仰天プラン 絶体絶命の小沢一郎が狙う新豪腕河村たかしとの「復権タッグ」発覚!
強制起訴の崖っぷちから逃れるための名古屋の実力者と連携!
追い詰められた元”政界のドンが最後にすがる”尾張”のケンカ師”。
増税VS減税──”平成の関ヶ原”の火蓋がいま、切って落とされる!
尾張・名古屋から起こった一大旋風が、中央政界を巻き込んで、大きな嵐になろうとしている──。
「”庶民革命”を叫んで立ち上がった、河村たかし氏(62)の一挙手一投足に、多くの国民の目が集中しています。
今後、彼がどう動くかで、地元・名古屋だけでなく、中央政界をも巻き込んだ一大変革の嵐が襲来。そんな動乱の予感に、多くの政治家たちが武者震いしています」(全国紙政治部デスク)
その河村氏が仕掛けた愛知トリプル選挙(愛知県知事選、名古屋市長選、市議会解散の是非を問う住民投票)は、2月6日に投開票を迎えた。
「現時点(2月3日)では、市長選は河村氏圧勝の情勢です。ただ、結果がどうであれ、菅”増税”政権に対するアンチテーゼとして、地方からではありますが、河村氏が掲げた『減税日本』の旗印は、多くの庶民から喝采を浴びています」(前同)
名古屋から発せられた減税の嵐は、いまや永田町をも巻き込む勢いで、広がり始めているというわけだ。
だが、そんな”流れ”を知ってか知らずか、菅政権は”かつての仲間”である河村氏を切り捨て、仁義無用の民主党衆院議員を候補に立てた。
「この候補を自民党愛知県連が推薦することで、愛知で民主・自民連合戦線を結成するのが狙いでした。
菅首相は、これをテコに国会でも民自連合を模索。”ねじれ国会”を解消する布石にする腹づもりでしょう」(首相官邸担当記者)
そのために、菅首相は、異例といっていいテコ入れを愛知決戦で行なった。
「頻繁に岡田克也幹事長を現地入りさせたのを手始めに、選挙終盤には民主党の全国会議員に”1人500件の電話作戦を展開しろ!”と、総力戦の指令まで発しています」(前同)
民主、自民を向こうに回し、孤軍奮闘する河村氏。だが、そんな”新豪腕”を陰に陽に手助けしている人物がいる。
それが、元祖”豪腕こと小沢一郎・元民主党代表(68)だ。
小沢氏といえば、先の1月31日、自身の資金管理団体「陸山会」の収支報告書虚偽記載事件で、強制起訴(政治資金規正法違反)され、刑事被告人の身になったのは、ご存じのとおり。
「今後、少なくとも1~2年間は裁判対策に忙殺され、政界表舞台での動きは完全に封じ込められてしまうでしょう」(民主党中堅)
その証拠に、豪腕の影響力にも陰りが見え始めてきたという。政治ジャーナリストの安積明子氏が、次のように語る。
「それは今年の”小沢新年会”でも如実に表われていました。というのも、確実に出席すると見られていた田中美絵子、福田衣里子、青木愛など、”小沢ガールズ”の姿がなかったのです。
いまの彼女たちにとって、小沢氏の新年会よりも優先すべき事柄があるとは思えません。この事実が、小沢氏の現在の立ち位置を表わして余りあります」
だが、当の小沢氏は、なぜか自信満々だという。
事実、自身と近い議員との会合では「勝負は劣勢のときに、いかに我慢できるかだ。先に動いたほうが負ける。離党する気なんてサラサラない」と豪語。
「さらに、”党を出て行くのは菅首相や岡田幹事長だ。そのほうが党内はすっきりする"とも放言。
いま小沢氏は、指導力のない菅首相に対する不満が党内に充満するのを見計らって、一気に勝負に出るタイミングを、いまや遅しと待っています」(政治評論家・浅川博忠氏)
強制起訴されたことで迷いが吹っ切れ、逆に腹が決まったというのだ。
「ここしばらくは離党を見送り、内部から菅民主党を揺さぶる作戦でしょうね」(前同)
とはいえ、なぜ、こんなにも小沢氏は自信満々なのか。そのヒントが、先に述べた”河村氏への応援”に隠されているという。
「小沢氏は、河村氏との”復権タッグ”を組む青写真を描いています。もともと、2人は近しい関係ですからね」(前出・鑑定担当記者)
確かに、河村氏は、昨年10月、民主党代表戦で敗れ、なおかつ、検察審査会で強制起訴が決まった直後の”落ち目”の小沢氏を激励しに事務所を訪れている。
河村氏は小沢応援で全国行脚
「まあ、小沢氏と河村氏は、もともと理念的に近いものがありますからね」
こういうのは、政治評論家の有馬晴海氏だ。
「地域政党『減税日本』を設立した河村氏は、これまで小沢氏を”新進党代表のときに消費税引き上げに反対した。減税には理解がある”と評価しています。
その小沢氏の力で、増税路線を突っ走る菅民主党から”減税”民主党に変えてほしいと常々、周辺に語っているんです」(前同)
