ニコニコ)農家への戸別補償制度はセーフティーネットのはずだ
小沢)そーう、そう!
ニコニコ)ばらまきとも言われるが
小沢)徹底されてない。戸別補償方式をするには適地適産しなければいけない。なんでもいいから勝手につくってというわけにはいかない。そんな話ではない。
必要なもの、私は東北ですが東北で一番適したもの。九州で適したもの、それを適地適産でやれば、それは私は食糧自給は可能だと思う。日本は。
今、4割以下でしょ。それを民主党は6割とかいっているのかな。6割なんかダメだ。100%にしろとぼくはいってるんだけども。ほんと、できんです。
その意味でもセーフティーネット。これは農業だけではなく、水産業もそうですし、あるいは一般のサラリーマンもそうです。完全に日本の雇用制度、良くも悪くも日本の旧来の雇用制度、崩れちゃったでしょ。終身雇用。これ、崩れたまんまでバンバン、バンバン、規制撤廃するからね、失業だの、非正規だのっちゅう問題が起きている。全体が問題なんですよ。だからそういう意味のセーフティーネットをきちんとつくって、それで自由化すべきです。
ニコニコ)アジア太平洋経済協力会議(APEC)までに政府がしっかりしたものをつくるかだが、閣内がはっきりしない
小沢)方向として、日本は自由貿易で生きてきた。方向としてこれを将来の目標としてやるのはいいが、そのために、じゃあ国内政策はどうするんだ。国内の対策はどうするんだ。それをきちんとやらないと、国民は全員が不安になっちゃうと思いますね。
ニコニコ)民主党政権は高い期待を担って政権交代を実現したが、期待に応えていない。原因は?
小沢)若い人たちと毎日、ちょこちょこ会ったりしているが、参院の選挙の時以上に、むしろ民主党を支えてきてくれた人がコアな人たちの批判がある。何だという感じで言われると。だから、本当に国民の皆さんがそう思って、ひいきの人でさえそう思っているんだろうと思います。その最大の原因は、もちろん背景としては政権を経験したことがないと。トップリーダーはじめ皆さんが。それが最大の背景にあると思います。
ただそれは仕方ないことで、やっぱり一番の問題は政治主導。国民主導だから、やっぱり政治家が結論をきちんと出す。各省大臣であれ、誰であれ、その部署にある人が「私はこういう結論を出しました」と。もちろん、みんなが全員一致して同じ結論が出れば一番いいんだけども、みんないろんな意見があるから。最終的には責任者が決めなくちゃいけない。民主主義なんでそうですから。
そこをきちんと決めない。「オレが決める。オレが責任を持つ」ということをもう少し心がけないと、役人がついてこない。「新しい政策をやんなくちゃダメだ。今まで通りではダメだ」と思っている役人もいっぱいいる。
だけど役人の方から新しいことやって、批判されて、コテンパンにやられたら、「責任(は)全部、おまえかぶれ」ということになったら、役人としてはやれないですよ。だから結局、こういう青写真の下で個別の、「この政策、ぜひやってもらいたい、この責任はオレがとる』といえば役人は必ずついてくる。ですから結局、怖いですから、躊躇しちゃうと結局、役人も「責任とらされるよりは今まで通りやってりゃ無難だ」となっちゃうんだ。
ニコニコ)閣僚になった人など民主党はもっとできると思っていたが
小沢)閣僚とかの問題ではなく、自分自身で結論を出して責任を取らないといけない。そういう場面は政権党の中では、野党と違って数多くあるんだということをわかってなかったということはある。
