平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

後期高齢者医療制度を考える

2008年05月25日 | 事件・出来事
厚労相が週末テレビ行脚、後期高齢者医療制度で説明に躍起(読売新聞) - goo ニュース

★後期高齢者医療制度の本質
 舛添大臣出演の報道番組をいくつか見た。
 「この制度を導入した理由は財源不足」
 「この財源不足を補って十分な医療が受けられるようにするためにこの制度を改善し保持していきたい」と言う大臣。
 大臣の想いはわかった。信じてみたい。

 だが厚生労働省の官僚の方はどうなのだろう?
 報道2001ではこの制度を設計した厚労省の官僚のナマの声が伝えられた。
 「軽い風邪で病院に行かれては困る。医療財政は逼迫しているのに」
 要するに高齢の方が病院に行くのを抑制するための制度だということ。
 情の通わない冷たい発言だ。
 舛添大臣は「老人が幸せな老後を送れるように何とかしたい」と情熱を持っていても官僚は違う。
 データと数字しかない。
 机の上で数字をいじくりまわして作っている様な感じだ。
 大臣は代わる。時期が来れば舛添さんは大臣でなくなる。
 しかし官僚は残る。
 結果として制度は冷たいものとなる。
 この制度はこうした発言をする官僚が作ったものだからこそ問題がある。

★舛添大臣に聞いてみたい
 「宙に浮いた年金はいつ解決するのか?」
 例えば宙に浮いた年金分の金額が加算されれば、この医療制度で天引きされた金額と相殺されるかもしれない。
 政府は取ることばかりを考えて、支払うことは一生懸命でない。
 順番としては、宙に浮いた年金の問題が解決しましたから、後期高齢者医療制度を導入させてほしいというのが正しい。

 保険医療制度と年金問題は別という反論が返って来そうだが、国民にしてみれば財布は同じ。
 縦割り行政の弊害だ。
 これはこれ、それはそれ。
 でも政府の財布は違っていても、国民の財布は同じなのだ。
 物価だってあがっている。

 おそらくこの制度を導入した人達には、宙に浮いた年金や物価上昇のことは頭にないだろう。
 保険医療制度の中だけで数字を出している。
 年金や物価上昇は自分とは関係ない別の問題。
 これらの縦割りを横断して調整するのが政治家の役割だと思うが、十分に機能していない。
 道路特定財源が一般財源化される様だが、ぜひ横断して福祉・医療行政にまわしてほしい。

★巧みなレトリック
 後期高齢者医療制度について昨日の「サタズバッ!」で舛添大臣はこう発言。
 「高齢者みずからが負担することで高齢者は胸を張って病院に行ける」
 つまり負担しているのだから自分たち高齢者は若い人に医療費を負担してもらっている厄介者でないと主張できるという内容。
 巧みなレトリックだ。
 この制度をプラスにとらえればこういう表現になる。
 福田首相の「少しぐらい負担してくれたっていいじゃない」という発言よりはずっと上等だけれど。
 小泉元首相も講演会でこう発言。
 「年寄りが若者のことを考える社会。若者が年寄りのことを考える社会。そんな社会を作りましょうよ」
 これも巧みなレトリック。
 要は「年寄りは若者のことを考えて現在の制度を受け入れろ」ということ。

 これに関しては先週の「TVタックル」でビートたけしさんが言っていた言葉で反論しよう。
 「75歳になったのだからお疲れ様でした。医療費などのことは私たちに任せて下さいと若者が言える社会が普通だ」

 僕はたけしさんの意見に賛成だ。
 財源の問題はあるが、「医療費などのことは私たちに任せて下さい」という発想で制度を廃止してほしい。

※追記
 先週の「報道2001」、西部すすむさんが次のような発言されていた。
 「こうした事態を招いたのは小泉内閣の郵政選挙で3分の2の議席を与えた国民の責任だ」
 これも正しい。
 雰囲気・イメージ政治は見直した方がいい。
 僕は民主党支持でないが、小泉さんの実行力や巧みな言葉に惑わされてはいけない。
 現在の日本に小泉さんを越える魅力的な政治家がいないことが問題なのだが。


コメント
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