阪急伊丹線には学生時代に一度伊丹まで乗車している。ちょうど阪神大震災があったころに学生時代を過ごしていたが、震災からなんぼか経過していたにも関わらず伊丹駅は仮駅舎状態の中、伊丹へ所用のため訪れた時に利用した。本などで見ていた立派な高架は跡形もなく、新しい高架駅ができるまで阪急伊丹駅は塚口方に後退した格好で仮駅舎を置いていた。鉄活動ではなかったので、仮駅舎だったこと以外はじっくり見て回ることはなかったので、あまり印象に残っていない。というより帰りはJRを利用したので、阪急伊丹線のイメージが半分になってしまったということもある。
その後、伊丹新駅舎が開業して、しばらく経ってから再度訪問している。バリアフリーなどに力を入れた新しい駅は、人にやさしい駅というイメージが大きく、高架駅なのにホームからスロープが延びていたり、駅のバリアフリー化のモデルケースとして注目されていたように思う。しかし、その反面、かつては伊丹から北への延伸も考慮されたような配線だった駅構内は1面2線にスケールダウンした格好で、伊丹以北への延伸は完全に諦めたかのような駅になっていた。JR伊丹駅も2面4線の準備をしながらも、2面2線のまま推移しており、夢破れて山河ありのような形跡は阪急もJRも似たり寄ったりといったところだろうか。伊丹線にはその後2~3回乗っている。伊丹の方は小奇麗に変身したが、塚口の方はいつまで経っても1面1線を使用するのみで、駅を出たところで急カーブが存在して、そのあとから複線になるという独特の配線は全く変わりない。高架化の計画などもあるようだが、神戸本線の梅田方のみ高架化が完成して、塚口駅構内の高架化は全く計画すら聞こえてこない。伊丹線の塚口を見るといつもスケールの小さな京急蒲田という印象を受ける。あちらは本線と頻繁に直通運転を行っているが、伊丹線の方はいつまで経っても線内運転のみである。神戸本線が最大10連なのに対して、伊丹線は最大4連での運転とその格差はあまりにも大きく、直通運転を行いにはかなりの弊害がある。編成長格差のある京阪交野線でも本線との直通を行うようになったのだから、伊丹線でも全く可能性がないというわけでもないだろうが、今のところそのような計画は聞こえてこない。