平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

花燃ゆ 第31回「命がけの伝言」~私にとって兄上は空のような方でした

2015年08月03日 | 大河ドラマ・時代劇

「私事で動くとは、恥を知れ!」
 銀姫(田中麗奈)は美和(井上真央)の頬をたたく。
 そして、言う。
「小田村殿に会いにいけ」

 いいですね、このふたりの関係。
 ともに戦う同志という感じ。
 大河ドラマの主人公が女性の場合、どうしても男たちとの友情や連帯などが描きにくい。
 だから、この描き方は正解。
 特に美和はひとりでは無力なのだから、権力をもつ銀姫を仲間にしないと主人公として機能しない。
 だが、さすがに銀姫の力をもってしても、伊之助(大沢たかお)を救うことは難しく、処刑の前に会いにいかせることが限界だった。
 このあたりはリアリズム。

 日出(江口のりこ)の美和嫌いは徹底している。
「私も兄を亡くしました」
 と、美和に共感するふりをしてネズミを殺す毒を渡し、椋梨(内藤剛志)毒殺の下手人にしようと謀る。
 しかし、美和がそれをせず、失敗すると、
「私に兄はいませんので」(笑)
 いいぞ~、日出!
 でも一方で、僕はこういうの嫌いなんですよね。
 安っぽくて。
 美和が毒を盛らないことなんかわかり切っているし、陰謀が低レベルすぎる。
 仮に椋梨が毒殺されても、伊之助が助かるわけではないし、美和の一家に災厄が及ぶことは確か。

 美和と伊之助のやりとりには、人生を感じさせた。
 大したことをなせずに死んでいく伊之助は美和に問う。
「私は今まで何をなしてきたか?」
 これに答えて、美和。
「兄上が何をなしたかなさんかったか。それは私には分かりかねます。
 されど今までどう生きてこられたか。それなら分かります。
 私にとって兄上は空のような方でした。
 気づけば、ふとおって、いつも見守って下さって、たくさん大事なものを下さいました」

 人生って、「何をなしたか(=結果)」よりも「どう生きてきたか(=過程)」の方が大切なんですね。
 伊之助は歴史に何も貢献できなかったことを嘆いているわけですが、そんなことが出来るのはごくわずかな人たちで、普通の人は名もなく死んでいく。
 大切なのは過程。
 それでも伊之助が残したものを敢えてあげれば、美和が語った、<友情>や<温情>や<家族>や<美しいもの>。
 人生はそれらで十分。
 まあ、これも人生論としては、手垢のついた安っぽいものですが……。

 物語としては、椋梨が完全な悪になってしまいました。
 椋梨としては、藩を存続させるために、久坂らのやったことの尻ぬぐいをしているだけなんですけどね。
 せっかく収まりかけていた所で、
「高杉晋作、下関にて挙兵!」
 椋梨としては、すごく迷惑だったに違いない。 

コメント (2)
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自民党・武藤貴也議員が驚くべき発言!~人権より滅私奉公を礼賛! もはや自民党は極右政党だな

2015年08月02日 | 事件・出来事
 またまた自民党の若手議員が驚くべき発言!

 今度は、武藤貴也衆議院議員。
 武藤氏は自身のブログで<国民主権>や<基本的人権><平和主義>に疑義を語り、ほとんど否定している。

 日本国憲法によって破壊された日本人的価値観~武藤貴也オフィシャルブログ

 たとえば、基本的人権については次のように持論を展開。

 次に「基本的人権の尊重」について。私はこれが日本精神を破壊した「主犯」だと考えているが、この「基本的人権」は、戦前は制限されて当たり前だと考えられていた。全ての国民は、国家があり、地域があり、家族があり、その中で生きている。国家が滅ぼされてしまったら、当然その国の国民も滅びてしまう。
 従って、国家や地域を守るためには基本的人権は、例え「生存権」であっても制限されるものだというのがいわば「常識」であった。もちろんその根底には「滅私奉公」という「日本精神」があったことは言うまでも無い。だからこそ第二次世界大戦時に国を守る為に日本国民は命を捧げたのである。
 しかし、戦後憲法によってもたらされたこの「基本的人権の尊重」という思想によって「滅私奉公」の概念は破壊されてしまった。


 なるほど、武藤議員にとっては、「基本的人権」より「滅私奉公」の方が大切なんだ?
 基本的人権は制限されるのが当然で、お国のために滅私奉公しろってか?
 完全に戦前回帰だね。
 安倍さんは徴兵制を否定しているけど、武藤議員の考え方に拠れば、十分にあり得る。

 武藤議員は「国家が滅ぼされてしまったら、当然その国の国民も滅びてしまう」と書いているけど、そんなことはありません。
 70年前、大日本帝国は滅びましたけど、日本人はしっかり存在しています。
 逆に大日本帝国が国民に苦しみを与え、300万人もの人間を死に追いやった。
 国なんてそういうもの。

 武藤貴也議員はツイッターでこんなことも言っている。
 戦争法案に対して反対の声をあげている学生集団、SEALDs(シールズ)に対するツィートだ。

 SEALDsという学生集団が自由と民主主義のために行動すると言って、国会前でマイクを持ち演説をしてるが、彼ら彼女らの主張は「だって戦争に行きたくないじゃん」という自分中心、極端な利己的考えに基づく。利己的個人主義がここまで蔓延したのは戦後教育のせいだろうと思うが、非常に残念だ。

 おおっ、「戦争に行きたくない」って叫ぶのは極端な利己主義なのか。
 人間として当然のことだと思うけど。
 だって殺されたくないし、他人を殺したくないし。頭のおかしい国家主義者や戦争によって儲けたいやつらのために死にたくないし。
 それにSEALDsは<戦争反対>だけでなく、<自由>や<民主主義>のために声を挙げている。
 武藤さん、あなたが所属している政党は<自由民主党>ですよね?

