格差階級社会をなくそう

平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

横田 一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」

2019-12-06 16:57:54 | 杉並からの情報発信


横田 一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」65

徴用工問題で日本の元外務官僚が「韓国に100%の理、日本に100%の非」「日韓対立は安倍政権に全責任」と断言する理由

2019.12.05 Litera

https://lite-ra.com/2019/12/post-5127.html

安倍首相が15日からのインド・中国歴訪で、約1年3カ月ぶりに日韓首脳会談を行う方向で調整していることが明らかになった。今度こそ、トップ同士がきちんと話し合いをして、関係を改善してもらいたいが、しかし、和解を求める韓国とは対照的に、安倍首相が「徴用工判決」問題を棚上げして、輸出規制を解除する公算は極めて低いと言わざるを得ない。

韓国がGSOMIA破棄を中止にした際も、日本は米国の圧力で話し合いのテーブルにはついたものの、結局、安倍首相が「一切の妥協はしない」という姿勢を変えず、表向き「韓国側がWTOへの提訴中止し、日本側が担当省庁局長級対話の再開に応じる」という合意だけで終わった。

この背景には、先の戦争を正当化することを何よりも優先する安倍首相の強固な歴史修正主義がある。安倍首相はもともと「徴用工」を戦争犯罪とは捉えておらず、だからこそ「徴用工問題は1965年の日韓請求権協定で解決済みであり、韓国最高裁判決は国際法違反」という主張を繰り返しているのだ。

しかも、問題なの日本のメディアや世論がこの安倍首相の姿勢を追従していることだ。安倍政権が対韓強硬外交に踏み切って以降、日本製品の不買運動拡大や訪日韓国人観光客激減で経済的損失を招く事態に陥っている。

普通なら「国益毀損の経済音痴」「国賊紛いのダメ首相」といった批判が噴出しても不思議ではないが、まったくそんな声は聞こえてこない。「国際法違反状態の韓国に毅然とした姿勢を貫く安倍政権」という官邸発信のフェイクニュース(大本営発表)を大メディアが受け売り、大半の国民が鵜呑みにする状態が罷り通っている。

しかし、そんな情報統制状態の中、「韓国には100%の理があり、日本には100%の非がある」「日韓関係悪化の全責任は安倍政権にある」と批判をしている元外務官僚がいる。外務省条約局国際協定課長、アジア局中国課長、イギリス国際戦略研究所研究員などを歴任した浅井基文氏だ。

浅井氏は「日韓関係を破壊する安倍政権」と銘打った9月10日の緊急講演会(主催は重慶大爆撃の被害者と連帯する会・東京、村山談話を継承し発展させる会)で、いまだにテレビや大新聞がほとんど報じない「国際人権規約」(日本は1979年に批准)の存在を紹介、安倍首相の詐欺的手口をこう暴露した。

「(韓国を国際法違反状態と見なす)安倍政権の最大の論拠は『過去の個人の請求権、過去の朝鮮の人たちの日本に対する請求権は1965年の日韓請求権交渉で全て解決済み』というところにある。その主張が正しいのかどうかをまずはっきり踏まえないといけない。
 私も外務省で25年間飯を食ったこともあり、アジア局や条約局勤務が合計で9年間あったので、『過去の請求権問題は1965年の請求権協定で全て解決済』としてきた日本政府の主張は理解している。

しかし国際人権法が確立することによって崩れたことを申し上げたい。もっと具体的に国際人権規約Bがあります。ここに加盟(署名)したのが1978年なのだが、私は1978年に条約局の国際協定課長という立場で、国際人権規約の国会承認を事務方の先頭に立っていたものだから、非常に愛着もあるが、今回の日韓問題を議論する時に誰もこの国際人権規約のことを言わない。これが私は非常におかしいと思う。国際人権規約は条約であり、憲法上も『条約は国内法に優先する』というふうになっている」

 その詐欺的手口を見破るカギは、安倍首相が戸黄門の印籠のように突きつける「1965年の日韓請求権協定」締結から14年後の1979年、国際人権規約が国会承認(批准)された歴史的事実に注目することだ。安倍首相は1978年以前なら通用したカビの生えた主張を、国際人権規約批准で崩れ去ったのにもかかわらず、正論であるかのように訴えて続けているということだ。

 このことを浅井氏はレジュメを使って説明していった。まず国際人権B規約の第2条3項には「この規約において認められる権利又は自由を侵害された者が、公的資格で行動する者によりその侵害が行われた場合にも、効果的な救済措置を受けることを確保すること」を義務づけるとあると指摘、「この規約において認められる権利又は自由を侵害された者」の「権利」や「自由」こそ、徴用工や従軍慰安婦に該当するとも指摘した。

 たしかに第7条には「何人も、拷問又は残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰を受けない」と書いてあり、また第8条には「何人も、奴隷の状態に置かれない。あらゆる形態の奴隷制度及び奴隷取引は、禁止する」(1項)、「何人も、隷属状態に置かれない」(2項)、「何人も、強制労働に服することを要求されない」(3項a)とあり、従軍慰安婦や徴用工に当たることが分かる。浅井氏はこう結論づけた。

