”無類”とは、辞書では、比べようのない(優れたもの)としていますが、ここでは、”無法者”又は”無敵”というのが正しいようです。
時は1461年、室町時代の末期、余は乱れ大飢饉と疫病が同時にこの国を襲い、街中8万以上の死体が溢れ人身売買、奴隷労働などが横行するまさに暗黒時代でした。
しかし、時の権力者は無能で享楽の日々を過ごしていた。この時代は貨幣経済が進み、富める者は益々富み、格差社会が顕著に表れていた。
そんな中、自分の腕と才覚だけで混沌とした世の中生きる自由人蓮田兵衛(大泉洋)は密かに討幕と世直し画策し、立ち上がるのを狙っていた。
又、並外れた武術の才能を秘めながらも天涯孤独で夢も希望もない日々を過ごしていた青年 才蔵(長野謙杜)が兵衛に見出され唐崎の老人(柄本明)につき鍛えられ、兵衛と行動を共にすることとなる。
ここでの才蔵の動きは、なかなかスピード感があって、緊迫感が感じられました。
兵衛と道賢の一騎打ち 天涯孤独の才蔵は、兵衛に拾われ修行に励む
話はこれから佳境に入り、兵衛の元に集まった無類たちは巨大な権力に向けて暴動を仕掛ける。
そんな彼らの前に兵衛の勝手の悪友 骨反道源(堤真一)が立ちはだかる。
唐崎の老人 才蔵の師匠
それにしてもこの映画はわかりやすいストーリーでいわゆる人間関係があまりにも淡泊なアクション時代劇です。
しかし、この映画は、実際にあったと思われ、ある程度史実を踏まえたアクション時代劇ですが、それにしても、このアクションは、史実とは思えない派手なアクションが続くのは、なんなんでしょうか・・すこし執拗すぎるのでは・・・
これは、寛正の土一揆(1462年)とも徳政一揆の指導者として「新撰長禄寛正記」には兵衛のことを牢人の地下人」として書いてあります。
又、骨皮佐左エ門道源は「応仁別記」には牢人を束ねる頭目と書かれ、応仁の乱では東軍の細川勝元にやとわれて戦ったとも書かれています。
また、劇中にある七重の塔は1399年に足利義満が建立したもので、復元CGがあります。
これらも何気なく劇中に現れますが、時の権力の象徴たる七重の塔や徳政令(この時代が日本の金に対する考えが変わる時だと言われている)などももっと詳しく話のなかにあればと思ったのですが、ここが娯楽時代劇とのむつかしさなのでしょうか・・・・
ともかく、難しく考えるより、アクション娯楽時代劇として楽しんだ方が良いのでしょうか。
なお、他に北村一輝、中村蒼、松本若菜等も出演しているが、もっと存在感が欲しいところです。
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