日々の恐怖 2月2日 早朝の訪問者
うちのダンナは仕事柄、かなり朝早く起きて出勤する。
だいたい5時には一緒に起きて、私は朝ごはんの、ダンナは出勤の支度をする。
眠い目を擦って台所に立ち、ダンナが洗面所で顔を洗っている音が聞こえた。
突然インターホンが鳴って、覗き窓から見てみると、見た事も無い小学生低学年の男の子が、ランドセルを背負って黄色い学帽かぶって立っていた。
「 誰?どうしたの?」
って聞くと、その男の子、
「 ママがケガしちゃったから、ばんそうこう頂戴。」
って言ってきた。
“ どこの子だろう?”
って思いながら、台所に戻り救急箱からばんそうこうの箱を取って玄関に行った。
ドアを開ける前に、
「 ねぇ、どこの子?」
と聞きながらサンダルをつっかけていると、その子、
「 僕のママ、血がいっぱい出ているの。」
と言う。
“ じゃあ、ばんそうこうじゃ間に合わないんじゃない?”
と思いながら、
「 どうやってケガしちゃったの?」
と聞くと、
「 ママ、血がいっぱい出て動かなくなっちゃったの。
早く開けてよ。」
って言った。
“ なんか恐くてヤバい!”
と思って、
「 うちは駄目!どっか他所に行って!」
と言うと、ドアを凄い勢いで蹴った音がして静かになった。
ドキドキしながら覗き窓を覗くと、その男の子が外側の覗き窓の高さまでよじ登って、反対にこっちを覗いてニヤニヤしてる。
ぞっとして後ろに下がって・・・・。
と、そこで目が覚めた。
心臓がまだドキドキしている。
ダンナが、
「 あれ?また寝ていたの?」
と言いながら洗面所から部屋に戻ってきた。
ホッとして、起きて、
“ ご飯を作らなくちゃ!”
と思って布団を出ようとしたとき、右手にばんそうこうの箱を持っていた。
“ あれ?”
と思っているとダンナが言った。
「 さっきお前、玄関にいてなんか騒いでいたから、どうしたのか聞こうと思ってたんだよ。
なんか、ドアとか蹴られてだろ?」
童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