かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

カロリーベース自給率41%、単純にそんなものかと思っていましたけど、なんかちょっとおかしい?

2009-11-08 21:53:06 | Weblog
 連載もとうとうここまでたどり着きました。残すところはあと1章。長々と続けてきましたが、考えてみると、今回のお話って1日、いや、より正確には半日ちょっとのことを延々書き連ねていただけなのですね。そんなわずかな時間の中で繰り広げられるドラマの数々。自分で書いておきながら、それだけの時間を1年近くひっぱり続けるなんて、なんだかとても不思議な気がいたします。
 
 さて、今日の夕ご飯は五穀入のご飯に秋刀魚の焼魚、大根と薩摩芋の味噌汁、納豆という献立でしたが、たぶん輸入モノは味噌汁の味噌や納豆の原料の大豆位だと思います。薩摩芋は今年庭で栽培したものですし、大根は地場産、秋刀魚も旬の味で我が国の港に水揚げされたもののはず。食料の国産率は割と高いようでした。
 ところがこの献立でも、農水省の掲げるカロリーベースの自給率で換算すると、多分50%行くかどうか、微妙な気がいたします。私も少し誤解していたところがあるのですが、カロリーベースの自給率というのは、けして今国民が必要としている食料の自給率を表しているわけではない、というお話をネットニュースで観ました。
 カロリーベース自給率とは、国民1人に対して1日当たりに供給される食品の熱量を分母とし、そのうちの国産品の熱量を分子として国産割合を求めた数値とのことで、平成20年度の場合、分母は2473、分子は1012キロカロリー、計算すると、カロリーベース食料自給率は41%、となるわけです。記事では、これがまやかしだ、というのです。
 私も、具体的にこの数字を見て、あれ? と思ったのは、供給熱量の高さでした。国民の1日必要エネルギー量って、確か1800とか2000キロカロリーとか言うような数値ではなかったっけ? と。
 調べてみますと、今は肥満を防ぐために色々な計算があって単純に国民一人当たり○キロカロリー、というような話でもないみたいなのですが、それでも私の身長体重(171cm 62kg)でみてみましたら、1800キロカロリーと出てきました。つまり、こと熱量に関しては1800で事足りるわけで、それ以上摂取すると脂肪として蓄積するばかり、という話になり、2473キロも必要ではないのです。国産品のカロリーが1012あるなら、なるべく国産品で食卓を固めたとすれば、私の場合の自給率は60%弱になるはずといって、間違いは無いでしょう。
 農水省が予算を獲得するために、今の脂肪たっぷりで無駄も多い贅沢な食生活を計算のベースに使っているのだ、という話もみましたが、それをおいたとしても、国民の食生活の基礎数字を肥満必至の病的な水準で計算すると言うのは、どうもおかしいような気がします。農水省は、そろそろ浮世ばなれした机上の空論を弄ぶのを止めて、文字通り地に足をつけ、真に国民の食生活を安全・安定に保つための施策を具体的に立案出来るようにしていかないといけないと思います。このままだと、四半世紀後、我が国の農業を滅ぼしたのは時の農水省官僚だった、なんて未来の教科書に書かれたりするような時代が来ちゃうかもしれません。

