平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ゲゲゲの女房 <不思議>の味付け

2010年06月05日 | ホームドラマ
 夫婦の危機。
 経済的な危機もそうだが、一番きついのが<同じことをいっしょに喜べなくなること>。
 赤ちゃんがお腹に。でも、茂(向井理)の反応は「子供は大変だぞ」。
 子供のことをいっしょに喜んでもらえない。これほどつらいことはない。
 他人と比較してしまうのも夫婦の危機。
 豊かな姉の家を見てしまう。エビフライを食べられることなのではなく、夫が子供たちといっしょに相撲中継を見て妻が諫めるという何気ない家族の風景が布美枝(松下奈緒)にはうらやましい。

 ということで作劇的には、今回は主人公をとことんまで追いつめた。
 この困難をどう乗り切るかが視聴者の関心の的になるわけだが、その手法はなかなか心憎い。
 電報を打っても電話ひとつ寄こさない茂。視聴者は「茂、何をやってるんだ!」とハラハラする。
 ところが茂は電話ではなく、わざわざ姉の家に訪ねてくる。ここで視聴者は「おおっ!」と拍手喝采する。
 その後のやりとりも茂らしい。
 むき出しのバナナが姉の家への土産。おまけに自分と布美枝が食べる分、二本はしっかり確保している。
 こういうセコさが茂らしくて微笑ましい。
 そして普通の脚本描写だとブランコのシーンで会話をし仲直りをして終わりだろう。
 バナナという小道具があるから、「ゲゲゲの女房」の仲直りシーンになっている。
 こういうふうに工夫に工夫を重ねるこの作品の脚本は上手い。

 あと「ゲゲゲの女房」らしいと言えば、不思議なシーンがいろいろに出て来ますよね。
 一反木綿が動いたり、木の葉がお金になったり。
 今回は貧乏神が出て来た。次週は貧乏神との闘いになりそう?
 あとは本日の出産シーン。
 なぜか茂は布美枝を病院まで送っていく。今までそんなことをしたことがなかったのに。
 そして予定日が早まって生まれてしまった。
 茂には霊感のようなものがあるんですかね?
 こういう<不思議>の味付けも楽しい。


コメント
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