平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ジャガーノート 冒険アクションは英国に限る

2010年06月01日 | 洋画
 アクション映画の頭脳戦というのは面白い。
 ランボーもシュワルツネッガーもブルース・ウィルスも見事な肉体でアクションを見せるが、あまり頭は使っていない。
 僕が007シリーズが好きなのも、ボンドが優雅でスマートで英国紳士だから。
 やはり冒険小説はイギリス、主人公は英国人がいい。

 さて「ジャガーノート」。
 爆弾犯のジャガーノートと主人公で爆弾解体のファロン中佐(R・ハリス)が見事な頭脳戦を繰り広げる。
 たとえば、こんなふう。
・爆弾を解体するためにネジを外す。しかし、そのネジのひとつは起爆装置と直結している。
・時を刻む円盤状のタイマー。しかし、その先には裸眼ではほとんど見えない細い糸が張ってあって、それを切断すると爆発する。
 そして、すべての爆弾が解体し終わったと思いきや、実はそれはダミーで本物の爆弾は側面に仕掛けられていた。
 この作品、まさに爆弾を介しての犯人と主人公の頭脳戦なのだ。
 犯人の仕掛けたトラップをいかにくぐり抜けて、爆弾を解体していくか。
 犯人と主人公の技術と技術の戦い。心の読み合い。
 映像的には地味だが、少し判断を間違えば爆発するというサスペンスがある。

 また、これはネタバレになるが……
 犯人が仕掛けたトラップが実は犯人特定のきっかけとなる。
 「こんなトラップを考えつくのは、あいつしかいない」と主人公ファロンは気がつくのだ。
 自分の誇示したトラップが、逆に自分の正体を暴くことになる、という皮肉。
 ジャガーノートにしてみれば、「自分の爆弾で最後までたどり着く人間はいない」「途中で爆発して死んでしまうから大丈夫」というつもりだったのだろうが、自分の技術に対する過信が実は災いしてしまった。
 こういう意地悪なひねり方もやはり英国。

 やはり冒険アクションは英国に限る。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする