな戦車も白く輝きだしていた。
 何かが始まろうとしている。
 すごく強い力が、この部屋全体を揺さぶりはじめているのだ。やがて、今目の前にいるのとほとんど同じ魔物が大勢、画面の中に現れ、円光さんに迫った。危ない! と叫んだ私の目は、突然動かなくなった魔物達の姿を捕らえていた。どういう理屈かこれも判らないけど、光り輝く円光さんは、この麗夢さんの剣が無敵なのと同じように、魔物の攻撃を手も触れずにはじき返すことが出来るみたい。
まるで円光さんと魔物達の間に、見えない壁があるようだった。
 佐緒里はその様子を見ながらも、全く動じない様子で麗夢さんに言った。
「なるほど、気づくのが少し遅かったようだ」
「やっと観念した?」
 麗夢さんは更に一歩前に出た。でも、佐緒里は首をはっきり横に振ると、麗夢さんに言った。
「評価の結果、今回は成功しないと判断された」
「何ですって?」
「佐緒里の身体を再起動する」
「ま、待ちなさい!」
 麗夢さんが大慌てで飛びかかろうとしたけれど、魔物達が壁になって、佐緒里のところまで届かない。部屋を揺るがす震動はどんどん大きくなっていく。それとあわせるかのように、佐緒里の身体がゆっくりと薄く消えていくようだ。アルファ、ベータも今まで以上に吠え猛って魔物達を蹴散らしたのに、魔物達も全くひるまないで襲ってくる。もう、佐緒里は半分透明になっていた。
「お前達はこの夢と共に封印されるがいい。そうなれば今度こそ邪魔者がいない中で、私は活動できる」
「シェリーちゃんがいなくなったら、貴女はどうやって完成するつもり?」
「完成に必要な因子はきっと他にもあるだろう。私はそれを探す。もうお前達は不要だ」
 駄目、間に合わない。
 私と麗夢さんは、きっと同じ思いを抱いたのだろう。麗夢さんは、手にした剣を持ち代えると、やり投げの要領で佐緒里目がけて投げつけた。しかし、その剣も、後少しと言うところで脇から飛び出してきた魔物の胸に当たり、その絶叫を響かせただけで終わった。
 万事休す。
 今度こそ私はその言葉を噛み締めたその時。
「諦めちゃ駄目って、言ったでしょ?」
 何時の間にか立ち上がっていたお姉さまが、信じられない速さで佐緒里の元に走り寄った。まるで瞬間移動したみたいだ。呆気にとられた私と麗夢さんの方へ軽くウインクしたお姉さまは、ぎょっとした表情で固まった佐緒里に言った。
「ねぇ、後始末もしないで勝手に消えないでよ」
「放せ! 放さぬか!」
 佐緒里は、初めてみせる慌てた様子で、お姉さまの手から逃れようと必死にもがいた。
「な、何をする積もりだ!」
「私が貴女を取り込むのよ。貴女を逃がさないためにね」
「何?! や、やめろ! そんなことをしていたら、私もお前も消滅してしまう。我々は失われてしまうのだぞ!」
 するとお姉さまは、ふっと笑顔を閃かせ、私の方に振り向いた。
「シェリーちゃん、さっき言おうとした私の名前ね」
「お姉さま!」
 消えてしまうと聞いた私は、狼狽して叫んだ。でも、お姉さまは聞き分けのない私に噛んで含めるように言った。
「いいから聞いて。私の名前はROM。私を作ってくれた人からもらった、大切な名前なの」
「名前などどうでもいい! 早く放せ!」
 化け物の必死な口調に、お姉さまは憤然と反論した。
「馬鹿ね! 私がここで消えても、私のことは私の名前と共にシェリーちゃんが覚えていてくれる。だから貴女はここで消えても、私は消えないのよ。ね、シェリーちゃん」
「お姉さま待って!」
「シェリーちゃん、ROMだってば。お願いだからちゃんと呼んで」
 こんな時に、と私は焦った。それなのに、お姉さまはこちらの焦りが馬鹿馬鹿しく見えるほどに、澄まし顔で耳に手まで当てている。私は観念して、名前を呼ぶことにした。
「ROM……ROMお姉さま!」
「うーんやっぱりいいわねぇ。じゃあ、忘れないでね私のこと」
「ROMお姉さま!」
「麗夢ちゃん後のことはよろしくぅ!」
 いつの間にか麗夢さんが私の手を取った。
「さあ、アルファとベータが抑えている内に早く!」
「駄目よ! お姉さまが、ROMお姉さまが!」
「ごめんシェリーちゃん!」
 麗夢さんが思い切り私の鳩尾に拳を入れた。私は意識が暗転する中、お姉さまの声が聞こえた気がした。
「ありがとう。さようなら」と。
 私はおじいちゃんが側にいる感じを覚えながら、自分の夢の中で気を失った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