 それにしても、今の自民党は本当に恐ろしい政党だね

・マスコミを懲らしめろ発言の、大西英男議員。
・スポンサーにならなければいい発言の、井上貴博議員。
・沖縄の新聞は左翼にのっとられている発言の、長尾敬議員。
・法的安定性は関係ない発言の、磯崎首相補佐官。

 いずれも安倍首相に近い人たちだ。
 もしかして安倍さんも彼らと同じ考えなんじゃないの?

 ちなみに今回の発言をした武藤貴也議員も、マスコミを懲らしめる発言で問題になった文化芸術懇話会のメンバー。つまり大西、井上、長尾議員らの仲間。
 最近話題になっている「日本会議」や、安倍首相が会長を務める「神道政治連盟国会議員懇談会」にも所属する議員でもある。

 まあ、別に武藤議員がどのような思想信条を持っていてもいいんですよ。
 憲法はそれを保障しているんだから。
 でもね、滅私奉公を言うのなら、国会議員として、国民のためにしっかり仕事をしましょうね。

 話に拠ると、あなたは、政治活動0件、議案提出0件で何の仕事もしていないそうじゃないですか?

コメント (6)
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デモに参加すると就職に不利になるか?~企業はSEALDsのような学生を積極的に欲しいはず

2015年08月01日 | 事件・出来事
 デモに参加すると就職に不利になるか?
 最近、ネットで話題になっているテーマである。
 7/30の朝日新聞にも取り上げられた。

 この話題の大もとには、福岡県行橋市の小坪慎也市議がブログで、デモの参加者を「腐った蜜柑」と表現、多くが就職活動で「不本意な結果」に終わると指摘したことにあるらしい。

 小坪市議ブログ「#SEALDsの皆さんへ 就職できなくて#ふるえる」

 いやあ、笑ってしまう。
 そもそも企業の面接では、個人の思想信条を聞いたらアウトだ。

 おそらく小坪市議は、現在、SEALDs(シールズ・自由と民主主義のための学生緊急行動)を始めとする戦争法案に反対する学生たちのデモを苦々しく思っていて、このような発言をしたのだろう。
 だが、デモは憲法で保障されている立派な権利。
 こんなことを言う人物が政治家なのかね?
 小坪市議は行動派保守議員らしいが、これは、「マスコミを懲らしめる発言をした」大西英男議員や「法的安定性は関係ない」と発言した磯崎首相補佐官に通じるものがある。
 つまり民主主義の否定。
 彼らはどうも民主主義が嫌いらしい。
 これは国家主義の風潮がひたひたと押し寄せてるね。
 安倍さんが総理大臣になってから、世の中は確実におかしくなっている。

 話を就職の話に戻すと、僕はある企業の人事課長をやり、某レコード会社にいた時は人事部に駆り出されて面接官をしましたけど、むしろ積極的にデモに参加するような学生を評価しますね。

 何しろ問題意識がある。
 疑問を持てる。
 自分の頭で考えられる。
 現場に行けるフットワークの良さと好奇心がある。

 現在の企業で、もっとも求められる人材ではないですか。
 上の人間に黙って従う社畜のような人間は、もはや古いタイプ。
 そういう人間ばかりを集めた企業は硬直して変化に対応できず、おそらく滅びる。
 だから学生の皆さん、デモに行くと採用を拒否するような会社は、こちらから願い下げにしましょう。
 採用されても社畜としてこき使われ、使い捨てにされるだけ。

 学生デモを組織したSEALDsのメインメンバーなんかは、むしろ積極的に採用したいですね。
 何しろ彼らは何もない所からSEALDsを立ち上げ、ネットを駆使して拡散し、仲間を集め、新聞やテレビで取り上げられるような組織にしたのだから。
 こんなノウハウと経験をもった学生、絶対にほしいでしょう。
 これこそ究極の起業ではありませんか。

 学生の皆さん、普通の企業の採用担当者は、まず人間性を見ます。
 感性や頭の良さ、共感力や行動力や創造力。
 デモに行くと面接に不利になる、と発言した小坪市議の頭の中には、デモに行く人間=過激派みたいな固定観念があるのでしょうが、彼らは全然違うし、反社会的なおかしな人間は面接していれば、すぐにわかります。
 感性豊かな自分の芯を持っている人間か否かも直感的にわかります。
 その人の発している輝きが違うんです。
 面接官はそんなにバカじゃありません。


 関連記事 デモに参加すると就職に不利? 「人生詰む」飛び交う(朝日新聞デジタル)

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