確かに小沢氏は、93年に『日本改造計画』を著した頃から「所得税と住民税の大幅減税」政策を一貫して主張している。
「主張を同じくする減税を旗印に、両者は倒閣で一致していますが、それだけではありません。河村氏が断行した”議会改革”は、小沢氏が主張し実行した官僚答弁の禁止などの”国会改革”とも軌を一にしています。両者の合体は、自然の流れといえるんです」(同)
しかも、この2人、永田町での因縁も深いのだ。
河村氏は、94年の新進党結成から自由党を経て、98年に民主党入り。この間、小沢氏と行動を共にし、小沢グループの面々とも親交を深めている。
そして、09年の名古屋市長選前には、党代表だった小沢氏が、愛知県連が内定していた推薦予定者を退けて、河村氏を推薦するよう指令を下している。
「この市長選で小沢秘書軍団が汗を流し、河村市長誕生に一役買っています。
恩を感じた河村氏は、前回の衆院選で小沢チルドレンを応援するために全国を奔走し、政権交代の手助けをしました」(前出・民主党中堅)
昨年7月の参院選でも、河村氏は小沢系候補の応援で全国を行脚したほどだ。
「逆にリコール署名でピンチに陥った河村氏に対し、小沢側近が何度も激励に訪れ、先頭に立って署名活動にも参加するなど、両者の関係は長い間、蜜月状態が続いているのです」(前同)
そんな2人が、菅政権を打倒すべく立ち上がろうとしているわけだ。
だが、そうはいっても、河村氏は市長選に勝っても、あくまで地方自治体の首長。小沢氏に至っては、刑事被告人である。
では、2人は、いかにして”打倒・菅”を成し遂げるつもりなのだろうか。
「その小沢-河村連合軍は、菅政権との決戦を3月、4月、6月の3時点に絞り、倒閣のその日を、いまや遅しと手ぐすねを引いて待っているといいます」(ベテラン政治記者)
最初の決戦の場は、来る3月。来年度予算審議が大詰めを迎え、国会が緊迫の度を深めている時期だ。
「予算案本体は、衆院で可決すれば30日で自然成立します。ただ、予算を執行するために必要な予算関連法案は、そうもいきません」(前出・浅川氏)
この関連法案の成立がずれ込めば、民主党最大の公約である、子ども手当ての新年度支給が困難になるだけでなく、国家事業すべてに大きな支障が生じるのはいうまでもない。
仮に、そうした事態となれば、菅政権は衆院解散・総選挙で事態打開を図る以外に打つ手はなくなる。
「ここに至った時点で、小沢グループ一斉蜂起。”菅降ろし”の火の手を上げると見られています」(前出・ベテラン政治記者)
「減税新党」で民主潰しを開始
この菅政権が3月危機を乗り切ったとしても、翌4月には、さらなる難関が待ち受けている。
統一地方選があり、ここでの菅民主党惨敗は必至と見られているからだ。
そうなれば当然、さらに強烈な”菅降ろし”の嵐が吹き荒れるのは必至。
そして6月に、小沢氏が最大の決戦の場と照準を合わせる天王山を迎える。
「6月は、菅首相自らが、”消費税問題とTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)問題を決着する”と公言した期限。いやしくも、その公約した期限を首相が守れなければ、それは即、内閣総辞職へと繋がります。
小沢氏は、遅くとも、この6月には一大政変劇が展開されると判断し、それまでに小沢-河村陣営が『減税新党』を旗揚げ。一大決戦に備える準備に入るといいます」(前出)
その予想される6月の衆院総選挙では、「減税新党」から菅民主党への”刺客”を大挙出馬させ、民主党を壊滅状態に追い込み、一気に天下獲りに打って出る作戦だという。
「小沢さんと河村さんの新党には、現在、永田町で第3勢力としての地歩を固めつつある渡辺喜美代表の『みんなの党』も、協力を惜しまないと、エールを送っています」(同)
小沢-河村連合に、みんなの党が合流すれば、永田町での第1党は夢ではないというのだ。
「小沢さんは、そもそも首相になりたいとは思っていないタイプ。河村さんは、”名古屋から総理を狙う男”という異名がついたほど、野心溢れる政治家です。
この2人、一見すると合わないように見えますが、なかなかどうして、いいコンビだと評判になっています」(ベテラン政治記者)
もしかすると、近い将来、”天下”は彼らの手にあるかもしれないのだ。
いま、その小沢氏、身内の会合の席で、
「小平は、68歳のときに文化大革命で地方に飛ばされた。しかし、艱難辛苦の末に帰ってきて、改革・開放で経済成長路線へと導いた。いま、私も68歳です」
と、天下獲りに向けた熱情は、ほんの少しも衰えてはいない様子。
”新旧”豪腕が永田町を呑み込む、なんてことも、まんざら絵空事ではなさそうだ──。