・・・「菩提心とは如何」というに、それに対して如来は「実の如く自心を知る也」と答え、続いて「自心とは如虚空の相」にして「自らに尋求すべきもの」と答えておられる。
( 「祕密主云何が菩提とならば、謂く、如實知自心なり」。祕密主、是の阿耨多羅三藐三菩提は乃至彼の法として少分も得べきことあることなし。何以故。虚空の相は是れ菩提なり。知解の者もなく亦た開曉のものもなし。何を以っての故に、菩提は無相なるが故に。祕密主よ、諸法は無相なり。謂く虚空の相なり。爾時、金剛手は復た佛に白して言さく「世尊よ、誰か一切智を尋求する。誰か菩提の爲に正覺を成ずる者、誰か彼の一切智智を發起するや。」佛言はく「祕密主よ。自心に菩提及び一切智を尋求す。何以っての故に、本性清淨なるが故に。心は内にあらず、外にあらず。及び兩中間にも心不可得なり。・・・心と虚空と菩提との三種無二なり。・・」とある。 。)
・・・(心とは)個人の肉体を超え、果てしなき空間や時間を超えてむしろそれら一切を包んでいるものなのではないだろうか。・・その心が、個々の肉体のなかを通って個人に意識されるものではなかろうか。すくなくとも大日経ではそのように説くのである。則ち心の実相は「如虚空」という、森羅万象を内に包んでいる広大無辺の本質でそれは自らにおいて自得するより外に道がない。即ち「自心に尋求すべきもの」である。このような心の本質を体解身証するのが菩提心なのである。(三井英光「菩提への旅路」)」
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