「元従軍慰安婦の方々、徴用工の方々は日本国によって『効果的な救済措置』を講じるように要求する権利があることが明確にいえるのです」「まさに国際人権規約をはじめとする国際人権法ができてから、各国は過去の国が行った行為について謝罪し、補償をするということが行われるようになった。そういうことを考えると、やはり日本も従軍慰安婦や徴用工の皆さんに対して謝罪し、補償しなければいけないということが当然のこととして言えるのです」

しかも外務省は、1991年8月27日の参議院予算委員会で「個人の請求権自体は消滅することはない」と答弁していた。その内容は、国が放棄したのは「国家の外交保護権」であり、「国と国との間でやりとりをする権利については放棄した」ということであって、「個人の請求権自体はそういう協定によっても消滅することはない」と結論づけるものだった。浅井氏は当時を「私が外務省にいた頃は(個人請求権が消滅しないことは)外務省の中で議論されてもいないことだった」と振り返った上で、今回の元徴用工裁判における韓国大法院(最高裁判所)判決を次のように全面的に支持した。

「それ(韓国大法院判決)は1991年の外務省の国会答弁から言っても、非常に正しいこと、抗弁できないことであって、認めなければいけないとことなのです」

続いて浅井氏は、安倍政権(首相)が1991年の政府(外務省)答弁がまるでなかったかのように振る舞うことのおかしさも指摘した。

「非常におかしいことは、1991年に政府答弁をしているにもかかわらず、今回の問題が起きてからは、安倍政権はすっかりとだんまりを決め込んでいることが私は最も不誠実であり、許されないことだと思う。この点をしっかりと認識をすれば、韓国大法院の決定に対して日本政府が『1965年の日韓請求権協定で解決済だからおかしい』というのが、そもそもおかしいことになる」「国際人権規約の関連条項が、(それ以前の)『国が個人に代わって請求権を放棄できる』という伝統的な考え方をひっくり返したことが大きなポイントなのです。それなのに国際人権規約がどこかに行ってしまった。みんな『人権が大事だ』と言いながら国際人権規約があること自体をすっかり忘れていることは非常に遺憾なことだと思う」

そして浅井氏は安倍政権の対韓強硬外交をこう一刀両断にした。

「韓国に対して居丈高に振る舞うことはいかなる理由でも許されない。『韓国には100%の理があり、日本には100%の非がある』ということを申し上げておきたい」

外務省OBが語った、安倍首相の暴走を外務省が止められない理由

講演後の質疑応答では、「国際人権規約の紹介は非常に重要な指摘だ」と切り出した報道関係者から、こうした対韓強行外交をめぐる外務省の対応について、以下のような質問があった。

「浅井さんは外務省のOBでいらっしゃいますよね? 同じ(外務省)条約局とか、このことについて職務として関わった公務員がいるはずですよね? 一番先にそういうことを言わないといけない人間(外務官僚)が沈黙している状況は、どうお考えになっているのか? つまり浅井さんたちの考えが後輩たちに引継がれなかったのか?今の外務省の役人たちがなぜ政権の為政者たちに対して諌めたり、『こういうことだ』と(言わないのか)。知識もあるはずなのになぜできないのかと思うか?」

この質問に対して、浅井氏は二つの要因をあげた。

「一つは、私が外務省にいた頃までの条約局長は今の天皇の奥さん(雅子妃)のお父さん、小和田(恆・ひさし・外務事務次官)さんまでは、いわゆる戦前世代なのです。戦争体験をはっきり意識した人たちだが、それ以降の『ポスト小和田』で非常に変わった。小和田さんまでの条約局と、それ以降ではガラッと質的に転換したことが事実としてあると思う。
 もう一つが外務省だけではなくて中央官庁すべてに共通することだが、要するに民主党政権の時に高級官僚の人事権を官邸に集中することをやった。それが見事に安倍政権によって利用されている。要するに高級官僚で『俺は出世したい』『上に立って仕事をしてみたい』という人は官邸の顔色をうかがわざるを得ない。官邸に楯突いた人は見事に外されている」

続いて、浅井氏はメデイアの“大本営化”も、国際人権規約の存在を無視する安倍首相の世論操作(情報統制)を許す要因としてあげた。

「今、情報入手源は多様化している。しかし結局はマスメディアがこぞって政府の情報を垂れ流せば、ネット情報で逆のことを言う人がいるかも知れないが、やはりコンセンサスとしてはマスメディアが流す情報に集約されていく。これらも大きな問題だ」

たしかに「アナクロニズム(時代遅れ)の歴史修正主義者」と呼ぶのがぴったりの安倍首相が「国益毀損の対韓強硬外交」「反日」などと批判されないのは、マスメデイアが安倍政権にとって不都合な真実である「国際人権規約」を過去の外務省答弁と共に報道しないからだ。

これ以上、日韓関係の悪化や経済停滞を長引かせてはならない。日韓首脳会談を前に、マスコミは自らの報道姿勢を見直す必要があるのではないか。

(横田 一)





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悪党を眠らせない!<本澤二郎の「日本の風景」

2019-12-06 11:30:17 | 日本の風景


悪党を眠らせない!<本澤二郎の「日本の風景」(3516)
<ありとあらゆる手段・方法で犯罪・違法首相を降参させよ!>
 もう北京に舞い戻って10日経つ。昨日は3年ぶりに、仏(ほとけ)のチョウさんの家に、30分ほど歩いて押しかけた。珍客に彼は、福建省・武夷山の銘茶・大紅袍を出してくれた。初めての高級茶だ。生姜と人参のお酢でつけた漬物などを口に入れながら、1972年9月、日中国交回復した後にたらふく飲んだ茅台酒で酔った角さんと大平さんの気分になった。

 思うに、仏教は殺傷を禁じている。悪人も仏になれるというが、その前に徹底した反省と謝罪が不可欠だ。仏罰として、あらゆる手段で、政治資金規正法・公選法違反の犯罪首相を眠らせない!これしかない。

<日刊ゲンダイのマドンナ記者から電話取材>
 夜中の8時過ぎというと、日本時間の9時すぎである。
 運よく固定電話が鳴った。東京からである。筆者のよく知る日刊ゲンダイのマドンナ記者のM子さんだ。NHKの悪女記者とは、月とスッポンだ。
 うれしいことに、お願いしていた来年の手帳を国会で買ってくれたという。ありがたい。感謝感謝である。彼女は日本国憲法をよく読んでいる。大変な平和主義者だ。
 恩師・宇都宮徳馬の生まれ変わりのような、本物のジャーナリストだ。日刊ゲンダイを大きく育てた原動力は、ロッキード事件の児玉・中曽根ルートの疑獄である。

 再び安倍の桜疑獄が、日刊ゲンダイに好機をもたらしてくれている。
<大平さん、田中六助さん、共同三喜田さん、ロスのジェームソン特派員>
 誰がシャッターを切ってくれたものか、目の前に昔の小さな記念写真がある。13人写っているが、場所が特定できない。
 真ん中に、筆者が腕組みしながら満足そうな顔をしている。不思議な写真だ。大平おとうちゃんは、端の方に遠慮がちに立っている。塩崎代議士も。六さんは、真ん中に近い。当時の大平さんの番記者である。70年代だ。
 後方に、背の高いロサンゼルスタイムズのジェームソン特派員も、白い歯を見せている。信頼する共同通信の三喜田さんとは、今も手紙でやり取りしている仲だ。

<ロ事件は児玉・中曽根事件だった!>
 「ロ事件は中曽根事件だ」という角さんの遺言のような真相発言を証言してくれた六さんは、日経OBである。ロンドン特派員時代に朝からビフテキを食べる癖が、命を縮めてしまった。
 中曽根を救った稲葉修法務大臣(当時)は、後継人事で中曽根と関係を絶った。元中央大学法学部教授の稲葉さんとは、9条改憲論で、先輩後輩の間柄で激論を交わしたことが何度もあった。
 彼の奥さんがまた立派で、国会に毎日弁当を作って夫を支えていた。昼時に行って、よくご馳走になったものだ。まじめな家族だから、父親を後継した息子は、長く政界にとどまろうとしなかった。安倍晋三とは違った。離婚した娘は、兄の現役時代、事務所の面倒で忙しかった。

 稲葉家は御殿医の家系だから、彼女は「医者は病気を治す力などない」と教え込まれて育ったと教えてくれた。秘書の田中君は、いま愛媛県にいるはずだ。そういえば岳父・廣岡慎次の家系も加賀100万石の御殿医だった。
 ついでに、漢方について言及すると、皇帝の健康管理に失敗すると、皇帝医も殺される。そうした中で、生死をかけた数千年の歴史を刻んできた漢方医ゆえに、西洋医学に勝るとも劣らない。

<今は小異を残して大道につく時期>
 三喜田さんに話を戻すと、彼は「改憲の場面では、街頭デモに参加する」と叫んでいる京大OBである。不思議な古い写真をよく見ると、大平さんは首をやや左に傾けている。我は反対に少し右に。ナベツネが児玉や中曽根と共に悪戦苦闘しているころのはずだから、当時の読売もまともな時期だった。
 護憲リベラルの良き時代だった。いずれも写真の表情は生き生きとしている。国家主義や国粋主義など蹴散らしていたころだ。

 アベ自公・日本会議のカルト政権を蹴散らして、生き生きとした日本にする現在である。護憲リベラルが最高の航路である。
 そうするためにも、いま悪党を眠らせるような手抜きは許されない。小異を残して大同につく局面である。
2019年12月6日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)





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