平成から令和へと元号が変わりました。思えば、学生の頃に昭和から平成に変わることも経験しており、時代の流れを感じます。その中で、自分も四期目をスタートすることになるのですが、これから先の課題を考えるにあたって思うことを書きます。
端的に言うと、「いま直面している社会状況は、いま起きたことばかりではなく、過去からの私たちの選択の影響が出ている。」ということです。それなのに、過去の出来事を振り返ることなく、そこでの自分の選択がどうだったかを考えることなく、いまの課題の解決を、現在の視点だけで考えることは、結局のところその場しのぎの取り組みになりはしないかということです。
例えば、高齢化が進むことで免許返納が増え、移動に不便を感じる状況は、たしかに今の課題といえます。その解決は自動運転などの技術の進歩も含めながら、多様な手法で検討されることが期待されていると思います。しかし、その解決を考えるとき、交通手段だけに焦点を当てすぎてしまうのは、はたしてどうでしょうか?
昔は家族に一台だった車が一人に一台と言われる中で、公共交通が減少し、身近な商店がなくなる代わりに郊外型の大店舗が増え、居住地も含めた市街地が広がっていったことは、行政の責任でしょうか?行政の責任が全くないとは言いませんが、私たちの選択が今の状況をつくる一因となっていないでしょうか。
このように考えると、移動困難の課題については交通手段だけではなく、私たちの暮らし全般にわたる見直し点が見えてくるのではないでしょうか。身近な地域で、歩いて生活がある程度の段階まで完結できるようにすること、そのような考えが広がって良いのではないでしょうか。これは、地域共生社会の考えにも合致しているはずです。また、持続可能な社会をつくっていくためにも大切な視点と考えます。
このように、物事の一面だけから解決策を考えるのではなく、過去からの変遷も含めた多様な視点から、将来に向けての対処策を考える必要が、これまで以上に高まっているのが、これからの時代、政治の方向性だと思います。