コメント
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16 名前 その2

2009-11-08 00:00:01 | 麗夢小説『向日葵の姉妹達』
 麗夢さんが油断無く剣を突きだし、その動きを牽制している。
「今更気づいてみてももう遅いわ。貴女を封印させてもらうから」
 麗夢さんの一言で、急に夢の雰囲気が変わった。
 画面を見ると、円光さんがいよいよ白く輝いて、その後ろに控えている、おじいちゃんがよく触っているのとそっくりな戦車も白く輝きだしていた。
 何かが始まろうとしている。
 すごく強い力が、この部屋全体を揺さぶりはじめているのだ。やがて、今目の前にいるのとほとんど同じ魔物が大勢、画面の中に現れ、円光さんに迫った。危ない! と叫んだ私の目は、突然動かなくなった魔物達の姿を捕らえていた。どういう理屈かこれも判らないけど、光り輝く円光さんは、この麗夢さんの剣が無敵なのと同じように、魔物の攻撃を手も触れずにはじき返すことが出来るみたい。
まるで円光さんと魔物達の間に、見えない壁があるようだった。
 佐緒里はその様子を見ながらも、全く動じない様子で麗夢さんに言った。
「なるほど、気づくのが少し遅かったようだ」
「やっと観念した?」
 麗夢さんは更に一歩前に出た。でも、佐緒里は首をはっきり横に振ると、麗夢さんに言った。
「評価の結果、今回は成功しないと判断された」
「何ですって?」
「佐緒里の身体を再起動する」
「ま、待ちなさい!」
 麗夢さんが大慌てで飛びかかろうとしたけれど、魔物達が壁になって、佐緒里のところまで届かない。部屋を揺るがす震動はどんどん大きくなっていく。それとあわせるかのように、佐緒里の身体がゆっくりと薄く消えていくようだ。アルファ、ベータも今まで以上に吠え猛って魔物達を蹴散らしたのに、魔物達も全くひるまないで襲ってくる。もう、佐緒里は半分透明になっていた。
「お前達はこの夢と共に封印されるがいい。そうなれば今度こそ邪魔者がいない中で、私は活動できる」
「シェリーちゃんがいなくなったら、貴女はどうやって完成するつもり?」
「完成に必要な因子はきっと他にもあるだろう。私はそれを探す。もうお前達は不要だ」
 駄目、間に合わない。
 私と麗夢さんは、きっと同じ思いを抱いたのだろう。麗夢さんは、手にした剣を持ち代えると、やり投げの要領で佐緒里目がけて投げつけた。しかし、その剣も、後少しと言うところで脇から飛び出してきた魔物の胸に当たり、その絶叫を響かせただけで終わった。
 万事休す。
 今度こそ私はその言葉を噛み締めたその時。
「諦めちゃ駄目って、言ったでしょ?」
 何時の間にか立ち上がっていたお姉さまが、信じられない速さで佐緒里の元に走り寄った。まるで瞬間移動したみたいだ。呆気にとられた私と麗夢さんの方へ軽くウインクしたお姉さまは、ぎょっとした表情で固まった佐緒里に言った。
「ねぇ、後始末もしないで勝手に消えないでよ」
「放せ! 放さぬか!」
 佐緒里は、初めてみせる慌てた様子で、お姉さまの手から逃れようと必死にもがいた。
「な、何をする積もりだ!」
「私が貴女を取り込むのよ。貴女を逃がさないためにね」
「何?! や、やめろ! そんなことをしていたら、私もお前も消滅してしまう。我々は失われてしまうのだぞ!」
 するとお姉さまは、ふっと笑顔を閃かせ、私の方に振り向いた。
「シェリーちゃん、さっき言おうとした私の名前ね」
「お姉さま!」
 消えてしまうと聞いた私は、狼狽して叫んだ。でも、お姉さまは聞き分けのない私に噛んで含めるように言った。
「いいから聞いて。私の名前はROM。私を作ってくれた人からもらった、大切な名前なの」
「名前などどうでもいい! 早く放せ!」
 化け物の必死な口調に、お姉さまは憤然と反論した。
「馬鹿ね! 私がここで消えても、私のことは私の名前と共にシェリーちゃんが覚えていてくれる。だから貴女はここで消えても、私は消えないのよ。ね、シェリーちゃん」
「お姉さま待って!」
「シェリーちゃん、ROMだってば。お願いだからちゃんと呼んで」
 こんな時に、と私は焦った。それなのに、お姉さまはこちらの焦りが馬鹿馬鹿しく見えるほどに、澄まし顔で耳に手まで当てている。私は観念して、名前を呼ぶことにした。
「ROM……ROMお姉さま!」
「うーんやっぱりいいわねぇ。じゃあ、忘れないでね私のこと」
「ROMお姉さま!」
「麗夢ちゃん後のことはよろしくぅ!」
 いつの間にか麗夢さんが私の手を取った。
「さあ、アルファとベータが抑えている内に早く!」
「駄目よ! お姉さまが、ROMお姉さまが!」
「ごめんシェリーちゃん!」
 麗夢さんが思い切り私の鳩尾に拳を入れた。私は意識が暗転する中、お姉さまの声が聞こえた気がした。
「ありがとう。さようなら」と。
 私はおじいちゃんが側にいる感じを覚えながら、自分の夢の中で気を失った。
コメント
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