リバーウォーク北九州5階のルーフガーデンから南方向の眺め。小倉城天守閣がほぼ同じ高さに見えています。ルーフガーデンも5階、小倉城も5階ですから、建てられた時代が大きく異なっても、各階層の高さは概ね同じくらいなんですね。
黄色い棟の4階・5階はシネコン、6階以上は駐車場。赤いビルは4階・5階が市立美術館分館、6階が北九州芸術劇場、7階以上は西日本工業大学や朝日新聞、ゼンリンミュージアムなどが入っています。
これは北九州市役所(展望室)から見たリバーウォーク。中央白い部分の屋上がルーフガーデンです。
この日は、北九州市立美術館分館で行われた「吉村芳生展」を観てきました。
吉村芳生は山口県防府市出身の画家で、鉛筆で精細緻密に描き写した新聞、毎日描き続けた膨大な数の自画像、色鉛筆で描いた制裁で緻密な花々などを世に残したことで知られています。(会場内、この入口を含めて3カ所で写真撮影が認められていました)
吉村芳生が描いた《新聞と自画像》には二つのタイプがあります。
吉村芳生が残した自画像は、すべて同じ画家の顔でありながら、新聞記事内容の内容を反映して様々に表情を描き分けています。
《コスモス(絶筆)》
吉村芳生は、自然の風景の中に息づく花々を、超絶技巧としか言いようのない筆致で描きました。もちろん、すべて色鉛筆です。コスモスも彼にとって主要な題材のひとつでしたが、描いている最中に病に倒れ、吉村の絶筆となりました。
左側から描き始めた絵はここで途切れ、その右側にはマス目だけが残されています。緻密に描かれたな描写は、右の空白と比べると、明らかに立体感が感じられました。
会場で撮影できたのはこれだけでしたので、ここからはパンフレットに掲載された写真を紹介します。
展示会のパネルやパンフレットの表紙にも使われた《無数の輝く生命に捧ぐ》。画家は、数えきれないほどの藤の花ひとつひとつを、東日本大震災で亡くなった人の命や魂として描きました。2011年から2年の歳月を費やした作品で、縦202.0×横714.0㎝もの大きさがあります。
いちばん上の《未知なる世界からの視点》は、川のほとりに咲き乱れる菜の花を描いた作品。縦202.0×横1022.0㎝もの大作です。これもすべて色鉛筆で、緻密かつ精細に描かれているのですが、じっと見ているとどこか違和感を感じませんか?
実はこの絵、上下を反転して展示してあるのです。天橋立の「股のぞき」のように、絵を股の間から眺めると、繊細で美しく正確に描写されているのがわかります。描き終えた後で、吉村芳生が何故さかさまにしてしまったのか、その意図は定かではありません。吉村芳生という画家は、常人の理解や予測を超えた部分があって、でき上がった作品をわざわざ紙やすりで傷つけたりすることもあったそうです。
ジーンズのモノクロ写真のように見える、超リアルに描かれた《ジーンズ》。徹底的に「写し」にこだわった吉村の制作手法を下記に抜粋してみます。
昨夜半から降り続いた雨も、少し止み間が出てきました。週明けには前線が再び北上し、九州北部もいよいよ梅雨入りしそうな気配。明日の日曜日は貴重な晴れ間となりそうです。
黄色い棟の4階・5階はシネコン、6階以上は駐車場。赤いビルは4階・5階が市立美術館分館、6階が北九州芸術劇場、7階以上は西日本工業大学や朝日新聞、ゼンリンミュージアムなどが入っています。
これは北九州市役所(展望室)から見たリバーウォーク。中央白い部分の屋上がルーフガーデンです。
この日は、北九州市立美術館分館で行われた「吉村芳生展」を観てきました。
吉村芳生は山口県防府市出身の画家で、鉛筆で精細緻密に描き写した新聞、毎日描き続けた膨大な数の自画像、色鉛筆で描いた制裁で緻密な花々などを世に残したことで知られています。(会場内、この入口を含めて3カ所で写真撮影が認められていました)
吉村芳生が描いた《新聞と自画像》には二つのタイプがあります。
①本物の新聞紙に描いたもの(56.0×43.5㎝)
②新聞を拡大して書き写し、そこに自画像を描き加えたもの(146.0×109.1㎝)
こちらは後者で、写真で拡大した2008年10月8日毎日新聞の第1面を一字一句精密に書き写し、その上に自画像を描いています。②新聞を拡大して書き写し、そこに自画像を描き加えたもの(146.0×109.1㎝)
吉村芳生が残した自画像は、すべて同じ画家の顔でありながら、新聞記事内容の内容を反映して様々に表情を描き分けています。
《コスモス(絶筆)》
吉村芳生は、自然の風景の中に息づく花々を、超絶技巧としか言いようのない筆致で描きました。もちろん、すべて色鉛筆です。コスモスも彼にとって主要な題材のひとつでしたが、描いている最中に病に倒れ、吉村の絶筆となりました。
左側から描き始めた絵はここで途切れ、その右側にはマス目だけが残されています。緻密に描かれたな描写は、右の空白と比べると、明らかに立体感が感じられました。
会場で撮影できたのはこれだけでしたので、ここからはパンフレットに掲載された写真を紹介します。
展示会のパネルやパンフレットの表紙にも使われた《無数の輝く生命に捧ぐ》。画家は、数えきれないほどの藤の花ひとつひとつを、東日本大震災で亡くなった人の命や魂として描きました。2011年から2年の歳月を費やした作品で、縦202.0×横714.0㎝もの大きさがあります。
いちばん上の《未知なる世界からの視点》は、川のほとりに咲き乱れる菜の花を描いた作品。縦202.0×横1022.0㎝もの大作です。これもすべて色鉛筆で、緻密かつ精細に描かれているのですが、じっと見ているとどこか違和感を感じませんか?
実はこの絵、上下を反転して展示してあるのです。天橋立の「股のぞき」のように、絵を股の間から眺めると、繊細で美しく正確に描写されているのがわかります。描き終えた後で、吉村芳生が何故さかさまにしてしまったのか、その意図は定かではありません。吉村芳生という画家は、常人の理解や予測を超えた部分があって、でき上がった作品をわざわざ紙やすりで傷つけたりすることもあったそうです。
ジーンズのモノクロ写真のように見える、超リアルに描かれた《ジーンズ》。徹底的に「写し」にこだわった吉村の制作手法を下記に抜粋してみます。
①本物のジーンズをモノクロで撮影し、引き伸ばす。
②鉄筆で2.5ミリ四方のマス目を引き、濃度に応じて0から9までの数字をマス目に書きとめる。
③写真と同じサイズの方眼紙に②で書きとめた数字を写し、透明フィルムを上から重ねて、数字の0に斜線1、数字の1に斜線2、数字の5に斜線6本のように、1つのルール対応した斜線をインクで引く。
つまり《ジーンズ》は、小さく区切られたマス目に引かれた斜線だけで描かれていて、その濃淡がまるで写真のように見えているという訳です。その下の駐車場や靴の絵も同じ手法で描かれています。②鉄筆で2.5ミリ四方のマス目を引き、濃度に応じて0から9までの数字をマス目に書きとめる。
③写真と同じサイズの方眼紙に②で書きとめた数字を写し、透明フィルムを上から重ねて、数字の0に斜線1、数字の1に斜線2、数字の5に斜線6本のように、1つのルール対応した斜線をインクで引く。
昨夜半から降り続いた雨も、少し止み間が出てきました。週明けには前線が再び北上し、九州北部もいよいよ梅雨入りしそうな気配。明日の日曜日は貴重な晴れ間となりそうです。