平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ホカベン 第5・6話

2008年05月22日 | 職業ドラマ
 生徒の水難事故。
 生徒の両親は学校の管理責任を問い、灯(上戸彩)たちは学校の弁護を行うが……。
 その過程で明らかになった真実。

 生徒はいじめを行っていた。
 そんな彼を憎むクラスメイトふたりが生徒を海で殺した。

★スッキリするドラマか?考えさせるドラマか?

 灯が真実を明らかにすることで次の様なことが起こった。
・落ちる学校の評判。
 灯の働くエムザ法律事務所の評判も。
・殺人を行った生徒は罪に問われる被告に。
・殺された生徒の両親は逆に周囲の誹謗中傷に。
 お前の子供がいじめを行っていたから悪いのだという論調。
 両親も信じていた子供が悲惨ないじめを行っていたことを知り愕然とする。

 真実を明らかにすることがすべてマイナスになってしまう所が面白い。
 真実が明らかにされてハッピーエンドが通常のドラマ。
 「ホカベン」はリアルな現実を描いたドラマだ。
 そこに物語のご都合やウソはない。
 それがいいか悪いかはドラマ論として意見の分かれる所だろう。
 見てスッキリするドラマがいいか?考えさせるドラマがいいか?

 この事件で唯一のプラス面は、殺人を犯した生徒たちの心。
 もし真実が隠蔽されたままだったら、生徒たちは一生罪の意識に苛まれるだろう。
 「あいつは殺されて当然のことをしていたんだ」と自分に言い聞かせてもどこか罪の意識がつきまとう。
 生きていても全然楽しくない。
 それを灯の行為が救ったことで、この作品はドラマになっている。

 現実が複雑になっている現在、ドラマの作劇はますます難しくなっていくだろう。


コメント (6)
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