同人誌製作、今回は色々と『新機軸』を盛り込めたらいいな、と考えています。

2009-11-07 22:47:34 | ドリームハンター麗夢
 今日は新刊の表紙なぞ考えてみました。私の作るような同人小説は、漫画と比べ、どうしてもお客様への訴求力が劣ります。まあ結局のところ、麗夢ファンでテキストを読むことに抵抗の無いヒトで、更に出来れば私の文体やストーリーに共感を抱いてくださる方がいるなら、後の有象無象はどうでもいいのだ、と割り切ってしまうのも、同人ならではの考え方ではあります。でも、せっかく作るのですから、なるべく多くの方に手に取ってもらいたい、そのついでにあわよくばこれまでなじみのない方にも読んでもらえる機会が得られれば、という欲もあり、表紙には、それなりに目を惹くようにする工夫がいるだろう、と思うわけです。今回は挿絵を妄想畜さまにお願いして、既に何枚か上げていただいているのですが、表紙に関しては、色々と相談しつつちょっとあまりやったことの無いことをしてみるのはどうか、と画策しているところです。何を考えているのか、という点につきましては、多分年明けごろに出せるはずの新刊告知で具体的にアピールできるものと思いますが、それまでは本の作りも含めて色々な工夫を盛り込んで、同人小説ではかつて無い何かと楽しめる本に仕上げて行きたいと思っています。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

携帯電話の迷惑メールって、今相当にはびこっているんでしょうか?

2009-11-06 22:28:52 | Weblog
 今日、某友人から、携帯のメアドを変えたので登録変更をよろしく、とのメールが届きました。何でも迷惑メール対策だそうですが、ついこの間も別の友人からほとんど同じ内容のメールが届いて登録をやり直しましたし、その前は実家の父親がやっぱりおんなじ理由で、ついでに携帯機種ごと変えて、変更したメアドを知らせてくれました。
 今、この手の話が流行っているんでしょうか?
 私の携帯はというと、幸か不幸か、携帯キャリアからのいらぬおせっかいなお知らせメール以外に、迷惑と思うようなメールは一通も入ってきません。多分設定したアドレスが、自分では憶えられないほど少々複雑な作りをしているせいもあるでしょうし、あまり携帯のメールアドレスをあちこちばら撒いていないためでもあろうと思います。PCの方へは、毎日これでもかとばかりに100、200の迷惑メールが飛び込んできてはメールソフトのフィルタ機能などではねられていますが、もしこんな調子で携帯の方にメールが届きだしたりしたらと思うと、ぞっとするものがあります。
 でも、世の中既にメールなどはPCよりも携帯の方が利用されている、という統計もあるそうですから、現在のPC並に迷惑メールが殺到するような状況も、遠からずあるのかもしれません。今のフィルタ機能も完璧には程遠いですし、それこそROMちゃんのような、ヒトと同じように物事を判断できるアルゴリズムを搭載したフィルタ・プログラムでもできないことには、この悩みから解き放たれるのは難しいのでしょう。それにしても、脳の機能を模倣するプログラミングに関する研究は、どれくらい進んだのでしょうか? ROMちゃんとグリフィンを別にすれば、私がその手の話を聞きかじったのは瀬名秀明の「BRAIN VALLEY」を読んだときのことですから、かれこれもう10年以上前の話になります。その間にコンピューターの処理速度や記憶容量は格段に進化していますし、プログラミングの研究も発展しているに違いないと思うのです。あの当時、ショウジョウバエの脳すらまだ模倣できない、ということだった技術レベルが今どれほど進んでいるのか、あるいは壁にぶつかって停滞していたりするのか、そろそろ新しい情報を観てみたいですね。特に迷惑メール対策のような、世の中がその技術を心から欲している今こそ、いろんな話が出てきてもいいと思うのです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする