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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

奇跡のシンフォニー

2008年10月21日 | 洋画
★孤児のエヴァン(フレディ・ハイモア)が両親に出会う物語。
 結末がどうなるかわからないでハラハラドキドキするのも映画の楽しみだが、この作品の結末は観る前から観客に見えている。
 エヴァンは両親に出会う。
 誰もがそう予想できる。(そう思えなければかなり屈折した人だ)
 そこで観客はエヴァンが両親にどう出会うかということに関心を持つ。
 物語の楽しさは結論ではないんですね。
 その過程をどの様に見せるかがポイント。

 以下ネタバレ。

★さてその如何に過程を見せるかだが、この作品の場合だが音楽がポイント。
 音楽に導かれてエヴァンは両親と再会する。
 エヴァンの作り出す音楽が両親を惹きつけるのだ。
 父親のルイス(ジョナサン・リース・マイヤーズ)はエヴァンがストリートで引くギターで。(結局子供・父親であるということにはふたりとも気づかないが)
 母親のライラ(ケリー・ラッセル)の場合は演奏会で。
 ライラは自分の演奏が終わり帰りかけるがエヴァンの演奏を聴いてふり返る。

 この親子の再会は物語上の作り事で現実にはあり得ないことなのだろうか?
 いや、そうではないと信じたい。
 まず三人は互いに会いたいと思っている。
 そして音楽というものを共有している。
 特にエヴァンは自分が音楽をやっていれば両親に会えると信じている。
 広い世の中で音楽を自分の拠り所にするということで世界は狭められる。
 そして会いたいと強く信じて行動すればさらに出会える可能性は大きくなる。
 後は運だが、望むと望まないのとではやって来る運も大きく違う。
 この作品は人と人が出会うとはどういうことかを教えてくれる。
 それを人は運命と呼ぶかもしれないが、何もしなければ何も生まれないのだ。
 信じて行動することの大切さをこの作品は教えてくれる。

★天才の頭の中
 エヴァンが街の騒音を再構成して音楽を作り上げるシーンは見応えがある。
 街にはリズムがあり様々な音階がある。
 天才はそれらを再構成して作品にすることが出来るのだ。
 またその音とどの音を組み合わせれば気持ちのいい音になるのかも先天的に知っている。
 エヴァンはギターや教会のパイプオルガンをちょっと触るだけで気持ちのいい音の繋がり(メロディ)や音の組み合わせ(ハーモニー)を理解してしまうのだ。
 どんなリズムに乗せればそれらがより気持ちよくなるかを知っているのだ。
 この作品を見ると音楽の天才の頭の中を覗いたような気分になれる。


コメント
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