デンゼル・ワシントンの作品というのはハズレがない。
また、これだけ様々な役を演じ分けられる役者さんも珍しい。
「ボーンコレクター」の知性のかたまりのような刑事。
「マイ・ボディガード」の戦場の虚無を背負いながらも心に温かいものを持っている男。
そしてこの作品「トレーニングデイ」の悪徳刑事。
知性と暴力、静と動、陽と陰、様々な役を見事にこなす。
たとえばエディ・マーフィは陽気な黒人だし、スティーヴ・マックィーンはタフガイですからね、デンゼルの近く公開される作品は「トレーニングデイ」の悪徳キャラに近いそうだけど、楽しみ。
さて物語の方は塀の上を歩くような緊張感がある。
悪と闘うために、<狼>となるか<羊>となるか?
狼とは法律を破り乱暴で汚い手段を使ってでも悪と立ち向かうと仕事の仕方。
羊とは法律を守り、法にのっとって悪を追いつめていくやり方。
どちらが現実の悪に有効かと言えば、劇薬である<狼>の方。
たとえば劇中ではこんなエピソードがある。
通常の法律では裁けない麻薬の売人の元締め。
デンゼル演じる狼の刑事・アロンソはその元締めを正当防衛に見せかけて殺す。
正当防衛に見せかけるために同行した同僚の刑事に重傷を負わせることもいとわない。
また麻薬の元締めが隠し持っていた資金を警察の上層部に賄賂として渡し、自分の乱暴なやり方が追及されないように手を打つ。
何ともすごいやり方だが、通常の法律にのっとっていたら、元締めは未だに暗躍し、麻薬を売り続ける。
見ている方もアロンソの<狼>のやり方の方が正しいのではないかと思えて来る。
<狼>か<羊>か?
この二者択一がアロンソに同行する新米刑事ジェイク(イーサン・ホーク)の目を通して描かれる。
アロンソは善なのか悪なのか? 現実の悪に対抗するには<狼>か<羊>か?
そんな緊張感が全編に漲っている。
この作品のラストはなかなか深い。
ネタバレになるので書かないが、アロンソのやり方は<善>にも<悪>にも転ぶ危うさを持っているとだけ書いておく。
※追記
シェイクスピアではないが「善は悪であり、悪は善」なのだ。
たとえば、法律を守る善の捜査をしていたら麻薬は売られ続ける。(善は悪)
だが、法律を守らない暴力による捜査をしていたら麻薬の売人は一掃される。(悪は善)
この作品は<善>と<悪>に単純に分けられるこれまでのドラマとひと味違う。
また、これだけ様々な役を演じ分けられる役者さんも珍しい。
「ボーンコレクター」の知性のかたまりのような刑事。
「マイ・ボディガード」の戦場の虚無を背負いながらも心に温かいものを持っている男。
そしてこの作品「トレーニングデイ」の悪徳刑事。
知性と暴力、静と動、陽と陰、様々な役を見事にこなす。
たとえばエディ・マーフィは陽気な黒人だし、スティーヴ・マックィーンはタフガイですからね、デンゼルの近く公開される作品は「トレーニングデイ」の悪徳キャラに近いそうだけど、楽しみ。
さて物語の方は塀の上を歩くような緊張感がある。
悪と闘うために、<狼>となるか<羊>となるか?
狼とは法律を破り乱暴で汚い手段を使ってでも悪と立ち向かうと仕事の仕方。
羊とは法律を守り、法にのっとって悪を追いつめていくやり方。
どちらが現実の悪に有効かと言えば、劇薬である<狼>の方。
たとえば劇中ではこんなエピソードがある。
通常の法律では裁けない麻薬の売人の元締め。
デンゼル演じる狼の刑事・アロンソはその元締めを正当防衛に見せかけて殺す。
正当防衛に見せかけるために同行した同僚の刑事に重傷を負わせることもいとわない。
また麻薬の元締めが隠し持っていた資金を警察の上層部に賄賂として渡し、自分の乱暴なやり方が追及されないように手を打つ。
何ともすごいやり方だが、通常の法律にのっとっていたら、元締めは未だに暗躍し、麻薬を売り続ける。
見ている方もアロンソの<狼>のやり方の方が正しいのではないかと思えて来る。
<狼>か<羊>か?
この二者択一がアロンソに同行する新米刑事ジェイク(イーサン・ホーク)の目を通して描かれる。
アロンソは善なのか悪なのか? 現実の悪に対抗するには<狼>か<羊>か?
そんな緊張感が全編に漲っている。
この作品のラストはなかなか深い。
ネタバレになるので書かないが、アロンソのやり方は<善>にも<悪>にも転ぶ危うさを持っているとだけ書いておく。
※追記
シェイクスピアではないが「善は悪であり、悪は善」なのだ。
たとえば、法律を守る善の捜査をしていたら麻薬は売られ続ける。(善は悪)
だが、法律を守らない暴力による捜査をしていたら麻薬の売人は一掃される。(悪は善)
この作品は<善>と<悪>に単純に分けられるこれまでのドラマとひと味違う。