平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ラスト・フレンズ 第4話

2008年05月02日 | 恋愛ドラマ
★相手の体に触れるということ
 今回は相手の体に触れるシーンが3つ。

・モトクロスのコーチにキスされた瑠可(上野樹里)。
 性同一障害の瑠可としては受け入れられない行為、泣きじゃくる。
 タケル(瑛太)は瑠可の隣に座り「肩を抱いていい?」と聞いて肩を抱く。

・妻と彼氏の買い物シーンを見てしまった小倉友彦(山崎樹範)。
 自分のカードを使って買われるネックレス。
 怒るよりは「あんたに喜ぶなら買ってやればよかった」と泣く。
 そんな彼にエリ(水川あさみ)は「まだ愛してるんだ。よしよし」と頭を撫でる。

 3つめは美知留(長澤まさみ)と宗佑(錦戸亮)。
・雨の中、一晩待っていた宗佑を見て美知留は抱きしめる。
 美知留には宗佑の孤独、痛みがわかるのだ。

 作者はこの3つのボディタッチを描くことで第4話を構成したのだろう。
 この3つに共通しているのは『触れることで愛する人を救ってあげたい』という想い。

★難しいバランス
 この作品は難しいバランスで描かれている。
 前述の宗佑に手を差し伸べた美知留。
 視聴者の共感を得られないバカな子になってしまう難しいバランス。
 宗佑もこれ以上モンスターぶりを発揮してしまうとホラー作品になってしまう。
 そして作者の意図はホラーサスペンス作品ではないはず。
 今回、美知留の口から宗佑は両親に愛されなかった人間であることが語られたが、そろそろ宗佑の内面が具体的に説明されるべきだろう。

★一番人を見ているのはタケル
 タケルは「瑠可は幸せだ」と語る美知留に言う。
 「人がどの位孤独かなんてわからない」
 美知留に見えていない瑠可の苦しみをタケルは知っている。
 美知留は宗佑だけを見ているから瑠可の苦しみを見ることができない。
 
 誰もが自分のことしか見えていない時代で、タケルの様に他人のことをしっかり見てくれる存在って素敵ですね。
 しかも踏み込まず一定の距離をおいて、必要な時だけ距離を縮めてくれる。
 タケルは美知留のことを見つめていて、彼女が話したい時に話を聞いてくれた。
 この距離の取り方。

 普段、人は他人を正面から見ようとしない。
 美知留の瑠可に対する理解の様に、見ている気になっているだけで実は見ていない。
 また見ていないから距離の取り方がわからずにスケズケ入ってきたり(NGワードを連発するオグリンやいきなりキスをするコーチ)、極端に距離を置いたりする。

 相手のことを見て適度な距離を保ってくれるタケル、魅力的なキャラだ。


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする