平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

セレブと貧乏太郎

2008年10月16日 | ホームドラマ
★面白いですね。
 僕はこういうコメディタッチでグリグリ動く作品が好きです。
 ファッションショーも豪華だったし。
 役者さんも上戸彩さん、上地雄輔さんはもちろん、国仲涼子さん、ワンポイントの脇役で光る三浦理恵子さんも出ている。
 それに太郎(上地雄輔)の一番上の男の子は「エジソンの母」の賢人くんですよね。あのしゃべり方懐かしい。

 物語の構造はシンプル。
 美田園アリス(上戸彩)が人としての<基本の気持ち>を取り戻していく話。
 <基本の気持ち>とは、たとえば間違っていたら「ごめんなさい」と言うこと。何かをしてもらったら「ありがとう」と言うこと。
 太郎の幼馴染の安田幸子(国仲涼子)との三角関係、いや司(柏原崇)も交えた四角関係も楽しみ。

★「あなたの言ってることがわからない」
 今回一番インパクトがあったのが、このせりふ。
 デザイン盗用のことを太郎に問いつめられて「ありがとうと言え」と言われる。
 その時のアリスのせりふ。
 セレブのアリスには何かをしてもらったらありがとうと言うことが理解できないんですね。
 他人に何かをしてもらうことが当然の生活を送ってきたから。
 これを現在の社会に当てはめてみると少し怖ろしい。
 現在の勝ち組、セレブ、エリートと言われている人は多かれ少なかれアリスの様な心の持ち主なのではないか?
 幸子は簡単に派遣の契約を打ち切られ、一生懸命描いたデザインは軽視される。
 おそらく企業のトップや官僚の皆さんはこんな感じなのだろう。
 ひとりひとりのことなどかまっている暇もない。
 そしてアリスに象徴されるディスコミュニケーション。
 「言ってることがわからない」
 この辺に作者のメッセージがあるのではないか?

★喜びの共有
 太郎の貧乏生活は同じ太郎の「山田太郎物語」でもお馴染み。
 けなげな弟、妹たち。
 これはドラマではよくある描写だが、貧乏の方が心通じ合っている気がする。
 たとえば一個の生卵でも喜びを共有できる。
 運転手の制服を着ただけでわいわい騒げる。
 これが現在の普通の家庭では食べ物で感動しないし、新しい洋服のことで盛り上がれるのはほんの少し。
 生卵ひとつで喜びを共有できる太郎は何とニワトリとも心を通わせることが出来る。
 太郎はタマゴを生んでくれたことに感謝し、ニワトリは自分を家族と認めてくれたことに感謝している。
 貧乏にも様々なものがあり、貧困の悲惨もあるのかもしれないが、太郎達の様な気持ちで暮らせれば貧乏でも楽しく生きていけるのでしょうね。

※追記
 「アテプリ」など破天荒な主人公は上戸彩さんの得意技だが、アパレルメーカーのトップとして部下に指示を出す演技もなかなか。
 わがままさの中にビジネスウーマンとしてのニュアンスも加えている。


コメント
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