平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

八重の桜 第28回「自慢の娘」~恭順を唱えることの方が今はむしろ勇気が要んだ

2013年07月15日 | 大河ドラマ・時代劇
 佐川官兵衛(中村獅童)が酒を飲みすぎて寝坊……!?
 結果、奇襲にならず、的中突破は失敗!
 史実なのだそうですが、このシーン、ギャグシーンなのかどうかで迷いました。

 登勢(白羽ゆり)は不発弾で亡くなるシーンも。
 悲劇には違いないのですが、一方で、アニメなどで、持っていた爆弾が爆発して顔が真っ黒、髪がチリチリになるというギャグを思い出してしまう。

 つまり何が言いたいかというと、戦場には悲劇と喜劇があるということ。
 悲劇と喜劇は背中合わせと言ってもいい。

 このふたつのシーンは作者の戦争批判、あるいは皮肉ですね。
 前夜、死を覚悟して悲愴だった官兵衛が朝寝坊をしてしまうボケっぷり。
 ふつうに日常生活を送っていたら、絶対に不発弾なんかに触らない登勢がそんなことをしてしまう異常さ。あるいは不条理な死。
 戦場には、愚かなこと、バカバカしいことが溢れている。

 容保(綾野剛)は「女子供もわが家臣」と八重に言ったけれど、彼らを悲惨な目に遭わせておいて、これもどうかと思うよ。
 古今東西、上の人間は<美しい言葉>で下々の者を感激させるけど、決してダマされてはいけない。
 これはあくまで現代人の視線で言っているのですが。

 登勢のことは八重(綾瀬はるか)に跳ね返ってくるだろう。
 何しろ登勢にそうさせたのは、八重がきっかけなのだから。
 八重が不発弾処理をしなければ、登勢は逃げていた。
 当然、責任を感じるはず。
 これが八重の非戦への思いに繋がるのか?

 最後は凧揚げ。
 前回は彼岸獅子でしたが、会津にはこうした平和な日常があったんですね。
 ラスト、日向ユキ(剛力彩芽)が目を輝かせたのは、かつての<平和で穏やかな時代への希求>があったから。
 前回、彼岸獅子で城の人間が拍手喝采したのは、敵を欺いたこともあっただろうが、<平和で穏やかな時代への希求>があったから。

 そろそろ皆の意識は、一丸となって敵に立ち向かう高揚から、かつての平和な生活を望むことへ変わりつつあるようです。


コメント (8)
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