「運命の人」最終回。3つのことを考えた。
まずはドラマの効用。
沖縄の人たちの痛みを分かろう。
そう思っても、実際に住んでいる当事者でなければなかなか分かるものではない。
記者時代の弓成亮太(本木雅弘)がそうであったように。
しかし、今回のようにドラマで具体的に表現されると、その痛みを実感できる。
ヘリコプターが落ちてくる恐怖、犯罪をおかした米国兵を自分たちの法律で裁けない矛盾、あるいは戦争時代の本土を守るために盾となった沖縄、母親が自分の娘を殺さなくてはならないという地獄。
直接的でない、疑似体験ではあるけれど、その痛みはしっかりと刻み込まれた。
これはドラマの効用である。
どんなに偉い学者さんや政治家が沖縄の悲惨を訴えても、ただの言葉の羅列で心に届かない。
しかし、ドラマで具体的に描かれると心に入る。
ふたつめは国や大きな組織を疑うと言うこと。
弓成のやり方は強引で、道徳的にも決してほめられるものではなかったが、国のウソを追究し、闘ったことは評価すべき。
というか、国が語るきれいごとの裏にはウソがあり、それによって利益や恩恵を得ようとする人間が必ずいる。
この沖縄返還もそう。
現在で言えば、消費税を上げなければ国の財政は破綻すると言っているけれど本当にそうなのかな?
国の借金は1千兆円と言われるけれど、逆に国には600兆円の資産もある。すると差し引き、これも決して少なくない金額だが、400兆円の借金。
あるいは消費税を一律で3%、5%上げようとしているけど、生活に関わる食品とかには低い税率にするという方法もある。政治家はなぜそれを語らないのか?
あるいは大きな組織の東京電力。
原子力発電を動かさなければ、電気が足りなくなる。電気料金を上げざるを得ないいうけれど本当なの?
今年の冬はメチャクチャ寒かったのに電力は足りていた。原子力発電がなくても大丈夫ということがわかったら、今ある原子炉は無用の長物になり、経営を圧迫するものにしかならないから、「原子力発電を動かさなければ、電気が足りなくなる」と言っているのではないのか?
などと疑えばきりがない。
だから国や大きな組織の言うことは徹底して疑いたい。弓成のように。
最後に運命。
最後に弓成は「あの事件は私に<本当の沖縄>に向き合わせるためにあったのかもしれない」と事件を総括したが、こういう現実肯定の姿勢は学ぶべきものがある。
機密漏洩事件は弓成の記者生命を奪うものではあったが、結果、本当の沖縄に向き合うという現在をもたらしたのだ。
そして由里子(松たか子)という掛け替えのない伴侶がいたことも気づかせてくれた。
<自分の目の前に起こることは、それがどんなにつらいことであっても、すべて意味がある>のだ。
こう考えることで、人は少しは強く生きていける。
骨太のいいドラマだったと思います。
まずはドラマの効用。
沖縄の人たちの痛みを分かろう。
そう思っても、実際に住んでいる当事者でなければなかなか分かるものではない。
記者時代の弓成亮太(本木雅弘)がそうであったように。
しかし、今回のようにドラマで具体的に表現されると、その痛みを実感できる。
ヘリコプターが落ちてくる恐怖、犯罪をおかした米国兵を自分たちの法律で裁けない矛盾、あるいは戦争時代の本土を守るために盾となった沖縄、母親が自分の娘を殺さなくてはならないという地獄。
直接的でない、疑似体験ではあるけれど、その痛みはしっかりと刻み込まれた。
これはドラマの効用である。
どんなに偉い学者さんや政治家が沖縄の悲惨を訴えても、ただの言葉の羅列で心に届かない。
しかし、ドラマで具体的に描かれると心に入る。
ふたつめは国や大きな組織を疑うと言うこと。
弓成のやり方は強引で、道徳的にも決してほめられるものではなかったが、国のウソを追究し、闘ったことは評価すべき。
というか、国が語るきれいごとの裏にはウソがあり、それによって利益や恩恵を得ようとする人間が必ずいる。
この沖縄返還もそう。
現在で言えば、消費税を上げなければ国の財政は破綻すると言っているけれど本当にそうなのかな?
国の借金は1千兆円と言われるけれど、逆に国には600兆円の資産もある。すると差し引き、これも決して少なくない金額だが、400兆円の借金。
あるいは消費税を一律で3%、5%上げようとしているけど、生活に関わる食品とかには低い税率にするという方法もある。政治家はなぜそれを語らないのか?
あるいは大きな組織の東京電力。
原子力発電を動かさなければ、電気が足りなくなる。電気料金を上げざるを得ないいうけれど本当なの?
今年の冬はメチャクチャ寒かったのに電力は足りていた。原子力発電がなくても大丈夫ということがわかったら、今ある原子炉は無用の長物になり、経営を圧迫するものにしかならないから、「原子力発電を動かさなければ、電気が足りなくなる」と言っているのではないのか?
などと疑えばきりがない。
だから国や大きな組織の言うことは徹底して疑いたい。弓成のように。
最後に運命。
最後に弓成は「あの事件は私に<本当の沖縄>に向き合わせるためにあったのかもしれない」と事件を総括したが、こういう現実肯定の姿勢は学ぶべきものがある。
機密漏洩事件は弓成の記者生命を奪うものではあったが、結果、本当の沖縄に向き合うという現在をもたらしたのだ。
そして由里子(松たか子)という掛け替えのない伴侶がいたことも気づかせてくれた。
<自分の目の前に起こることは、それがどんなにつらいことであっても、すべて意味がある>のだ。
こう考えることで、人は少しは強く生きていける。
骨太のいいドラマだったと思います。