福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

四国88カ所お遍路の旅~その八~

2016-02-11 | 講員の巡礼(お四国他)ほか投稿
四国88カ所お遍路の旅~その8~

愛媛県「菩提の道場」の44番札所大宝寺から県道12号線をバスで走り、岩屋寺の駐車場へ。駐車場から民芸品の店を見ながら少し歩いて、舗装された山道に入る。凝った作りの山門を潜ると石段が続く。ここから220段の石段という。この石段を登った数多の巡礼者を思うとき、本堂までの長い参道に歴史の重さを感じる。葉陰からこぼれる陽は少なく昼なお暗い。ひんやりと涼しい空気に満ち満ちている。

   

石段の両側に、「南無大聖不動明王」と書かれた赤や青の幟がはためく。弘法大師像や供養の仏様が並んでいて、仏様が見守っているような落ち着いた気持ちにさせてくれる。石段が終わりに近づくとともにお寺が見えてきた。最後の石段を登り終わると視野が広がった。正面に立ちはだかるように、凝灰岩の大岩が目に飛び込む。その大岩に抱かれているように本堂が佇む。岩肌を露出した屏風のようにひろがる大岩の屹立した連なりはかなりの迫力で迫る。この場所に堂塔をつくった人々、ここまで参拝された人々、様々な思いが心に広がる。

   

第45番札所 海岸山 岩屋寺
本 尊: 不動明王
開 基: 弘法大師
創 建: 弘仁6年(815)

岩屋寺…昔この地に、空を飛び回る神通力を持つ『法華仙人』という女人が住んでいた。霊地を求めここを訪れた弘法大師に深く帰依した仙人は、一山を大師に託して大往生を遂げた。弘法大師は木と石で2体の不動明王像を刻んで、木造は本堂に安置し,石造は山の岩窟に封じ込め、山全体を本尊としたという。巨大な岩峰は両界曼陀羅になぞらえて、金剛界峰、胎蔵界峰と呼ばれる。

右手には、垂直に近いはしごがあり、それを登れば祠(仙人堂跡)がある。しかしそのはしごを登って最近落ちて亡くなった人がいるとのことで、登ることは禁止されていた。

本堂、大師堂「国指定の重文」で納経。 開経偈から始まり、般若心経を巡礼仲間と唱和する頃になると、心は自然と落ち着いて、清々しい気持ちになる。読経は、仏とのつながりが自然に感じられる。救われたと感じるのは、その時、仏と対話して安心を得たからだと思う。自分は一人ぽっちではないと思うことはなによりの心の安定だ。こんな当たり前のことを、はっきりと意識するようになった。存在すらも、気にならなくなり、こころにわだかまっていることなどは消え去る。木々を渡る風や、柔らかな光の暖かさに包まれて、読経をしている自分は自然の中にとけ込んでいく。

せり割禅定…「せりわり禅定」と呼ばれる行場には、時宗の開祖一遍上人も訪れ、「一遍聖絵」にも登場する歴史的には非常に著名な場所。本堂・大師堂から少し谷間を登ったところが入口。納経所で鍵を受け取ってから登る。「せりわり」の名のように岩山が真っ二つに裂け、ひと一人がやっと通れるような裂け目を、綱を伝いながらしばらく登る。再び綱か鎖を伝いながらさらに上の岩場へ登る。 最後に、梯子(はしご)を登ると、狭い山頂に白山社の祠(ほこら)が祀られている。
 
私たち巡礼一行は、時間の都合でそこまでは行かず残念。今度は個人でここに来て行場「せり割禅定」にいってみたい。     ~つづく~     K&K
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