ただ、自民党も長年、政権党だったですがね、自民党も全然ない。ないんだけども、いい時代だったでしょ、自民党は。右肩上がりのいい時代だったから、いろんな矛盾が全部隠されていたわけですよ。そうじゃなくなったもんですから、矛盾が吹き出てきちゃった。だから自民党政権はつぶれちゃったわけだ。
この二の舞にしないように民主党政権は絶対、成功させたいですよ、そうしないと観念的な右左の極端な議論に(なる)。両方ダメだ、自民党もダメだ、民主党もダメだ。そういう左右両極の議論が強くなる。これが一番、不幸だ。
ニコニコ)今の政権に足りないとすれば
小沢)それぞれ一人一人がね、もう何ちゅうかな、悪い言葉で言えば、開き直りとかいうか、腹を決めることですね。ポジションにつけば、そのポジションなりの仕事(を)自分の自由にできるんだから。できるんだったら、もちろん民主党の考え方に沿って具体的政策を自分が決めていく。その腹を据えることじゃないでしょうかね。
ニコニコ)民主党政権をあきらめてないか
小沢)あきらめてません。もし、これ、失敗したら、ぐじゃぐじゃになって、多分、民主党がダメとなっても、自民党に返そうとは思っていないと思います。すると民主党も過半数取れない、自民党も取れない、みんなぐじゃぐじゃ、ぐじゃぐじゃになっちゃう。それで極右、極左が出てくる。これは悲劇だ。
ニコニコ)小沢氏は民主党を飛び出すとかいわれるが
小沢)民主党内でこの間もいっぱい支持してくれる人が、私、いますので。何も私が出る必要はないと思うし、それはいけないと。やっぱりこの政権を成功させるということに全力を尽くしたいと思っています。
そういう意味で一人一人が、みんなね、だんだん、だんだん、若い人ほど認識しつつあるんじゃないでしょうかね。有権者と一番、接しているでしょ。一番言われるようですよ。そのためには君ら自身がしっかりしないとダメなんだと。だんだん認識がしっかりしてきている。
ニコニコ)今後、どういう役割を果たすか。首相としてやる局面を待つか。違う展開を待つか
小沢)まだ裁判なってないので、どうかわからないが、既定路線でいえば、そういった可能性は高いが、僕のいっていることを理解してくれる人は大勢いますし。話聞かせろという人も全国あちこち、いろいろいますので。そういう意味でポジションがないだけに、フリーですから。全国をできるだけ求めに応じて回りたいと思っています。
ニコニコ)小沢氏は起訴相当議決は不当という主張だ。政治活動を制限しなくてもいいのでは
小沢)あ、僕はそのつもりはない。ただポジションがないですから。一兵卒ですから。ただ、私としてできることは、やっていきたいと思っています。
ニコニコ)雇用の問題が好転していないが、処方はないか
小沢)一つはね、財政の健全化か、景気かという、すぐそういう議論しますけど、それは相対立するもんじゃ僕はないと思ってんですよ。だから景気が悪いときはやっぱり、景気の拡大策を講じなくちゃならない。そのためには必要なときには、多少、国債増発しても仕方ない。
ただ、非常に、何度もいいますけど、無駄が多いんですよ。これね、全然、これもうメディアが報道しないですけどね、仕分け、仕分けっつってますけど、仕分けもいいんですが、結局、(政府がしたのは予算の)一律カットですよ。全部。財政当局としては一律カット以外にやりようないんですよ。優先順位(は)役人の仲間同士でつけられないんですから。
だから、一律カットじゃ、もうお金出てこないんですよ。必要なものはやる。必要でない物はやめるというのを、それぞれの人たち、閣僚はじめ、みんなが腹決めて、それこそまた腹決めてやれば財源は出てくる。しかし、それでも足りない場合は、もちろんやんなきゃいけないと思いますよ。僕は。財政出動を。
それと、だけどね、雇用の問題はね、景気が悪いから雇用が少ないっちゅうこともありますけどもね、それ以上に僕は、さっきいった雇用のシステムが非常に崩壊してしまったと。日本的システムに代わる新しい雇用のシステムできたのかというと、そうでない。
もうパッパカ、パッパカ切り捨てることのできる米国流のシステムになっちゃって、本当にみんなが働いてくれて会社があるんだと。だから、できる限りクビ切りはしないで、解雇しないで、みんなでがんばろうという経営者の意識がなくなってきてますよ。大企業ほど。僕は本当にけしからんと、この大企業は。
で、中小企業の方がむしろ「長年働いてくれた。おれがみんな面倒みなきゃ」って私財を投入してまでね、一生懸命やっているところ、いっぱいありますよ。それで、そこが技術をもってるんですね。日本は。中小零細企業が。
だから僕はそういうね、経営者としての心構えと、それから雇用の制度が、これはもう一度見直すべきだと。あの小泉某によってね、みんなめちゃくちゃにされましたけど、雇用の仕組みをもう一度やり直すということは必要だと。
ニコニコ)小沢氏がトップならどこを切りつめるか
小沢)僕は一括交付金、一括交付金って代表選のときもいったもんだから、菅さんも、政府も一括交付金っていってますけどね。あれをね、一括交付金っちゅうのを本気にね、今度の予算で実現できたら大したもんです。
去年の予算のときも交付金、交付金と僕も役人にだまされちゃったんだけど。結局、補助金なんですよね。名前だけ変えたんですよ。そうじゃなくて、地方に自由に使えるお金を出せば、それが本当にもう、今のお金の、極端にいうと半分でいいんです。自由に使えないんですから。
例えばね、そん中でも「いや、おまえ、いうけれども、福祉の関係は15兆円。これは全然切れないじゃないか」という議論があります。しかし、これもね、実態はみんな地方がやっているんですね。だから、僕は15兆円、もう全部地方にやっちゃえばいいんですよ。
そうして、例えば今、高齢化社会で介護ってあるでしょ。介護はいろんな特養だ、なんだかんだ、かんだなんだって厚生省の、いっぱいつくっているでしょ。それでそこに補助出している。もちろん人件費補助もあるけれど。そういう厚生省のメニューにしかお金を出さないんですよ。
地方に任せなさい。そうすれば、自宅で介護できる人は自宅でやる。その方が本人にとっても幸せなんです。そして、その個人の家庭をサポートしてやる。補助金を出してやる。支援金だしてやる。そういうことも自治体にまかせれば、自由にできるわけです。
今、厚労省にやらせたら、できないです。15兆円もお金使って、ろくなアレ、できないじゃないですか。だから、そういうことを考えると、僕は非常に無駄を省くという作業は、まだまだできると思います。
ニコニコ)今のやり方だと生ぬるい?
小沢)いや、財務省がね、みんな大蔵、財務が悪いといいますけどね、彼らだってね、今まで通りでいいと思っていないですよ。さっき言った話ですよ。だけども、ここは役人の方から「こんなのやめて、こうやった方がいいじゃないですか」とか言うことはできないですよ。役人の立場としては。
それは政治がやらなくちゃなんない。そして青写真をちゃんとつくって、それで「これをやる」と。「結果はおれが責任を持つ」というふうにやればね。財務省だって優秀な連中、いっぱいいますから」
ニコニコ)責任を持つ覚悟がないから、民主党政権はフラフラしているように見られるのか
小沢)国民の皆さんからね。まあ、それぞれの人が腹決めて、自分の思った通り、きちんと責任持ってやりゃいいんじゃないですか。その結果の判断は国民がするんですから。
ニコニコ)覚悟を持ってやっていく?
