★「誰かの役にたちたいと思うのは間違いですか?」
これが朝倉啓太(木村拓哉)の今回見出した言葉。
前回は『謝る』。
この作品は啓太が自分の言葉を見出していく作品なのだろう。
『謝る』も『誰かの役に立ちたいと思う』のもある意味、人間の基本。
小学校で教えられること。
しかし政治家は出来ていない。
そんな皮肉と批判がこの作品にはある。
ただし、この『役に立ちたい』という言葉も小学校の先生の言葉。
政治家の言葉ではない。
もともと政治家などやりたくない啓太だから仕方ないが、いつ政治家の言葉を見出すかが今後の興味となる。
★総理誕生の仕組み
木村拓哉さんが総理になる!というウリで始まったこの作品。
どの様に総理になるのかと思っていたら、次のような感じだ。
総選挙3ヶ月前の首相辞任。
国民は現在の政治にうんざりしているから、政友党の長老が立候補しても選挙で惨敗する。
国民は変化、新鮮さを求めている。
ならば「国会王子」として人気のある啓太を政友党の総裁にして選挙を闘おう。
なるほど。
小泉さんが首相になったケースと似ている。
人気、イメージ先行。
ドラマの展開上、啓太は総裁になり総理になるのだろうが、ここにも作者の皮肉が……。
啓太は理想や政策を持っていない偶然政治家になってしまった人間だ。
そんな人間が総理になってしまうという皮肉。
いやしくも総理大臣。国民のために熱意を持って政治を行う人物がなるべきなのにそうならない皮肉。
この作品はフィクションだが、啓太の様なケースがリアリティを持っている所に現在の政治の貧困を感じてしまう。
★ネコ屋敷の立ち退きで時間と労力を使っていいのか?
今回、啓太が受けた陳情。
ネコ屋敷で立ち退きを迫られている。
啓太は「誰かの役にたちたいと思うのは間違いですか?」と言って話を熱心に聞くが、その対応は正しいのか?
啓太は相当な給料をもらっている国会議員。その給料は税金。
話を聞いてもらうだけで解決してしまうような案件に時間をとられていいのか?
他にもっと苦しんでいる人がいるのではないか?
人脈を作って力を持ちもっと多くの人を助けるべきではないのか?
という考え方も出来る。
一方で啓太の様にひとりを大事にしないでたくさんの人を救えるのかという考え方も出来る。
現実に百点満点の答えはない。
啓太の考え方も正しいし、他のことに時間と労力を使うべきだという考え方も正しい。
人はどちらも正しい解答の中で試行錯誤して生きているわけだが、啓太にその葛藤がない。
「ネコ屋敷の陳情を聞く時間」を「委員会の内容が少しでも理解できるよう勉強する時間」に使うべきではないかという発想が啓太にないのが残念だ。
この点でこの作品は軽い。
毎回書くが「ホカベン」の方が深い。
ストーリーテリングの面白さが福田靖脚本の魅力だが、同時に欠点でもある。
これが朝倉啓太(木村拓哉)の今回見出した言葉。
前回は『謝る』。
この作品は啓太が自分の言葉を見出していく作品なのだろう。
『謝る』も『誰かの役に立ちたいと思う』のもある意味、人間の基本。
小学校で教えられること。
しかし政治家は出来ていない。
そんな皮肉と批判がこの作品にはある。
ただし、この『役に立ちたい』という言葉も小学校の先生の言葉。
政治家の言葉ではない。
もともと政治家などやりたくない啓太だから仕方ないが、いつ政治家の言葉を見出すかが今後の興味となる。
★総理誕生の仕組み
木村拓哉さんが総理になる!というウリで始まったこの作品。
どの様に総理になるのかと思っていたら、次のような感じだ。
総選挙3ヶ月前の首相辞任。
国民は現在の政治にうんざりしているから、政友党の長老が立候補しても選挙で惨敗する。
国民は変化、新鮮さを求めている。
ならば「国会王子」として人気のある啓太を政友党の総裁にして選挙を闘おう。
なるほど。
小泉さんが首相になったケースと似ている。
人気、イメージ先行。
ドラマの展開上、啓太は総裁になり総理になるのだろうが、ここにも作者の皮肉が……。
啓太は理想や政策を持っていない偶然政治家になってしまった人間だ。
そんな人間が総理になってしまうという皮肉。
いやしくも総理大臣。国民のために熱意を持って政治を行う人物がなるべきなのにそうならない皮肉。
この作品はフィクションだが、啓太の様なケースがリアリティを持っている所に現在の政治の貧困を感じてしまう。
★ネコ屋敷の立ち退きで時間と労力を使っていいのか?
今回、啓太が受けた陳情。
ネコ屋敷で立ち退きを迫られている。
啓太は「誰かの役にたちたいと思うのは間違いですか?」と言って話を熱心に聞くが、その対応は正しいのか?
啓太は相当な給料をもらっている国会議員。その給料は税金。
話を聞いてもらうだけで解決してしまうような案件に時間をとられていいのか?
他にもっと苦しんでいる人がいるのではないか?
人脈を作って力を持ちもっと多くの人を助けるべきではないのか?
という考え方も出来る。
一方で啓太の様にひとりを大事にしないでたくさんの人を救えるのかという考え方も出来る。
現実に百点満点の答えはない。
啓太の考え方も正しいし、他のことに時間と労力を使うべきだという考え方も正しい。
人はどちらも正しい解答の中で試行錯誤して生きているわけだが、啓太にその葛藤がない。
「ネコ屋敷の陳情を聞く時間」を「委員会の内容が少しでも理解できるよう勉強する時間」に使うべきではないかという発想が啓太にないのが残念だ。
この点でこの作品は軽い。
毎回書くが「ホカベン」の方が深い。
ストーリーテリングの面白さが福田靖脚本の魅力だが、同時に欠点でもある。