中小企業の倒産に拍車 異常な米国債抱え込み
「構造改革」による米国の資金吸いあげは、巨額な米国債を抱えこんでいることにもあらわれている。2004年9月の残高で、米国債を79兆円も買いこんできた。とりわけ03年度には市場介入額は、過去最大の32兆円で前年度の8倍に達した。米国債発行残高の海外保有残高2兆㌦のうち、4割を日本が占めており、欧州諸国が控えているなかで異常にぬきんでている。大量に発行される国債を日本に買いとらせることで、米国はイラク戦争で財政赤字と貿易赤字の双子の赤字がふくらんでも、長期金利の上昇をまぬがれて経済破たんにおちいらなかった。さらに日本が買ったはずの米国債は、ニューヨーク連邦準備銀行で管理されて、米国の意志のもとにおかれ捨て金となっている。
また金融ビッグバンで市中から資金が吸いあげられたため、中小企業は貸しはがしや貸し渋りにあい、倒産や廃業に追いこまれた。企業倒産ピークは2000年で約2万件にのぼった。2004年は1万3837件で、大型倒産はへったが中小が横ばい状態で、この4年間で約7万社がつぶれた。大銀行のうち総額7兆円の公的資金を受けた5行・グループは、中小企業への貸し出しを2002年上半期で、5兆1400億円(前年同期比)もへらしていた。
外資が乗っとり本格化 米投資会社等
金融機関をガタガタにして、大手から中小業者まで疲弊させたあとは、米投資会社をはじめ外国企業の乗っとりラッシュである。2003年の日米投資イニシアティブは、「小泉総理大臣の今後五年間で対日直接投資残高を倍増するとの表明は、より迅速な改革を推進することを主導している」として、日本国内の投資環境を整備するよう、74施策にわたって要求した。ハゲタカファンドのいいなりになって、小泉首相は構造改革をすすめてきたのである。
5つの重点分野に分けると、①に行政手続きの見直しをかかげた。外国企業がスピーディーに進出できるよう、簡素化と迅速化を求めた。②に事業環境の整備をかかげた。外国企業が日本国内で合併するさい、子会社をつうじて完全子会社化することを可能とする。債務の株式化や企業統治を強化すること、教育および医療サービスの外国投資を促進。公共サービス分野への民間参入拡大を求めた。③は雇用・生活環境をかえることで、「日本においてより柔軟な労働市場を形成することが、外国からの投資を誘致する重要な鍵になる」などと主張。婦人労働者の活用と、外国人労働者の受入をすること、使用者が労働者を解雇しやすいよう基準の明確化を求めた。
④は地方と国の体制整備について。構造改革特区制度を地方自治体が「自主的」に誘致することを要望。具体的には積極的に外資誘致につとめる自治体・五地域をさだめ、大阪・東大阪・茨城、仙台、兵庫・神戸、広島、福岡・北九州・下関を選定した。この構造改革特区では、外国政府や外国企業の創意工夫により、対内投資の促進に寄与することが位置づけとなっている。⑤は外国報道機関などをつうじ「対日投資歓迎」姿勢を表明するよう要求した。
その結果、1998年は3兆円だった対日直接投資は、2004年末残高で10兆1000億円までふくらんだ。米国からの直接投資がトップで、4兆2000億円にのぼった。新規設立企業はわずかで、8割から9割は米投資会社などの買収となっている。2005年の日米投資イニシアティブでは、「5年間で倍増させるという小泉総理の目標から、3・5兆円増と1・5倍の増加となる」として、ひきつづき努力を継続するべきとしている。東京証券取引所の全銘柄のうち、1980年代は外資が数%だったが2割を所有するまで拡大し、優良企業のなかでも完全に乗っとられたところもある。
長周新聞 (2005年9月8日付)<o:p></o:p>
植草氏はこういったことを痛烈に指摘、批判していたため、それが一般国民に知れ渡って、政府がアメリカのためにこのような政策をとったこと(当然、小泉・竹中両名はアメリカから謝礼金をもらっている→藤原直哉の日本と世界にひとこと「小泉政権の後始末」)がバレるのを恐れ、またその企みを妨害されるのを恐れ、植草氏の活動を封じようとしたわけです。
一度陥れてもなおかつ植草氏はくじけずにその主張を続けてきたため、再度の陥れ・・・
これでもなおかつ続けられるようなら、それこそ命を狙われる可能性が極めて高いといえるでしょう。
なお、植草氏のこういった指摘は、ご自身のHP?「UEKUSAレポートPlus」の「失われた5年-小泉政権・負の総決算」などにも書かれています。
タイミング的にもちょうど本を出版される直前のできごとであり、急遽圧力によって出版も取り消され、逮捕後の捜査でもなぜか事務所のパソコンが押収されるなど、警察はまさに言論封鎖目的としか思えない行動にでています。<o:p></o:p>
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