平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ラスト・フレンズ 第6話

2008年05月16日 | 恋愛ドラマ
★人と向かい合うということ
 今回は瑠可(上野樹里)の心の壁の話。
 本当の自分を知られて嫌われるのがイヤで、瑠可は心の中のある一線を踏み込ませない。
 瑠可の知られたくない真実。
 それが瑠可のことを真剣に考える美知留(長澤まさみ)には謎で彼女は拒絶されていると感じる。
 それほど深く考えないエリ(水川あさみ)や真実を知っているタケル(瑛太)の様だと拒絶は感じないんですけどね。
 人と正面から向き合うこと、理解しようとすることって大変なことなのだ。
 向き合えば美知留が感じた様にどこか壁を感じる。
 だから人はエリの様な向かい合い方をする。
 表面だけを見て理解した気になっている。
 そうしないと日常生活は維持できないですし。

★群像劇の主役
 この作品の主役はタイトル表示から言っても美知留なんでしょうね。
 でも最近の主役は瑠可。
 瑠可の内面が掘り下げられて描かれているからだ。
 美知留は恋の熱情で客観的に見られない女の子。
 群像劇の主役は難しい。
 自己主張しないとすぐに主役を奪われてしまう。

★ふたつの印象的なシーン

 まずは怖いシーンから。
 美知留のことが心配で宗佑のマンションに行くタケル。
 果たして玄関のドアは開いていて、入っていくと眼帯をした美知留が。
 しかも目が虚ろで幽霊の様。
 美知留は語る。
 「宗佑といると自分がなくなってしまう。自分よりも宗佑の気持ちを優先して考えてしまうから、自分が何が好きで何が嫌いで、本当に何がしたいのかわからなくなってしまう」
 完全な洗脳状態。
 眼帯の痛々しさもそうだが、洗脳されて自分を失った美知留の姿から宗佑との生活の異常さが想像させる。
 DVのシーンを直接見せられるのも怖いけど、今回の様な描かれ方も怖い。

 次にさわやかなシーン
 「自転車を直しに来て、おいしいものを食べさせてあげるから」と瑠可に頼むタケル。
 しぶしぶ瑠可が行くと美知留がいて、無理やり二人乗り自転車に乗せられてタケルと競争。
 タケルの用意したおいしいものとはコンビニのサンドウィッチで瑠可は文句を言うが、美知留は「おいしいね」と言う。
 美知留と瑠可の出会いを演出したタケル。
 サンドウィッチをめぐるリアクションの違い。
 それぞれの人物が見事に描き分けられている。
 そしてさわやか。

 こういう対照的なシーンが同居しているのもこの作品の魅力のひとつだ。
 コメディはコメディシーン、サスペンスはサスペンスシーンしかない作品が多いからねぇ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする