『孤独のグルメ』(テレビ東京・夜11時58分)が面白い。
内容は仕事の合間に、井之頭五郎(松重豊)が店に入り、ただ食べているだけ!
何のドラマも起きない。
たとえば、赤羽の鰻屋・川栄さんに入った時はこんな感じ。
鰻屋にはめずらしいホロホロ鳥のメニューがあって、井之頭は心の中でこうつぶやく。
「ホロホロ鳥。まさか鰻屋でお目にかかれるとは! いろいろ仕掛けてくるな。いつの間にかホロホロ鳥に心を奪われてしまう。じゃあ、ホロちょっと行って、締めに鰻丼頼もう」
そして、注文したホロホロ鳥の合わせ盛がやって来ると
「さあて、ホロホロ初体験。おおっ、おおっ、この美味さ! 未知との遭遇! いい! ET!」←映画(笑)
「いやあ、ホロ大正解! この店当たり!」
そして、次にウナギのオムレツを注文。
「おおっ、トロットロッの中身にウナギ君か!」
食べて
「んんっ、こうなりますか! 甘トロ。鰻屋で洋食屋気分! タマゴの中でもウナギはウナギ、仲良くしながらもおのれをまったく失わない」
そして、待望の鰻丼登場。
「見た目を裏切らない鰻丼だ。美味い! ウナギと白い飯、最強! 埼京線、池袋行快速!」(笑)
さらにガツガツ食べて
「いいぞ、いいぞ、食っても食ってもまだ美味い! ホロホロの活躍が霞むような鰻丼の横綱相撲だ!」(笑)
「この美味さは一朝一夕に作られたものではない! 俺は歴史を食ったのだ!」(笑)
この作品の面白さは、松重豊さんが語るモノローグの独特の言い回しにあるが、これだけ食べることに喜びを見出せるのって、幸せだろう。
食べることの歓喜、官能、至福!!
これが、この作品のテーマ。
また、ここには現代の経済優先社会への痛烈な批判がある。
松重さん演じる井之頭五郎は、冴えない中年サラリーマン。
大企業に勤めていないだろうし、出世街道を邁進しているわけではない。
経済的にも何かを生み出しているわけではない。
だが、ここで作品は問いかける。
井之頭五郎とエリートサラリーマンとどちらが豊かで幸せなのだろうか? と。
時間に追われるエリートサラリーマンはゆっくりと食事が出来ない。
豪華な食事も接待とか上司に気を遣うものなら、少しも美味しくない。
昔、貴族は働かなかった。働かずに優雅に生活を楽しんでいた。
働くことが美徳とされたのは、近代になってブルジョワジーが台頭して、生産・金儲けが重視されるようになってからだ。
つまり井之頭は<貴族の遊び>をしているとも言える。
何も生み出さす、ただひたすら食べることの喜びを追及する井之頭五郎。
現在、半沢直樹が働く男のヒーローになっているが、井之頭五郎ももう一方のヒーローである。
内容は仕事の合間に、井之頭五郎(松重豊)が店に入り、ただ食べているだけ!
何のドラマも起きない。
たとえば、赤羽の鰻屋・川栄さんに入った時はこんな感じ。
鰻屋にはめずらしいホロホロ鳥のメニューがあって、井之頭は心の中でこうつぶやく。
「ホロホロ鳥。まさか鰻屋でお目にかかれるとは! いろいろ仕掛けてくるな。いつの間にかホロホロ鳥に心を奪われてしまう。じゃあ、ホロちょっと行って、締めに鰻丼頼もう」
そして、注文したホロホロ鳥の合わせ盛がやって来ると
「さあて、ホロホロ初体験。おおっ、おおっ、この美味さ! 未知との遭遇! いい! ET!」←映画(笑)
「いやあ、ホロ大正解! この店当たり!」
そして、次にウナギのオムレツを注文。
「おおっ、トロットロッの中身にウナギ君か!」
食べて
「んんっ、こうなりますか! 甘トロ。鰻屋で洋食屋気分! タマゴの中でもウナギはウナギ、仲良くしながらもおのれをまったく失わない」
そして、待望の鰻丼登場。
「見た目を裏切らない鰻丼だ。美味い! ウナギと白い飯、最強! 埼京線、池袋行快速!」(笑)
さらにガツガツ食べて
「いいぞ、いいぞ、食っても食ってもまだ美味い! ホロホロの活躍が霞むような鰻丼の横綱相撲だ!」(笑)
「この美味さは一朝一夕に作られたものではない! 俺は歴史を食ったのだ!」(笑)
この作品の面白さは、松重豊さんが語るモノローグの独特の言い回しにあるが、これだけ食べることに喜びを見出せるのって、幸せだろう。
食べることの歓喜、官能、至福!!
これが、この作品のテーマ。
また、ここには現代の経済優先社会への痛烈な批判がある。
松重さん演じる井之頭五郎は、冴えない中年サラリーマン。
大企業に勤めていないだろうし、出世街道を邁進しているわけではない。
経済的にも何かを生み出しているわけではない。
だが、ここで作品は問いかける。
井之頭五郎とエリートサラリーマンとどちらが豊かで幸せなのだろうか? と。
時間に追われるエリートサラリーマンはゆっくりと食事が出来ない。
豪華な食事も接待とか上司に気を遣うものなら、少しも美味しくない。
昔、貴族は働かなかった。働かずに優雅に生活を楽しんでいた。
働くことが美徳とされたのは、近代になってブルジョワジーが台頭して、生産・金儲けが重視されるようになってからだ。
つまり井之頭は<貴族の遊び>をしているとも言える。
何も生み出さす、ただひたすら食べることの喜びを追及する井之頭五郎。
現在、半沢直樹が働く男のヒーローになっているが、井之頭五郎ももう一方のヒーローである。