鈴鹿市議会議員 中西だいすけの活動日誌

鈴鹿市議会議員として年齢も含め5期目のベテランになりました。日々の活動や感じたこと、議会での動きなどをつづります。

巨大災害の時代に

2019年05月23日 14時19分37秒 | Weblog

私たちは、阪神・淡路大震災や東日本大地震を象徴的に、巨大災害に見舞われる時代に入っています。また、地殻の活動に伴う災害だけでなく、気候変動の影響によると思われる極端な気象現象によっても、未曾有の被害を経験する時代と言えます。ですが、私たちはそのような時代ということを、本当に真正面から受け止め、いろいろな可能性から将来を考えているでしょうか。私は覚悟と、柔軟に対応することから目をそらしているのではないかと感じる時があります。

例えば、東日本大震災による津波被害について、多くの方が考える津波への備えは表面的な部分にとどまっているのではないかと感じる時があります。津波が来た時、逃げる場所が必要だと、命山や避難ビル指定といった取り組みが注目されがちです。しかし、本当にそのような施設が必要になる津波に襲われるとして、津波にほぼすべてのものが押し流された後のまちに、また住民の方々は戻り、生活を再建するのでしょうか。
愛着を持っていても、一度起こったことは再度起こる可能性がある中で、元の場所にそのまま暮らしを再建することは、はたして妥当な判断なのでしょうか。その部分について、実際に被害を受けた地域でどのような取り組みが行われているのか、継続的に情報をえた上で、今の取り組みや要望について検証されているのでしょうか、そこは将来世代に対する責任といった視点からも問われるべきではないでしょうか。名取市と岩沼市の復興の取り組みを視察した経験から言わせていただくと、危険区域指定として人が住んではいけないと地域が設定されている現状があることを、私たちは直視して考える時期ではないでしょうか。
リスクがあるのであれば、それに柔軟にしなやかに対応していくことは、過去の日本にもあったことではないでしょうか、そのことを考えた上で、巨大災害に備える取り組みをしてはどうかと考えます。

そのひとつとして、私たちは土地に価値があり、それを私有するということに慣れてきていますが、はたして想定される巨大災害による被災に対して、その考えは続けていくことができるでしょうか、続けるとしてそれが復興の大きな足かせになる可能性はないでしょうか。
津波被害について、陸上のものが全て押し流されたところを、それまでと同じ価値があると考えられ続けられるでしょうか。時間が経って、人々の記憶から薄らいだとして、それでリスクが下がるわけでもなければ、問題が解決するわけではないのではないでしょうか。
火山噴火による被害について、溶岩だけでなく、大量の火山灰によって数十センチ以上の堆積物ができたとき、どこまで私たちはその堆積物を片付けることができるでしょうか。都市部であればなおさら難しくなってしまうのではないか、その搬出場所も大きな課題になってしまうのではないでしょうか。
地球温暖化による影響について、温暖化が進むなどして海水面が上昇したとき、海抜以下になる可能性が高い地域は、相当に広いものだと考えられます。その時、巨大台風などのリスクに対して、どこまで私たちは耐えられることができるのでしょうか、被害を何度も受けることになった時、どのように対応していくのでしょうか。
これらについて、土地の私有と災害への備えという考えから考えた時、私たちは今の考え方を見直していく必要に迫られるのではないかと考えます。


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