平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ブラッディ・マンデイ 第3話

2008年10月26日 | 推理・サスペンスドラマ
★「このふたりのどちらかにスパイがいる」
 今回も心理戦。
 マヤ(吉瀬美智子)のこの言葉に藤丸(三浦春馬)が迷い、視聴者も迷わされる。
 うまいですね。
 これの答えは3つある。
 1.マヤの言ったことは藤丸を迷わすための嘘。
 2.加納(松重豊)がスパイ。
 3.宝生(片瀬那奈)がスパイ。
 藤丸も視聴者もこの3つの答えの中から正解を見つけなければならない。
 通常こうした答えはふたつのうちどちらかを選ぶ場合が多いが3つというのがさらに面白くしている。

 そして藤丸と視聴者に与えられる情報。
 加納が言った「青い車」という言葉。
 この言葉から藤丸は答えを導き出した様子。
 視聴者は答えがわからない。さらに迷わされる。
 「IQサプリ」などのクイズ番組でテレビの中の解答者がわかっているのに自分がわかっていない感じ。
 答えを知りたくなる。

 そして次に視聴者が知らされるのは宝生への藤丸のメールで「加納がスパイ」という内容。
 視聴者は「加納がスパイ」だとわかるが、そう藤丸が断定した理由わからない。
 うまい引っ張り方だ。
 
 そしてこんな1シーンが挿入される。
 サードアイの拷問官。
 彼は「加納が証言させたくなくてマヤを拷問で殺そうとしたのではないか」と言う。
 これで視聴者は加納を怪しいと思うが、まだ「加納がスパイである」決定的な理由はわからない。
 理由は明かされないまま敵のアジトに。

 そしてアジト潜入前に藤丸が銃を突きつけたのは……宝生。
 藤丸が送ったメールは縦読みにすると「ホウショウハテキ」であることを告げるものだった。
 また藤丸が宝生がスパイであることを見破った理由はトンネルの中で「青い車」と言ったこと。

 本当にうまい作劇ですね。
 3択の問題→明かされる解答→しかしその解答は視聴者を欺くためのもの。
 視聴者を右へ左へと揺さぶっている。
 スパイがいつ牙を剥くかというサスペンスもある。
 
 見事な作劇はさらに続く。
 宝生がスパイであることを見破ったのはいいが、実は宝生はマヤに手錠をかけるふりをして外していた。
 自由になったマヤが銃を向けて形勢逆転。
 藤丸が宝生を撃てれば形勢は変わるが一般市民の彼には撃てない。
 まさに二転三転だ。

 こういう作劇を日本のテレビドラマで見せてもらえるとは思わなかった。
 ここに今後の日本のドラマの可能性を感じる。


コメント
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