福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

Q,「羅漢様は十界のどこに位置ずけられるか」

2013-08-23 | Q&A
Q,「羅漢様は十界のどこに位置ずけられるか」


A,阿羅漢 (あらはん、サンスクリット:arhat )は、尊敬や施しを受けるに相応しい聖者のことでサンスクリット語"arhat"の主格 "arhan" の音写語ということです。略称して羅漢(らかん)ともいいます。

小乗仏教では、修行者の到達し得る最高位を阿羅漢果あるいは「無学位」「応供(おうぐ)」等といい、一切の見惑と修惑を滅尽し涅槃(ねはん)に入って再び生まれない位とされ、もとはお釈迦様の尊称の一つでもあったとされます。
   
大乗仏教では阿羅漢を声聞とする例があります。仏像図鑑(国書刊行会)では十六羅漢のうち賓度羅跋囉惰闍(びんどらばらだーじゃ)尊者、囉怙羅(らごら )尊者のところでお二人をそれぞれ四大声聞の一人と書いています。また別に羅漢とは声聞、縁覚をいうとされることもあります。

さらに密教辞典(法蔵館)では「(羅漢は)もとはひろく佛、独覚、声聞に共通の称号であった。」とされます。


参考までに仏像図鑑(国書刊行会)の羅漢の項を写しておきます。羅漢様は神通力を駆使して衆生済度の真っ最中ということです。

「法住記(大阿羅漢難提蜜多羅所說法住記)に曰・・『この阿羅漢、佛勅を承くるゆえに神通力をもってみずからの寿量を延べ、世間に住して正法を守護し、今に到りてなおいまだ入滅せず。もし世間に大施無遮絵を設くる時に遭うてすなわちろもろの眷属に同じく聖儀を蔽隠して凡流に同じてひそかに供養を受け、施者をして勝果報を得しめ、有情を饒益せしむ。これを十六大羅漢となす。』・・いまここにあぐる十六羅漢は十六人の大阿羅漢にしてすでに阿羅漢の果徳を備え、佛勅によりて一切の衆生を済度するものなれども、古来十六羅漢の説には二種あり、すなわち一は阿弥陀経にとかるるものにして・・すなわち阿弥陀経には舎利弗(しゃりほつ) 摩訶目犍連(まかもっけんれん) 摩訶迦葉(まかかしょう)
摩訶迦栴延、摩訶拘絺羅、離婆多、周梨槃陀迦、難陀、阿難陀、羅睺羅、憍梵波提(きょうぼんはだい)、賓頭盧頗羅墮(びんずるはらだ)、迦留陀夷(かるだい)、摩訶劫賓那、薄俱羅、阿[少/兔]樓馱(あぬるだ)をあげ、法住記には「第一尊者名賓度羅跋囉惰闍(びんどらばらだじゃ)。第二尊者名迦諾迦伐蹉(かだかばしゃ)。第三尊者名迦諾迦跋釐墮闍(かだかばりだじゃ)。第四尊者名蘇頻陀(そひんだ)。第五尊者名諾距羅(だこら)。第六尊者名跋陀羅(ばだら)。第七尊者名迦理迦(かりだ)。第八尊者名伐闍羅弗多羅(ばじゃらほったら)。第九尊者名戍博迦(じゅばか)。第十尊者名半託迦(はんだか)。第十一尊者名囉怙羅(らごら)。第十二尊者名那伽犀那(なかさいな)。第十三尊者名因揭陀(いんがら)。第十四尊者名伐那婆斯(ばなばし)。第十五尊者名阿氏多(あした)。第十六尊者名注荼半託迦(ちゅうだはんたか)。の十六羅漢をあぐれどもいずれを真とするやつまびらかならず。」とあります。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« お大師様の御足跡寺院その3 | トップ | 故人との再会 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Q&A」カテゴリの最新記事