昔とは違い何故か「トレーニング」という言葉が頻繁に報道されるロッシ。
今回もそのトレーニング中の事故なのですが、事故前の前戦シルバーストーンでの「フィーチャーインタビュ-」の内容から
今のロッシの置かれた状況が理解できる。
「僕は年寄りではない。若いんだ。。。しかし、このチャンピオンシップに参戦するには年を取っている。」
「もしかしたら、他が若すぎるかもしれない・・・。」
「当然、僕は20年前とは違う。まずは身体。これが最も難しい・・・。」
「トレーニングがさらに必要で、体力を回復させることが難しい。」
「次に頭、精神。若い頃は全てが簡単だった。」
「次の世代は、より強く、より速いけど、多くのことを学ぶことができるから、大きな挑戦となる。」
「僕が若い頃は、ベテランライダーたちから沢山のことを学んだ。今はその反対で、
クレバーにならなければいけない。」
「レースではもっと戦略的にならなければいけないし、今は最初から最後までフルスロットルでならなければいけないから、
フィジカルの要求がより厳しい・・・。」
※インタビューでも「トレーニング」や「フィジカル」という言葉が出てくる。
サーキットで観るロッシは正しく「太陽」のように、幾つになっても常に明るく飄々としているようにも観える。
しかし、その陰では肉体を酷使し、何かの力によってしか輝くことが出来ない「月」の部分も存在する。
マシンに乗り込む際の行動は「ルーティン」と言われるが、きっと彼にとっては「儀式」という言葉が適当なのかも知れない。
それはmoto3クラス決勝スタートの単なる観戦に観えるピットウォールでのシグナルの速さの確認から既に始まり
彼独特のマシンから2mの位置に先ず立ち、続いてしゃがみ込み、右ステップを掴みマシンと会話する儀式。
(実はマシンを降りる際にもマシンと会話すると言われる)
そんな、「月と太陽」のような二面性を持ち、とても迷信深いと言われるロッシ。
手術も無事に終わり術後2.3日で退院が可能と医師が言い、そこから彼が言う「トレーニング」が始まる。
幾度となく我々にみせた驚異的な早さで、再びサーキットに「太陽」の明るい陽が差すことを期待する。。。