小沢)あ、僕はそうですよ。はい。僕はだから何も悪いことしてませんから。何もやましいことないですから。ただ今の制度上ね、検審でもう1度公判でやれっちゅう話になっちゃいましたから、やりますけれども、政治活動を続けていきたいと思っております。
ニコニコ)小沢さんの国家ビジョンとはどんなものか
小沢)僕が言ってんのは自立と共生という理念なんですけどね。一番はまずは日本人に必要なのは自立。ちゅうのは自分自身の価値判断を持ち、自分自身で意見を持ち、そして自分の責任で行動するという日本に僕はなるべきだと。自立した日本人の集合体が自立した国家なんです。日本なんです。それがまず第一だし。日本人としては。
それから国家の理念としては共生。これは国内でも人々の、国民同士の共生、仲良くするっちゅうこともありますが、他国民、諸国民との共生。すなわち、平和の問題。それから、もうひとつは自然との共生。これは環境の問題。だから、僕は個人個人の日本人には自立を求めているし、そして自立した個人が国家を構成すると。そして日本は他の国と、他の民族との共生と自然との共生。環境と平和と。これを僕はね、21世紀のね、このあるべき姿としてね、日本が発進できるような国になりたいと。そうあるべきだと、そう思ってんですよ。
日本人ぐらい偏見もない、宗教的の壁も何もない、あるいは文化的な壁もないでしょ。何でも取り入れて、全部、自分のものにしちゃうでしょ。だから、ものすごく共生の理念に日本人っちゅうのは、性格的に、あるいはDNA的にあってんじゃないかと思ってんですよ。だけど、それを発信できる、21世紀の社会、国家というもんはこういうもんだという発信をできる日本になるべきじゃないかなと思ってんです。
ニコニコ)岡田幹事長が企業・団体献金を認めることにした。これはどういうことか
小沢)うーん、ま、もう政治資金の関係ではね、ちょっとわかりません。彼の真意は。
ニコニコ)今の菅政権をどう思うか
小沢)だけど、それは代表選挙で菅さんを選んだんだし、そのときは世論調査なるものは7割だかあったでしょ。まあー、それはやっぱり、総理は党内手続きで選ばれるんですけど、結局に背景にあるのは、国民が選ぶんですから。
この間、7割支持したのが、すぐ半分なっちゃうっつうのも、僕はね、おかしいと思うんですよね。国民もね。もっと国民がしっかりしなきゃダメですよ。国民、しっかりしないと、政治家もしっかりしないですよ。
ニコニコ)そういう意味では菅直人首相に小沢さんが何か言ってもいいのでは
小沢)だから菅さんは自分がこうだと思うことを、首相はもう万能ですから、思うことをきちっと主張して、自分の責任で断固やったらいいんじゃないんですかね。僕が菅さんと、いつか話したときもいったんですよね。「総理大臣なんだから、好きなようにしたらいいんじゃないの」と。「その代わり責任をとって、国民があとはどう考えるかは別の問題」
ニコニコ)小沢さんは後継者を育成しなかったのが欠点といわれる。人材育成の考えを
小沢)僕もだんだんこの年になりまして、本当に後継者を、次の世代を担う本物のね、政治家を育てたいと。あるいは政治の分野じゃなくたっていいんですけど、本物の若者を育てたい。そう思ってます。
それで政治家でも、むしろ若い人たちに私は非常に期待してます。自分が直接選挙戦を手がけたということもありますけれども、しかし、政権をとるっちゅうことは、多くの候補者が多くの人たちにもまれて当選してきたわけだから、こっからその意味で、風ももちろんあるんだけども、風だけでないものを政権党の議員として、今、現実を眺めながら、感じつつあるんじゃないかと。
ニコニコ)沖縄県知事選では民主党は政権党なのに候補をたてない。最近の選挙事情をどうみるか
小沢)僕は候補者を立て過ぎるっつって怒られたんですけど。やっぱり政権党であれ、野党の自民党であれ、もう自民党も今や立てらんなくなってきましたけど、それでもまあまあ、地域に根はってますからね、立ててきます。やっぱり本当に議会制民主主義を成熟させる、定着させるためには、政権与党としてきちんと、せめて県知事レベルくらいまでは立てていく方針が、僕は正しいと信じてます。
ニコニコ)沖縄は米軍普天間飛行場をかかえている。民主党の考え方を見せなきゃいけない選挙だ
小沢)そうですね。まあ、本当はおっしゃる通りにすべきのように思いますね。私も。
ニコニコ)岡田氏に電話してアドバイスもいいのでは
小沢)とても、とても僕の意見なんか入れられませんよ