時々目が疲れて、目を閉じたりしながらひたすら信友直子著「ぼけますから、よろしくおねがいします。」を読んでいました。
著者の母親が認知症になり、その母親のお世話を黙々とし続ける著者の父親の生活がメインの実際の話です。昨年、新聞の広告でこの本の事を知り読みたいと思いました。
先週の木曜日、長女の家の近くにある図書館からその本を借りてきてくれました。貸出に日数は2週間ですから今日中に読み切り、明日持ち帰って貰わないと・・・です。
12日の人寄せの事が気になり、のんびり読書を楽しめるような心境になれず、集中出来ずにいました。でも今日は、15日の神道の日です。庭から榊と水仙を切ってきて、お神酒などのお供えをしてお参りをしました。何となく、お正月は終わり今日からは普通の生活にしようと思っていました。
一昨日、お正月気分を消さないとと思い、美容院にカットの予約をしていました。美容院から戻って来てから、ひたすら本を読んでいました。洋裁もですが、日限を切られているこの本を読み切るのも、嬉しい義務の一つと思ったのです。
本の「はじめに」を読んだだけで、気持はこの本に行っていましたが気持ちの余裕が無く、読まずにいました。今日は”まずは、読んでから・・・”という気持ちで、ひたすら読み続けました。完読。
自然に涙が流れ出てしまう、そんな文章があちこちにありました。素晴らしいご夫婦、素晴らしい親子の記録です。夫が認知の妻を看るのですが、その優しさ、抱擁力には頭が下がります。わたしの父が少し認知症になり、母を困らせていましたから様子が分かるだけに辛かったし、感激もありました。
小説には無い、底深い現実の記録本に、強く刺激を受け感激。涙なしには読めませんでした。わたしも若い時に癌の末期の祖母を看取り、別荘に建てた富士宮に一人で留まる母のお世話の為、何度も東名高速を往復していましたから・・・。