平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

幸せになるための27のドレス

2008年10月24日 | 洋画
★いい人が積もり積もると……
 誰からも好かれるいい人って実は我慢して自分を殺して生きているんですよね。
 この作品の主人公ジェーン(キャサリン・ハイグル)がそう。
 ブライド・メイド(花嫁付添い人)という仕事に従事し毎日誰かの結婚式の準備に奔走している。
 そのため恋人を捜せない。
 自分の幸せより他人の幸せと自分に言い聞かせている。
 それは他のことでも。
 ずっと憧れていた会社の上司を妹(マリン・アッカーマン)に奪われても祝福してしまうのだ。
 ジェーンは恋愛に臆病なのだが我慢ばかりをしていた彼女はついに爆発してしまう。
 次の様な事件が連発したからだ。
 まずは先程の好きな上司を妹に取られてしまうという事件。
 次にスクープを狙う新聞記者ケビン(ジェームズ・マッデン)にブライド・メイドの仕事は利益優先と書かれてしまう。(ジェーンは上司のことを忘れてケビンのことを好きになりかけていたのだが、これで決裂)
 そして妹の結婚式では母の形見のウエディングドレスを切り刻まれてしまったことから妹の嘘と過去の男性遍歴をバラしてしまう。
 妹、ケビン、上司……今まで我慢して築き上げてきた人間関係を一気に壊してしまうジェーン。
 人間、適度な自己主張は必要なのですね。
 大きく触れた振り子はその反動でさらに大きく振り返す。

 さて物語はすべてをぶち壊してしまったジェーンが再びどの様に人間関係を回復していくが描かれるのだが、その過程は少々あっさり。
 しかし全編を通して、幸せを求めているが他人に遠慮して一歩踏み出せない人間の葛藤が見事に描かれている。
 ジェーンはブライド・メイドとして自分が着ていた27枚のドレスを大事にクローゼットにしまっているが、それが幸せを求めつつも一歩踏み出せない女性の気持ちを象徴的に描いている。
 タイトルにも使われた見事な小道具だ。


コメント
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